『虎に翼』第77回 親切なみなさん
昭和27年(1952年)春、新潟県三条市に支部長として着任した寅子。同じく新潟に配属されている星航一と再会します。人が親切だと寅子が語ると、
「親切?」
そうもらす航一でした。
人脈のにおいを嗅ぎ取る太郎と次郎
このあと、太郎次郎コンビがやってくると、さらに航一の顔はすっと冷えていきます。来るなら教えて欲しい、水臭いとからみつくように語りかけてくる兄弟。二人とも昼飯(と、書いて“ちゅうはん”と読む)がまだだろうから店屋物でも食べさせようとしてきます。航一は断固として断り、去ってゆきます。さらに、見送りは結構とも付け加えます。航一もあまり愛想は良くないタイプのようです。
ここで太郎は、寅子が初代最高裁判所長官の子息と知り合いであることに笑顔をみせます。兄弟は何か嗅ぎつけたようです。さっそく寅子経由で航一の行動を把握しようと画策します。寅子の歓迎会もパーっとやろうと言い出した。別に悪意なく、ここで生き抜くための知恵を身につけた言動なのだろうけれども、腹黒く思えます。匙加減を間違えると都会人の嫌味炸裂になるからなかなかできなかった展開といえます。朝ドラは地方を勇気付ける役目もあったけれども、暗部は描きにくくもある。しかしもうそこから目を逸せないかもしれない。『あまちゃん』で「じぇじぇじぇ!」とはしゃげたころは、今にして思えば今より社会がずっとマシだったのかもしれません。
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