青が青へ帰る詩
春はバイバイして
訪れる根拠のないワクワクに
僕は素直に従って
無愛想に両手を広げた灼熱に飛び込んだ
緑はより一層輝きを増して
比例するように期待も増して
何もないところから始まる
今は名前の無いストーリー
扉を開いて出会いに行こう
浮上を押さえ込むように
間違いが
間違いのままにするなと
目の前の空を塞いでも
悲しみが
無かったことにするなと
蒼穹の青を奪っても
『無駄にはしないよ』と誓って
『大切』なものを想って生まれた感情を
胸の奥の夜から連れ出して
一緒に飛んだ
シンプルに胸焦がして
すべて味わいつくすために
体を手放すようにして
感覚だけで飛ぶ命
見えない季節の音楽に
外れないように踊る心
遅れてきた君の心を引っ張って
横に並べてコエが聴きたい
『知らない』が少なくなるように
たくさん教えてほしい
今の君のこと
そんな時間をもっと
抱えてる失くせない痛みごと
これまでの君を抱き締めて
今の君を
想いを忘れずに
ただ観ていたい
惜しまないで
渡し忘れがないように
いつでも
ワクワクと飛び始めた
無限にスクロールしていく灼熱の空で
トキメキと
手放せないイタミを見つけて
静かにジーンと震えた感情が
流れるように心のくすみを連れ去った
僕は
ただの僕に帰り
見えてた青は
ただの鮮明な青へ帰った
無愛想な灼熱が
笑った