『ボクの故郷は戦場になった: 樺太の戦争,そしてウクライナへ』
関連書籍です。
ボクの故郷は戦場になった - 岩波書店 https://www.iwanami.co.jp/book/b629856.html
ジュニア新書だけに読みやすい一冊。樺太関連書籍で、かなり手に取りやすい一冊でしょう。
南樺太引き上げ経験者最年少世代の実感として
あくまで本書は当時幼児であった方の回想録です。だからこそのジュニア新書ともいえる。もっと難解な政治的なことは、別の書籍で学び直しましょう。
体験談を元にしているだけに生々しく、子ども目線でみた戦争がわかり、大変興味深い内容です。『ゴールデンカムイ』でもおなじみのフレップがどんな者であったのかなどなど、実感のこもった記述があります。
アイヌ民族が交易していたという認識。朝鮮人が樺太引き上げの混乱の最中殺害されたこと。集団自決。そういった断片的な記憶から事実をたどり、淡々とした筆致でたどる本書。こういう体験談をなぜ共有してこなかったという思いが私の中ではふくらんでゆきます。もっと知っていた方がよいこと。知っているべきだったこと。それがこの本には詰まっています。
ウクライナとロシアと日本の関係にも触れられています。あの国と日本はこんなにも近かったのに、どうしてそれが認識できてこなかったのか。この本で語られる樺太の歴史のあと、長い冷戦がありました。その間にどれだけの記憶が封じられて距離があいてしまったか。改めて考えることができました。
本書副題に「そしてウクライナへ」と入っているのは何も不思議ではありません。北へ目を向けて、樺太からみてみれば、確かにウクライナは近い。そう改めて思えました。
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