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『おむすび』第26回 家父長制ワールド

 ヒロインは笑顔がなく、顔色も悪い。姉もそうです。このドラマにはシスターフッドが欠落しています。

シスターフッドがなく、性格がともかく悪い

 シスターフッドーー姉妹同士の絆という意味。『若草物語』のような本物の姉妹愛もあれば、女性同士が友情や同志愛で連帯する様も示しています。
 『虎に翼』がよいお手本で、女子部5人が勢揃いする絵はこの作品を象徴するそのものでしょう。寅子にはあんなによい父や夫がいたけれど、それでも象徴的なのはあの女子部の姿です。
 
 しかし、このドラマにはそれがない。オープニングからして、主人公だけがはしゃいでいる。ストーカーや野球部員に対しては無愛想でもそれなりの対応なのに、ギャルやクラスメート、女子書道部員にはともかく冷たい。ギャルのクラスメートとは口もきかないらしい。書道部員へのあのそっけない態度は本当に性格が悪いと思いました。そもそもヒロインには友達がいないように思えますが。いくら美少女だろうとあんなに性格が悪い主人公につきあってくれるギャルたちは性格がよいと思えます。

 これは姉もそうで、ふくれ面してぬぼーっとしているばかり。ギャル仲間に会いにいくけれど、それも自分の家庭事情のため。後輩を気遣うことすらない。とことん自分勝手なんですよ。
 母も祖母もそうだし、女子同級生も男のことしか話題にしていないように思えるし、ギャルは「ちょーちょーちょー」と中身のないセリフしかない。製作者は女を人間だと認識していないのでは?

元凶は祖父と父! 家父長制!!

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