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端っこ
「ガリちょうだい」
子供の頃は生魚が苦手で、お寿司の中で一番好きなのがガリだった。
卵とかっぱ巻きくらいしかいらなかった私は生魚の乗ったお寿司に喜ぶ姉たちと取り引きをした。
マグロとガリ、イカとガリ、イクラとガリ、タイとガリ…とにかく生モノとガリを次々と交換し、手元にガリが増えていくことを喜んだ。
ぐにゃとか、ぺろんとしたものや、生の匂いだとかが嫌いだった私は、その名前のままのガリガリした食感や甘酸っぱくてヒリヒリする生姜のあの感じが本当に大好きだった。
焼き魚に乗ったはじかみがたくさん食べたいと、スーパーで母にねだっても
「あんなものはたくさん食べるものじゃない」
と、買ってもらえなかった。
定食に添えられたパセリはポテトサラダより好きだった。
ティーカップから引き上げた輪切りのレモンは食べたかった。
無くても構わないと言われそうなものが、どうにも好きだった。
マイヤーレモンらしきレモンをいただいて、ホットはちみつレモンにしたあとの皮を煮ました。
おいしいレモンママレードができて、ごきげんな朝でした。
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ごちそうさまでした。