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台湾在住作家の片倉さんとの対談で米粉湯(bí-hún-thng)について話しました。

https://www.youtube.com/watch?v=F2TxeZI7Dj8 

 新北市新店光明街の「勇伯米粉湯 (ióng-peh bí-hún-thng:イォンペッビィフントゥン)」で食べた米粉湯(bí-hún-thng:ビィフントゥン)や豆干糋(tāu-koann-chìnn:タウコアチィ) 、粉肝(hún-koann:フンコア)、頭骨肉(thâu-kut-bah:タウクッバァッ)、豬肺(ti-hì / tu-hì:ティーヒィ)を紹介しました。

 米粉湯(bí-hún-thng:ビィフントゥン)はビーフンスープのことです。日本語のビーフンは数少ない台湾語から取り入れた外来語です。台湾北部の朝食店や食堂、屋台で提供されるビーフンスープには新竹米粉や日本でよく見かけるビーフン のような極細のビーフンではなく、極太で、色は白く、ヌードゥルの一本一本が非常に短いビーフンが使われます。箸では食 べにくいので、レンゲを使って食べます。スープは豚の肉や内臓や揚げ豆腐などを一緒に茹でたり、湯がいたりするのに使っているスープなので出汁が効いています。また、スープだけならお代わりが無料でできます。なお極細で半透明色のビーフンを使い、スープには野菜や肉などの具がたくさん入った料理は湯米粉(thng-bí-hún:トゥンビィフン=”湯”が名称の頭につく)と呼ばれています。極太ビーフンを使った米粉湯(bí-hún-thng:ビィフントゥン)は台湾北部でよく見かけるものです。同じ米から作られる米篩目(bí-thai-ba'k)に外観が似ていますが、製造方法は違います。米篩目(bí-thai-ba'k)はヌードゥルの端は細く萎んでいますが、極太ビーフンはスパッと切れていて、断面が丸いです。

 豆干糋(tāu-koann-chìnn:タウコアチィ)は中国語では油豆腐(ヨウトウフ)と呼ばれ、日本で揚げ豆腐とか厚揚げと呼ばれるものによく似ています。お弁当の付け合わせのおかずとしてもよく使われているし、ビーフンスープ や麵料理と一緒に注文するお客さんが多いです。

 粉肝(hún-koann:フンコア)は豚の肝臓です。粉肝(hún-koann)と呼ばれるものは脂肪肝で、色が薄く、脂肪が多く、肉質が柔らか い肝臓であり、柴肝 (chhâ-koann)と呼ばれるものは肝硬変になって、色が黒ずみ、肉質が硬くなった肝臓のことですが、料理店で提供される粉肝(hún-koann)はわざわざ脂肪肝にさせたものではなく、新鮮な肝臓を調理法によって柔らかくなるよう仕上げたものです。柔らかくするために米焼酎と 食用の重曹を使って茹でるようです。噛んだ時にとろけるような柔らかさがあります。米焼酎や醤油、 甘草(漢方薬、生薬の一種で甘味料)、ニンニク、生姜、ネギ、ごま油などで作ったタレに漬け込んであるので、そのタレによる味付けも楽しめます。

粉肝(hún-koann:フンコア)=豚の肝臓

 頭骨肉(thâu-kut-bah:タウクッバァッ)は頭骨肉(thâu-kut-bah)、骨仔肉(kut-á-bah)、骨頭肉(kut-thâu-bah)などの呼び方もあり、頭部の内側、つまり頭蓋骨周りの肉のことを指します。脂身がある部分もない部分もあり、また、軟骨部分もあって、複雑な食感が味わえます。 

 豬肺(ti-hì / tu-hì:ティーヒィ)は豚の肺臓です。歯ごたえのしっかりある食感とブニュブニュ感の両方が味わえる部位です。一皿 30 元と、 値段がほかの内臓の部位より安いです。他の部位はだいたい一皿 50 元、60 元、高いものは80元〜100元ぐらいします。

頭骨肉(thâu-kut-bah:タウクッバァッ)=頭蓋骨周りの肉
豬肺(ti-hì / tu-hì:ティーヒィ)=豚の肺臓

 これらの内臓や揚げ豆腐などのおかずのタレには先週紹介した甜辣醬や海山醬に他の調味料や香料を混ぜてアレンジしたものや台湾語で豆油膏(tāu-iû-ko)と呼ばれるとろみのある甘い醤油に他の調味料や香料を混ぜたものが使われています。生姜の千切りが加えられるのも定番です。

 新北市新店光明街の「勇伯米粉湯 (ióng-peh bí-hún-thng:イォンペッビィフントゥン)」の店先。この一つの鍋で色々なものを一緒に茹でている。ビーフンスープのスープはこの鍋の中のスープが使われている。ちなみにスープのおかわりは無料。

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