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『ゴールデンカムイ』#285 最終決戦

 いよいよ最終章が開幕だっ!

艦砲射撃

 白石はまだ一万貫があると大騒ぎ。するとそこに艦砲射撃があります。艦砲射撃は戊辰戦争ではあまり例がないものの、西南戦争では猛威を奮いました。そんなに精密に狙えないわけだから、おおっぴらに、ましてや自国民に使ってはいけないけど。
 艦砲射撃ね……無茶やりおる。薩摩閥の鯉登平二がやらかしているとなると、より北海道の歴史暗部に迫ります。というのも、薩摩閥の大物政治家である黒田清隆が,特に理由もないのに北海道で漁民の家を砲撃し、そこで寝ていた若い娘さんが負傷した上に苦しんで亡くなった事件があるのです。そんな政治家許してなるか! そう思いますか? それが薩摩閥の政治力で揉み消されましたからね。黒田は妻を蹴り殺しておりますが、こちらも揉み消し。
 もっと重要なこともある。イギリスの干渉で樺太千島交換条約を調印し、ウイルクやキロランケたちの苦労を生み出した責任者としても、黒田の罪はある。政治的云々言ったところで、あれやこれやと翻弄された側からすればだから何かと。黒田清隆の銅像は北海道にありますが、今後海中投棄されてもおかしくない枠だと思いますよ。
 あの大汚職、開拓使官有物払下げ事件でもがっつり絡んでいる。黒田も「五代様」こと五代友厚も、北海道の歴史から見たら悪党呼ばわりはやむを得ないでしょう。イケメンが演じれば免罪になるほど、本来歴史って甘くないですよね。

永倉の降伏

 鶴見にせよ早すぎると焦っていると,軍用気球が見えます。鯉登平二と合流し、駆逐艦でここまでやってきておりました。ここで水に落ちた永倉が何かを思い,泳いで去ってゆきます。門倉に「頼んだぞ!」と託しておりますが,果たして。
 永倉はここで褌を白旗としてかざして降伏します。白旗降伏は幕末から有効。でも褌は自分のもの? 抜いだの?

 もはや袋の鼠状態だと察知した杉元たち。アシリパは逃げたほうがいいと主張します。それでも白石は金塊が一目みたいと暴れる。五稜郭にあるかだけでもはっきりさせたいって。

 永倉は鶴見に降伏し,あったのはアイヌの土地権利書だったと告げます。イポプテのようなアイヌ兵士もいるからには価値があるはずだと説く永倉。土下座し,権利書と引き換えに命を保障してほしいと言います。
 土方は喧嘩をしたいだけだ。新選組副長として死に場所を求めているだけなのだと。永倉は五稜郭にいって降伏するよう伝えると言います。
 これは史実準拠ともいえる。土方は、近藤さんが死んだのに俺だけ死に遅れたと周囲に語っておりました。
「永倉さん,土下座なんておやめください」
 鶴見はそういう。
 権利書を盾に艦砲射撃を封じたうえで、五稜郭に戻って土方と共闘するつもりだと。このたぬきジジイが。そう永倉新八こそいかれた新選組の生き残りだと見抜いていたのでした。

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『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

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