『ゴールデンカムイ』#265 鍵穴
教会で、アシリパとソフィアを尋問できる体制を整えた鶴見。
とはいえ、部下たちの中には疑念がいっぱいの人物もいるわけでして。
菊田しか命令に従わない
第七師団は合流を目指します。徒歩組4名はいる。あとは馬の3名。手分けして探すと菊田が言うわけです。けれども、3名はすでに土方組によるものか、戦闘不能です。月島は鯉登にここに残るよう指示を出すのでした。
ひとり残された鯉登の頭の中は、グルグルしています。鯉登はアホのようで、単独放置すると考えていろんな推理ができる。
彼なりに、ソフィアの写真を見た鶴見の反応に不信感がある。それ以前にも、樺太でアシリパを見た際に、脳汁をぶちまけている。あのとき、彼はじめ異常性に気づいて何か引っかかっていた者はいるわけです。ソフィアもキロランケと因縁があるわけだし。そういう要素が頭の中を回って、何かしないといてもたってもいられなくなってしまったのでしょう。この鯉登の推理力と直感がなかなかおもしろい役目を果たしてはいる。
勝手口から、そっと教会に入る鯉登でした。するとそこには、先客の月島がいます。となれば菊田単独行動か、杉元と合流できそう。
だって不信があるんだもん
鯉登は月島の腕をぎゅーっと掴みつつ、何鶴見中尉殿をコソコソ嗅ぎ回っているんだとあわてて叱りつけます。しかし月島も、感情的になってそっちこそ鶴見中尉殿を信じていないと返す。そんなことはないと鯉登は返すわけですが、口がちょっととんがっています。鯉登は動揺すると口がとがるんだなぁ。
月島はすごい顔になって、さっき鶴見相手に普通に喋れたと指摘します。今までは早口の薩摩弁になっていたくせに。無意識のうちに心が離れているんじゃないか? そう指摘するのです。
鯉登の早口薩摩弁は本人でも制御できなくて,興奮するとなってしまうもの。無意識下の変化を指摘され、鯉登には返す言葉もありません。
鶴見は二階堂に、外で待機するように命じています。鯉登たちが戻っても教会には近づけるなという。しかも、念のためまた無人かどうか確認している。机の下にもぐりこんで、やりすごす月島と鯉登。部下に聞かれたくない話でもあるのかとこの時点で伝わってしまうわけです。
ゾーヤと長谷川サンの再会
ソフィアが手にしていた写真は、長谷川写真館にあったものです。椅子に座った鶴見は、アシリパの猿ぐつわにしていたマタンプシを額に戻します。手荒いことをしたくない。これでこそ勇ましいアイヌの愛娘。そういいつつ、不穏な鶴見。
そしてソフィア・ゴールデンハンドにまた会えると思っていたと言い出します。
ソフィアは誰だと言い出す。鶴見はゾーヤと語りかけ、掌に載せた小さか骨のかけらを見せます。娘のオリガと妻のフィーナの名を語り出す鶴見。
「長谷川サン?」
ソフィアも全てを思い出しました。
「憶えていてくれてありがとう」
鶴見はそう言う。こういうとき、相手が何もかも忘れていたら、復習する側としてはつまらないわけだ。相手が苦しめば苦しむほど、罪の重さを自覚すればするほどよい。
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