寝台列車『WEST EXPRESS 銀河』に乗って熊野の世界遺産の温泉『つぼ湯』に入ってきた③〜湯の峰温泉「つぼ湯」編〜
ローカル線で行く、一人旅好きの秋野あき子です。
2024/7/22〜7/24にかけて、京都駅から寝台列車のWEST EXPRESS 銀河に乗って和歌山県へと向かい、世界遺産の温泉『つぼ湯』に入ってきました。
この記事は〜朝の銀河と熊野編〜のつづきです。
いよいよ世界遺産「つぼ湯」へと向かいます。つぼ湯の説明については以下の通り。
調べてみると川沿いの温泉は日本各地にあまたあれど、川底から湧出する温泉というのは珍しいようですね。当初、銀河での旅のプランを計画中、湯の峰温泉での宿泊とかなり迷ったのが上記にもある「川湯温泉」でした。川湯温泉は川底を掘れば天然温泉が湧き出ることで有名で、秘湯の湯会員宿もあるくらいです。連泊できるのならぜひ川湯温泉にも宿泊したいものです。
さてさて、つぼ湯に向かう前に周辺のお散歩です。
二人してやはりバスで来てよかったと思ったのでした。ガチ装備じゃないと熊野古道は歩けませんね、甘くみてはなりませぬ…。
こちらの湯筒で温泉玉子を作るには、すぐそばにある湯の峰食堂という食堂兼売店で玉子を買わなくてはなりません。早速購入してみることにします。
券売機のすぐ横におっちゃんがいるのでつぼ湯の待ち時間を聞くと約1時間半くらいとのこと。1組30分入浴できるので3組待ちということになります。つぼ湯のすぐ近くのベンチで待っていないと順番を飛ばされるそうで、温泉玉子を食べてから券を買うことに。
「玉子まだ早いかな」
「大丈夫じゃない?結構アチアチやし」
玉子はもうちょっと茹でるべきだったのか、まだ柔らかかったですが、塩を振ってずるりと吸い込むようにいただきました!旨い!
私達の前のグループは外国人のカップルのようでした。券売機のおっちゃんが言うには「お湯が熱いから外国の方なんかは割とすぐ出てきはりますけど」とのことでしたが、ガッツリ30分で出てきました。やっぱり世界遺産ですもの!許された時間分は堪能したいですよね!
さあいよいよ私達の番です!
石の階段を降りるとすぐ眼下につぼ湯が見えます。左手に脱衣カゴがあってそこに服を入れます。
このようにまさしく壺に入るかのごとく、穴の中に身を沈めます。成人二人で入るとちょうどよく埋まる感じでしょうか。奥の深いところへ行けば、三人四人と入れますが湯温は体感40度くらいの熱めなので長湯はできなさそうです。
1日に7回色を変えるとのことですが、私達が入った時は写真のようにうっすら白濁していました。他にどんな色に変わるのかすごく気になりますね。
洞窟の奥の方からじんわり熱い湯が湧き出てくるのを感じることができます。
泉質は、美肌成分で知られる重曹と、保温効果に優れる食塩が少量含まれる硫黄泉だとか。温泉地独特の硫黄のにおいが立ちこめます。
ずっと湯に浸かりっぱなしだと伸ばせるので、足だけ浸かってみたり時に全身沈めてみたりして世界遺産の温泉を堪能します。
悠久の時を越えて、熊野詣でで疲れた旅人の身体を癒してきたこのつぼ湯…。他に類を見ない個性的な温泉です。一度でも入ることができて本当に良かったと思えます。
ちなみにこのつぼ湯に入ると、公衆浴場の薬湯もしくは家族風呂に入ることができます。せっかくなので両方入りたいと思います。
かなり最近になって作られた施設なのか、とてもきれいでした。つぼ湯ではシャンプーや石鹸が使えないので、本格的に身体を洗おうと思ったら宿泊先の旅館かこの公衆浴場で洗うことになりますね。新しい分情緒には欠けますが、こういう施設は汗にまみれた旅行客にとって本当にありがたいと思いますね。
そろそろお腹が空いてきました。湯の峰食堂で晩御飯をいただきたいと思います。
湯の峰食堂は座敷のテーブルが三箇所、四人がけのテーブルが二箇所ほどのこじんまりとした食堂でした。しかもテーブルの一部はなにやら食材や売り物置き場になっているようで、お客さん3〜4組入ったらいっぱいになりそうな感じです。私たちは真ん中のテーブルに座りました。おかみさんは一見とっつきにくそうに見えましたが、話してみると気さくで地元の方と楽しそうにおしゃべりしていらっしゃいました。
こういうのでいいんだよこういうので!
旅館の豪勢な食事ももちろん素敵ですが、間違いない居酒屋メニューが堪能できる地元の食堂で食べる晩御飯も乙なもの。このあとチャーハンとか食べた気がする。
よしのや旅館に戻り、今度は旅館の温泉を堪能します。
泉質はたぶんつぼ湯と同じだと思います。旅館の温泉は白濁してはいませんが、においや湯触りが一緒だと感じました。やや熱めですが、板で湯もみし身体を沈めると疲れた身体にちくちくと沁みてきます。
前日の銀河から始まり、世界遺産をめぐる旅で胸がいっぱいの私達。日本だけでもまだまだ知らない場所がたくさんあると思うと、一生分じゃ足りないねみたいなことを言った気がします(酔っててあまり覚えていない)
この後外の露天風呂にも入り、本当にクタクタになりました。部屋で流れるようにお酒を飲み、溶けるように布団に入って一瞬で眠りについたような気がします。
翌朝。旅はついにフィナーレを迎えます。寂しい。
この日はもう金沢へ帰るだけです。
ちらっと白浜の海岸を見て帰ろう、ということで湯の峰温泉から紀伊田辺駅へとバスで向かい、紀伊田辺駅から白浜駅へ電車に乗り、そして白浜駅からバスで白良浜(しららはま)へ向かいます。バス電車バス電車の旅、しかも時間的にもかなり弾丸な旅になる予感。
白浜駅では隣のお土産やさんをちらっと周りました。それでもすぐバスの時間がやってきて、早足でロッカーに荷物を預けバスに乗り込み白良浜へと向かいます。
白良浜はその名の通り真っ白い砂浜で有名な海水浴場です。北陸のどんよりとした海しかしらない私たちにはさぞ鮮やかな海に圧倒されることでしょう。
やはり北陸の海とは全ッ然美しさが違います!海ってこんなに青くて砂浜ってこんなに眩しいんだ…。
本当は二人で砂浜でかけっこ、もしくは波を触る予定だったのですがバスの時間が本当にタイトで、すぐ折り返しのバスに乗らなくてはなりませんでした。残念!!
ちらっとしか寄ることができませんでしたが、白浜はとても有名ですね!白浜温泉もあるし。夏の和歌山に来たからには白浜も堪能するべきだと思いました。2泊3日じゃ全然足りない…。
帰りはくろしおパンダ号に乗って新大阪へ向かい、新大阪から金沢へ向かいます。
帰りの電車の中では、次の旅について語り合いました。ほ◯やんは次なる電車の旅を計画しているようです。私はしばらくはお預けになりそうですが、いつかかならず子供たちを寝台列車の旅に連れて行ってあげたいと強く思いました。銀河があまりにも素敵すぎたから、この感動を自分だけが独り占めするのは罪深い…!
灼熱の京都、銀河鉄道の夜、ロッククライミング、世界遺産の温泉、青い海白い砂、パンダ…振り返れば素敵な思い出がまた私の胸に刻まれています。
そしてなによりもほ◯やんありがとう。親子までいかなくてもそれなりに年が離れているにも関わらず、素敵な思い出を一緒に作ってくれて本当にありがとう。
次はどんな電車に乗ってどんな旅に出ようかな。