コロナの時代と『青天を衝け』
今このコロナ禍の中、『青天を衝け』において渋沢栄一と慶喜周辺が絶賛されていることには疑念が湧いてきます。もはや有害の域に突っ込んでいないかと。私がこのドラマを一切評価できない理由はいろいろありますが、ハッキリ申しますと、数年後にはいかに2021年が無茶苦茶であったかの材料とされることが目に見えているからでもあります。
じゃあ考えてみましょう! もしもあの人物がコロナの時代にいたら何をするか?
バッドインフルエンサーコンビの徳川斉昭&藤田東湖 その1
合言葉は「コロナはただの風邪!」。反ワクチン。PCR検査抑制支持。ノーマスクを断行。陰謀論に溺れ、おまけにマスコミやSNSの使い方はうまいインフルエンサーなものだから、拡散力抜群。なまじ断言し、テレビ映えするため支持を集めてしまう。
史実では?
貿易を目指す幕府の方針を妨害。倒幕の契機となるような妨害運動を実施。推しが強いため支持を集めてしまい、将軍継嗣問題を引き起こす。
バッドインフルエンサーコンビの徳川斉昭&藤田東湖 その2
「水戸ワクチンができます! 嘘のようなホントの話! 日本の力を見せる!」
そう主張し、税金でワクチン開発をするも盛大に失敗。使い物にならないものができる。
史実では?
寺社仏閣から供出させた仏像や梵鐘で大砲を作るも、まったく使い物にならなかった。それでも宣伝効果は抜群。
天狗党
斉昭&東湖の思想を引き継ぎ、ノーマスクデモを断行。栃木の飲食店にノーマスクで乗り込み、注意された店員を暴行する。この店から感染が拡大し、栃木が壊滅する。その後、逮捕される。
史実では?
天狗党の乱で栃木宿が壊滅的な大打撃を受けた。
無責任大物政治家・徳川慶喜
大物政治家。父・斉昭の影響もあり、その主張に同調していたものの、内心では「そんなわけないじゃんw」と冷静にみている。ワクチン接種が開始されると真っ先に受け、接種済み仲間と優雅に会食を楽しむ。ゲスな会食がリークされるも、イケメンであることと、マスコミ対応に定評のある勝海舟の策により逃げ切った。
史実では?
「尊王攘夷なんて無理に決まってる」と判断しつつも、うまく利用して立ち回りを続ける。戊辰戦争の中、対応を勝海舟に任せてのうのうと逃げ、駿府で優雅な余生を過ごす。
チョイワル官僚・渋沢栄一1
金持ちのボンボン。コネを使って官僚として政府に潜り込む。天狗党のノーマスク思想にかぶれ、 SNSで盛んに賛同し主張を拡散していたものの、アカウントを削除して逃亡。慶喜にすりよりワクチン接種を受け、優雅に会食三昧。
史実では?
なんだかんだいっても彼は生涯、天狗党へのシンパシーを忘れていない。
チョイワル官僚・渋沢栄一2
「経済通な官僚から言わせてもらいますけど。GOTOは必要ですよね。オリンピックも。経済回せ、ですよ!」
そうSNSで主張する。経済回せ! 経済通な俺からすればそうなる! 何かあるとでも俺は高額納税者だからw と勝ち誇り、募金箱に万札を入れる画像をSNSにアップする。
史実では?
関東大震災は民衆が堕落しているからだ! そんな天譴論(てんけんろん)を主張。それでも金はあるので援助したということで、そのへんは問われていない。
もしも未来に、こんな卑劣な行動をとっていた人間が善人扱いされ、公共放送が流している状態をご想像ください。
あまりにひどい上に、受け手の情報判断能力を落とします。ゆえに私はこのドラマを支持できません。