私の白い髪の毛
私は30半ばの髪の毛としては白髪が多い方になる。
今は亡き父の家系の遺伝である。そして2、3年前からカラーをやめた。
ヘアドネーションの為に伸ばしていた髪を切りボブになった事でさらに白髪頭がよく目立つ。
勤め先では小ぎれいにしている年上の女性と初対面の時に頭を凝視された、こちらが挨拶代わりの世間話をしている時に。
しかし初対面でなくとも、久しぶりに会う友達、一緒に暮らす母
みんな白髪頭を見て、染めないの? 折角若く見えるんだから染めたら?
とアドバスをくれる。
母曰く、生前の父も同じようなことを言っていたんだとか。
どれも私を想って言ってくれるのだからとても有難い。
けれど、まだまだ黒く艶のある他の髪に交じっているキラキラした白髪
これはこれで私に合っている白髪頭なんじゃないかと思う。
染める、のはみんな染めているから?
染めて、若く見えて気持ちが上がるのは私だけど
それ以上に、数週間後誰より早く髪の根元に伸びた白髪を見つけ、恐怖にも似たストレスを抱えるのもまた私なのだ。
染めることは身だしなみと断言されてしまえば、
責任を感じずにはいられないし
誰にも迷惑をかけていないとそっぽを向いて聞く耳持たないと言うのも
子供のわがままのようで口にしない
ただ、私がこの容姿で生きていきたいと思うだけ。
白髪のある髪でアレンジもするし、髪の印象とはかけ離れた服装もする
自分がいいと思うものを手に取って身にまとっていきたい。
とは言っても、写真や鏡で改めて自分を見ると
小さくため息をしてしまう。
本音で生きたい私と 建前を捨てきれない私
ふいに私が、どこに写っても 俯くことなく笑いかけてあげたい