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『おむすび』第1回(初) さよーなら、またいつか

 『虎に翼』から朝ドラを診始めた視聴者のみなさんへ。
「さよーなら、またいつか!」
 朝ドラを見なくていいなら朝からゆっくりできますね。おめでとうございます。

 それでも目にした方は、冒頭のカメラワークの時点で吐き気がしても無理はないのでは。JKをアイコンにして扱いたいような気持ちは伝わってきました。足元だの、眉毛だの、たくしたスカートだの、そういう女性の体のクローズアップをなぜ入れる必要があるのですか? 盗撮目線の気持ち悪いカメラワークじゃないですか。女子高生というだけで勝手にブランド化されてきたことに苛立ち、よねのように「あぁ?」と怒りの声をあげてきた視聴者は、この時点でこうなりますよ。

「アホか」

 ドローン空撮での景色にカメラワークセンスは使ってください。

ダメな朝ドラを見抜くポイント

 さて、初回を見て私はこれはダメだとわかったので、そのポイントをあげていきます。

・方言

 『虎に翼』のような標準語が基準のドラマだと使いにくいところが難点ですが。手抜きドラマはこれが甘いのです。朝ドラはご当地を盛り上げる効果もあるため、舞台は広範囲にわたります。だからこそ方言が大事なのに、そこがあやしいドラマは信頼できません。
 
 主人公同世代から、主人公の祖父役のようなベテラン役者まで、本作は発声が甘い。制作の脇が甘い証拠です。ここが誠実なドラマは、ネイティブ発声ができる演者をチームに入れるものです。方言指導者が脇役で出ることもありますね。本作はどうにも甘い。ヒロイン祖母役は九州出身ですが、本作は彼女だけ突出して滑らかなのでかえって逆効果にすら思えています。

・子役の演技

 子役は経験が浅いため、現場の雰囲気が一番反映されます。このドラマの子役は覚えたセリフをハキハキ読み上げるだけになっている。演技指導体制が整っていない証拠でしょう。

・テーマの扱い

 ダメなドラマはテーマの扱いが雑です。おむすびがタイトルなのに、遅刻しそうなヒロインがひょいと掴んで歩きながら食べる。この時点で嫌な予感がします。
 そしてトマト。あんな雑にトマトを扱って、潰れる可能性は考慮しないものでしょうか。初対面の人間に好き嫌いも聞かずにトマトを勧めるのも雑です。食をテーマにしながらどうしてこんなに雑なのか。

・センスが悪い

 ヒロインの名前といい、会話のセンスといい。どこか古ぼけたセンスが痛々しいんだな。誰でもクドカンさんみたいにウィットに富んだ軽妙な会話を書けるわけじゃない。それが苦手なら真面目にやればいいのに。

・説明セリフ

 前作の後半が「説明的」とされました。あれはある程度しかたのないことだと思います。法律や社会問題背景は説明しないといけませんからね。
 とはいえ登場人物の性格は「お気立てに難あり」というような、婉曲表現にされていました。それが今作は冒頭の時点で説明セリフ全開ですからね。

・人の目がなかろうがニコニコ

 前作の寅子は思った不機嫌さが顔に出ました。よねはほとんど笑顔になりませんでした。
 それがこのヒロインは、自転車で道を走っている時でもニコニコ。会話し始めた瞬間にニコニコ。妄想の産物か?

・朝ドラを舐めてる

 朝ドラヒロイン=人助けする

 この程度の解像度で止まってる。

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