短編小説「常にエンジン全開
常にエンジン全開、33歳のかずや。彼の一番の特技は、バイクでショッピングモールを疾走すること。
しかし、この店「胡蝶蘭」に佇む怒りんぼの44歳のこおりさんはかずやの常軌を逸したバイク走行についてプライドが許されなかった。
「またお前が、かっ!」こおりさんの声が響く。あげくの果てに、陳列されている新鮮なオクラにダメージを与える。
スライドをかけたかずやのスニーカーが握り締めたオクラをねじ伏せ、無残にも落としたのだ。
「ふんだ!また、お前を見かけたらこんなもんじゃ済まんぞ!」 しかし、かずやは全く反省の色を見せない。
「また明日も走るからな!」と声を放つ。彼のバイクはまた、モールで独特のエンジン音を響かせるだろう。
このショッピングモールでのバトルはまた、続きを見る日まで…。