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タンスの肥やしで「ノート」をDIY

 使わないのに捨てられず、持て余している「タンスの肥やし」。各人、その肥やしは様々でしょう。無論、肥やしなんてないと言うミニマリストの方々がもいるかも知れません。僕もミニマリストのようにできるだけモノは持ちたくないと願っているのですが、共同生活をしているとなるとそう簡単にはいきません。共同生活しているミニマリストもいると思います。その多くは共有意識が高いのでこのような問題は起らないでしょう。しかし、我が家には理解不能なレベルで「紙袋」を必要以上に溜め込む「妻」がいるので。

ほんの一部

 定期的に「数枚」気づかれぬよう処分をしているのですが、定期的に補填されるため一向に数が減りません。紙袋といえども数がまとまると結構なスペースを取り邪魔、なおかつ取手があるので収まりが悪い。しかし、ただ捨てるのも忍びなく何かの役に立つように形を変えて「妻公認」のもと処分をしたい。そうDIYはこのような個人的な問題を解決してくれます。今回はこのタンスの肥やし「紙袋」使いDIYをしていきます。

 作るものは画像を見ての通り、紙袋を表紙に使った「ノート」。作り方は近所の製本所さんから手ほどきを受け、「プロの技術」を大げさな機械を使わずDIYレベルに落とし込んだものになってます。慣れれば一時間に数冊つくることも可能。知り合いへの「プレゼント」を大義名分に大量の紙袋を消費できそうです。さぁやってみましょう。

材料

  • 紙袋

  • A4コピー用紙

  • ボール紙

  • 両面テープ 15mmと10mm

  • ボンド 布、紙にも対応するもの。 

作り方

ざっくりと作り方を分けるとノートの中身になる「本文」と紙袋を使う「表紙」。これらをドッキングして完成します。まずは「本文」づくりから。

「本文」づくり

本文にはどこでも手に入るA4のコピー用紙。厚み1センチ分を用意します。
今回作るノートはA4サイズの半分。
なので一番上の紙にちょうど横半分になるところに線を引いておきます。
引いた線に沿って、定規代わりのベニヤ板などをあてます。
また、紙の下には机が傷つかないようにベニヤ板を敷いておきます。
定規と下に敷いたベニヤ板をクランプを使ってしっかりと紙を挟んでおき、
定規に沿ってカッターを使って紙を切っていきます。
一気には切れないので、3,4枚を軽く切っていく作業を繰り返して行きます。
切った紙は、カッターで切った面で揃えておいてください。
「切った面」と「切っていない面」の方向が混ざらないようにしてください。
つぎに「力紙」を用意します。
「力紙」は本文を補強するものです。
サイズと数量は「210mmx45mm 1枚」
ここは見えてくるものではないので紙袋の端っこからでも、他の紙から取ってきても構いません。
紙をきれいに整えて「カッターで切っていない面」の方にボンドを塗っていきます。
ボンドには1割り程度の「水」を混ぜると乾きを少しだけ遅らせて作業がしやすくなります。
重ねた紙をしっかりと上から押さえながら塗りましょう。
「力紙」にもボンドを塗って、本文のボンドを塗った面に貼ります。
貼り終えたら、ブラシを使って本文のボンドを塗った面をしっかりと擦ります。
このブラシは固めのものが良く、今回は靴を洗うときに使うブラシを使用しました。
「見返し」と呼ばれる表紙の裏面を「本文」の両面へ取り付けます。
サイズと数量は「A4(210mm x 297mm) 2枚」
これも紙袋から切り取ってください。足りなければ他の紙でも構いません。
「本文」を綴じている端に沿って15ミリの両面テープを貼って、
2つに折った「見返し」を貼り付けます。
「見返し」を開くとこのような感じになります。ここまでで「本文」づくりはおしまい。

「表紙」作り

まずは「紙袋」を解体していきます。底の折込からゆっくりと剥がして行きます。
剥がし方のコツは、ひねり気味に「斜め」に向かって剥がしていくときれいに剥がれます。
取っての部分も剥がして、最終的に1枚の紙になるようにしてください。
まず解体した紙袋から表紙になる「246mm x353mm 1枚」
お気に入りの箇所から切り取ってください。
左の2枚は先程の先程の「見返し」。
 そこにしっかりとした表紙になるようにの芯となる「ボール紙」を貼って行きます。
予め配置するところに線を引いておくと良いでしょう。
表紙の芯となる「芯ボールを216mm x 146mm 2枚」
 背表紙の芯となる「背ボール13mm x 216mm 1枚」
を用意し、図の位置にボンドで貼っていきます。
「芯ボール」の片面全体にボンドを刷毛で塗り、
所定の位置に貼り付けたら表紙の表からブラシで擦りシワを伸ばしてください。
「背ボール」には両面テープを貼って所定の位置に貼り付けます。
ポイントは「芯ボール」と「背ボール」の高さが揃っていること
ここがズレているとうまく閉じないことがあります。
周囲の余白に15ミリの両面テープを貼ります。
表紙の「角」を斜めにカットします。
「芯ボール」の角から3〜5ミリ程の隙間を残してカットしてください。
両面テープを剥がして、上下の長手から最初に内側に折り込んで行きます。
斜めにカットした部分はこの様に綺麗に織り込まれます。
「芯ボール」と「背ボール」の間に9mmの隙間が2箇所あります。
この隙間が「本らしさ」になる鍵なんです。
両面テープを貼ってフィルムを剥がして置きます。
ここまでで「表紙」づくりはおしまい。
次に最後の作業「ドッキング」となります。

2つをドッキング

「背ボール」の中心に「本文」をセットしてズレないように表紙を閉じます。
先程の9mmの隙間に貼った両面テープが「本文」にくっ付くように
「丸い棒(菜箸など)」などで隙間にしっかりと押し当ててください。
「くぼみ」ができるようになれば十分です。
「芯ボール」と面している「見返し」の裏全体にボンドを塗ります。
ブラシで擦ってシワを伸ばします。
「表紙」「見返し」共に多少シワがあっても気にしないで大丈夫。
両方の「見返し」を貼ったら完成。
「本文」と「背ボール」は接着しないため隙間ができる。
これによって開閉がスムースになる。
完成。シワがいい雰囲気。
別バージョン。「取って」もきれいに剥がす。 写真:岩西
「取って」は「スピン」と呼ばれる「栞」代わりのヒモに。
お年賀で頂いた可愛い横浜ハーバーの紙袋のイラストは言わずとしれた故柳原良平さん。 
写真:岩西
「シワ」や「折り目」「剥がれた跡」もいい味に

あとがき

 以前から「メモ帳」や「ノート」の製本をやってみたいと思い、近所の製本所の社長さんに製本の手ほどきを受けていました。改めてプロのものづくりの「奥深さ」に感銘を受けた次第です。何気なく見ていた「本」の本らしさはこういう作りにあるのかと、作ってみることで初めて分かり高揚したものです。しかし、普通にノート作るだけではちょっと物足りないと思ってしまう悪い癖がネタの披露を遅らせていました。

 一方で処分をしたかった紙袋は「デザイン」「紙質」と様々で秀逸なデザインも多い。なので、ただ捨てるには忍びない。けど捨てたい。そこであてもなく紙袋を解体していたところ「こうするとただの紙」だなと思ったところで「紙袋」から「素材」へと見方が変わりました。素材となれば可能性を感じるもので、くすぶっていたネタと融合させようと考えていたところ「製本ネタ」とドッキングすることと相成りました。
 
 僕の場合、DIYのネタは複合的にできるのでひとつの事に集中するとなかなかアイディアがわきません。集中力が乏しく、興味があちらこちらに分散する僕にとってこのようなDIYのネタ作りは天職なのかもしれません。コロナも落ち着いてきたので今年はこれでワークショップでもできたらなと思っている次第です。それではまた。

作り方はこちらからでも

写真:薮内 努 https://www.instagram.com/yaboo/
 


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