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二人目を作る勇気がなかった理由

一人息子を育てている。

夫は4人兄弟で育った為、子どもにも兄弟を望んでいた。

私も弟と2人兄弟で、もちろん子どもの頃は姉弟喧嘩もたくさんしたけれど、大人になってから「弟がいて本当に良かったな」と思うことばかりなので、一人っ子で育った場合、いつか寂しさを感じることがあるだろうな…という思いがあった。

しかしながら、私の中で、どうしても「ある呪文」が解けていなくて、下の子が出来たら、上の子に我慢させてしまうシチュエーションが必ず出てくるであろうこと、そして、愛情が分散される(充分に手をかけてあげられなくなる)ことが怖いという思いの中で、どうしても二人目には積極的になれず現在に至る。

ちなみに「ある呪文」とは「お姉ちゃんなんだから」である。

もちろんそれだけではなくて、そもそも家事の苦手な私が、夫と2人の子どものお世話をまともに出来る訳がないし、キャパ不足。

上の子が可愛くない症候群、みたいな話も聞き、ますます意欲は失われていった。

私はとにかく息子が可愛くて可愛くて、このタカラモノに少しでも寂しい思いはさせたくないし、何かしらの「変化」によって悲しませるシチュエーションは絶対避けたいと思った。

なぜなら私自身が母親からの愛情不足で寂しく育ったから。

私の場合、父親や同居していた祖父母からの愛情があったおかげで、変な方向へグレずにここまで来れたけど、今息子を取り巻く環境といったら、夫婦の実家はどちらも離れていて、完全なる核家族。近い親戚も周りにはいない。私と夫だけが、彼の世界なのに、そのどちらかの愛情が不足したら?

想像するだに恐ろしい。

夫のサポートだけで、新生児のお世話をしながら息子の心を満たしてあげる自信は皆無だった。

そんな訳で、我が家は一人っ子。

メリットもデメリットもあるだろうが、いつか息子が大人になった時、「一人っ子で寂しいこともあったけど、オレは両親からの充分な愛情に満たされて育った」と思ってくれたらこれ以上の幸せはない。









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