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昨晩の対談では片倉さんが見た目も派手で新しいタイプのかき氷、僕が昔懐かしの台湾食文化とも関わりのある古いタイプのかき氷を紹介しました。

 僕が紹介したのは粉粿冰(hún-kóe-peng)です。粉粿(hún-kóe)はタピオカスターチ(キャッサバ芋の根茎から取れるデンプンを粉末にしたもの)やサツマイモの粉もしくは緑豆の粉や片栗粉などを水で溶いて煮て、冷やした半透明のゼリーです。クチナシの果実から取れる黄色い天然色素を使って黄色く着色させたものも多いです。この粉粿(hún-kóe)を使った粉粿(hún-kóe)で有名な店は台北市大同區甘州街 34 號にある「呷二嘴 (食兩喙 chia'h-nn̄g-chhùi =チアヌンツゥイ)」という店です。ここは他に米篩目(bí-thai-ba'k:米苔目/ライスヌードゥル)を使ったかき氷も販売しています。

粉粿冰(hún-kóe-peng)

 米篩目(bí-thai-ba'k)=米苔目は在来米の粉にサツマイモの粉を混ぜ合わせたものの中に炊いておいた蓬莱米に水を加えて煮たものを入れ、よくこねて生地を作ります。その生地を篩仔 (thai-á)=タイアーとか米篩(bí-thai)=ビィタイと呼ばれる穴がたくさん空いた竹や金属の道具 (日本語では篩=ふるいと呼ばれる) に押し当て、擦ることによっ て、断面が丸い形状のヌードゥル状のものが穴から出てきます。それを熱湯の中に落としいれ、煮てから冷やしたものが米篩目(bí-thai-ba'k)=米苔目です。篩仔 (thai-á)=タイアーがない場合はホイップクリームの絞り器でも代用できます。形状は粉條(hún-liâu)に煮ていますが色は真っ白です。

 粉條(hún-liâu)はタピオカスターチ(キャッサバ芋の根茎から取れるデンプンを粉末にしたもの)とサツマイモの粉や片栗粉を混ぜて、水に溶いたものを煮てドロドロにしたものをホイップクリームの絞り器に入れ、煮だったお湯の中に絞り出して、ヌードル状の形にして煮たものをさらに冷やしたもので、断面が丸い半透明のヌードル状のものです。これをかき氷と一緒にしたものが粉條冰(hún-liâu-peng)です。

粉條冰(hún-liâu-peng)

 上の写真の粉條冰(hún-liâu-peng)の黄色いゼリー状のものは粉粿(hún-kóe)です。クチナシの果実から取れる黄色い天然色素を使って黄色く着色させたタイプのものです。黒いゼリー状のものは仙草 (sian-chháu)です。白いゼリー状のものは杏仁豆腐 (hēng-jîn-tāu-hū)です。

 仙草 (sian-chháu)は中国原産の一年草で、中国南部の福建省、広東省、江西省、広 西チワン族自治区などに分布しています。台湾では、新竹県、苗栗県、桃園県などの 北部の客家人居住地を中心に栽培されています。乾燥させて黒くなった仙草(sian-chháu)の葉や茎に重曹を少し加えて煮つめて漉すと、デンプンとペクチンなどの多糖類が溶出するので、冷やすと凝固して黒いゼリ ー状の食品ができます。熱中症に効果があると言われています。

 杏仁豆腐(hēng-jîn-tāu-hū)はもともとは中国江蘇省の夏に食べるデザートのようで す。杏仁(hēng-jîn/きょうにん=杏の種の中にある核の部分)を細かく砕き、さらに すりつぶして搾り取った白い汁をゼラチンなどを混ぜて、冷やし固めたものですが、 杏仁の粉末や牛乳やアーモンドエッセンスなどで白い色や香りをつけた簡易的な作り方の方が一般には多く広まっているようです。

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