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【La Rotonde】モンパルナスのカフェ街

パリでカフェといえばサン・ジェルマン・デ・プレ地区が有名。
ドゥマゴ(世界で唯一の支店が渋谷にある)とカフェ・ド・フロールが双璧をなす。

ギャルソンもしっかり威張っていて、いかにもパリらしい。

今回の旅で初めて知ったのだが、モンパルナス駅のひとつ隣のVavinも、サン・ジェルマン・デ・プレと並ぶ伝統的なカフェが立ち並ぶ地区だという。

20世紀初頭にピカソら芸術家が通いつめたのだとか。
ピカソが通ったという店は世界にいくつあるのだろう。
東京でいう池波正太郎みたいなものだろうか。

『地球の歩き方 フランス』にVavin周辺の4つのカフェが紹介されている。
ホテルから近いので、散歩がてら視察に行く。

まずはLa Coupole。
https://www.lacoupole-paris.com/

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魚料理中心のレストランのようだ。
8:00から24:00までノンストップ営業。

La Coupoleとモンパルナス通りを挟んで向かい合うのがLe Select。
https://www.leselectmontparnasse.fr/

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La Coupoleよりもややリーズナブル。
7:00から深夜3:00までやっている。
近くの舞台がはねたあとにでもじっくり語り合う店なのだろう。

3つ目がLe Dome。

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こちらも魚料理専門店。
ランチとディナーだけの営業。

そして最後がLa Rotonde。
Le Domeの道路を挟んだ向かい側だ。

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7:30から深夜までのノンストップ営業。

というわけで、4店舗ともカフェというよりはブラッスリー。
つまり食事をしっかりと出す店だ。

どぎつい看板が気に入ったのでLa Rotondeでランチをすることにした。
店のホームページによれば、ピカソだけなく、ジャン・コクトー、モディリアニ、スコット・フィッツジェラルドらも通ったという由緒正しき店のようだ。

外観はラスベガス並みの派手なデザインながら、室内はシックな色調。
鏡張りになっていて、鏡が一点の曇りもないほどよく磨かれている。
レトロなランプが優しい光をおとす。

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店内にはモディリアニらの絵(複製)が飾られていて、京都の喫茶店フランソワを思い出す。

メニューをみていたら、まだ注文も決まっていないうちからこちらが運ばれきた。

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オリーブの実とラディッシュ。
ど真ん中の直球のおつまみ。
シンプルさがすばらしい。
ラディシュにあわせるバターはなんとエシレ。
日本のエシレファンなら悲鳴をあげて喜ぶだろう。
日本で買えば700円はするバターが無料ででてくる。
これは贅沢だ。
バターをペタペタ塗って、ラディッシュをぱくぱく食べてしまう。

昼なので前菜はパス。
というか、エシレを塗り付けたラディシュでじゅうぶん前菜代わりになった。

メインには仔牛をとる。

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オーブン焼きしたものに、バターソースがかかっている。

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なかはこんな感じ。

とってもおいしい。
焼き加減も塩加減もいい。
バターのソースもくどくない。
ずっと食べていられる。
なかなかのボリュームだけれど、飽きずに最後まで楽しい。
ディジョンマスタード(黄色いやつ)と塩胡椒も置いてあるので、途中から味を変えてみたりする。

久しぶりにミシュランに掲載されていない店で食べているのだけれど、こりゃうまい、と心から思った。
ミシュラン掲載店に行って消化不良なこともあったので、予想外のおいしさがうれしい。
ミシュランだけを見ていればいいってものでもないな。
(それ見たことかという声が聞こえてきそうだ。)

昼だけど、雰囲気にのせられて赤ワインを頼んでみた。

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雰囲気のせいにするんじゃなかった。
ただ飲みたかっただけ。

あとから調べてみると、1903年の創業という、かなりの老舗だ。
知らなかったことが恥ずかしいくらい超有名店のようで、調べればいくらでもエピソードがみつかる。
現大統領のマクロンも前大統領のオランドも常連らしい。

老舗の格や味を維持していくのは並大抵ではないのだと思う。
「池波正太郎も愛した」という店が今でもおいしいとは限らない。

モンパルナスの歴史的カフェLe Rotonde。
歴史も物語も店構えも内装もサービスも特別だが、皿の上も一級品だ。





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