【Flocon】苦い夜だぜ
今宵はFloconへ。
https://www.restaurantflocon.com/
ムフタール通りにあるミシュラン掲載店。
ムフタール通りといえば、坂道沿いにエスニック料理やカジュアルなレストランが並ぶ、パリでも有数の賑やかな通り。
歩いているだけで楽しい場所だ。
坂道の雰囲気が、なんとなく神楽坂を思い出させる。
賑やかな通りには珍しいシックなレストランがFloconだ。
入店して名前を告げる。
大学生と思しき若い女性の店員が愛想よく応対してくれる。
他のスタッフも、大学生のバイトなのだろうか、すごく若い。
料理の写真とか、互いのスタッフの写真などを撮り合って、いつまでもキャッキャしている。
微笑ましいとは思うけれど、文化祭の模擬店じゃないんだぞという気持ちにもなる。
こういう屈託のなさは、一昔前のフランスにはなかったように思う。
アメリカ化しているということなのだろうか。
前菜には卵料理を選ぶ。
半熟の卵に、きのこの塩味が足されている。
特に冴え渡る味とは思わなかったけけど、食べ続けていると、まあ、おいしいのかもしれない。
ブリオッシュが付け合わせてある。
なかにはヘーゼルナッツを甘くしたものが入っている。
ところが、このブリオッシュと卵が特にあうようには思えなかった。
ブリオッシュのどすんとした重たさに、少々嫌気がさしてくる。
なお、フランスの人は卵料理がすごく好きらしい。
よくみかけるし、たまに注文してみるけど、これはという皿にはなかなか出会えない。
卵料理としては、日本の親子丼とか、うどんのかき玉のほうがよほどおいしいと思うのだけれど。
メインには仔羊を。
仔羊はとてもおいしいと思った。
けれど、ソースの酸味が強くて、食べ疲れてしまう。
この酸味はどうしてなんだろう。
どういう意図なのだろう。
店のことがまだ、よくみえてこない。
2皿ではわからない場合はデザートまで頼んで確かめたい。
この店の哲学を。
チーズのデザートも注文する。
チーズのデザート。
ドライオレンジが載せられている。
苦味が強い味だ。
これにあうかと思って、オレンジワインを頼んでみる。
これまた苦い。
苦いデザートに苦いワイン。
苦味で閉じる夜か。
何をどうしたいのか。
いまひとつ方向性がわかりにく店だった。
食材がなんだか気の毒に思えてきた。
苦い夜。
そんな夜もあるさ。
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