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ママの彼氏

去年くらいから、ひとり親家庭の中学生達から「ママの彼氏」という言葉をよく聞くようになった。
その言葉を初めて聞いた時は、何を言っているのか?意味がよく分からなかった。

「ママの彼氏が来てるからさ」とか
「ママがママの彼氏と出掛けているからさ」

といった具合で、
子どもたちは「ママの彼氏」なる存在をそういうモンだと思って素直に受け入れているように聞こえるし、子ども達自身もそこに嫌悪感を抱いているようには感じられない。

しかし、よく耳を傾けてみると、
あくまでも「ママの彼氏」なる存在は、子ども達にとっては第三者的なのである。

一方で、母親たちは「子供も、とてもよく懐いてくれていて」とか「パパになってもいいと言ってくれている」とか、家族として迎えようとバリバリ前向きな様子が伺え、子どもと親の温度差を感じるのである。

「クリスマスに、ママはママの彼氏と何日間か出掛けちゃうから、俺1人なんだけど、お金を置いていって貰えるからラッキーなんだ」と、そういうモンだと受け入れている中2の男子。

「3月の卒業式がちょうどママの出産予定日だから心配。弟と妹の世話もあるし、赤ちゃんの方が大事だから、卒業式って休んでもいいのかな?」と、10月に別れたばかりの「ママの彼氏とママ」との間に授かった異父姉妹の誕生を心待ちにしている中3女子。

中学生には、大人の事情を知るにはまだまだ幼な過ぎる。その場、その場の家庭事情をそういうモンだと思って素直に受け止めるのである。

もっと言ってしまうと、子どもにとって母親というものは、「お母さん」意外の何者でもなく「1人の女」であるとは夢にも思っていないのだ。

子どもたちのコトを思うと、母親の女の部分は子ども達には見せないでやって欲しい。

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