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『おむすび』第24回 やはり家父長制の世界

 このドラマは、ギャルだの震災だのちょこちょこ出してくるけれども、結局家父長制ドラマなのだと思います。

 『ちむどんどん』とこれを並べるのは、反省会民にせよ、ファンにせよ、いい加減にしてください。『ちむどんどん』はヒロインが一国一城の主、料理店オーナーになります。でも現状、『おむすび』は家父長制の中に生きる人形にしか見えませんから。

 同枠前作でさんざん家父長制の呪いを解く人たちを描いてきて、今更、
「お父さんが悲しむからギャルやめます」
 が通ると思ったのはなぜですか?

 今回は聖人がウダウダローリング悲嘆していました。それに過剰に忖度する女たちはみな「スンッ」としている。男は子どもじみた甘えぶりを見せる。

 このドラマがウザいのは、娘を支配しようとするおじさんだの、ストーカーだの、そういう過剰な男性性に寄り添っているからじゃないですかね。

 でも日本は、そういうところを指摘すると怒り狂う層があるから、みんな胸の内にしまってんじゃないですか。

聖人は娘に「ウザい」と言われて恐慌状態に……

 真面目だとか。悩んでいるとか。だいたいが説明セリフでガーっと説明されるだけで、中身があまり見えてこない聖人。でも聖人そのものの出番は無駄に長いんですよね。説明不足のうえに「ウザい」と言われただの。娘がグレただの。そういう昭和から平成前期レトロなフォーマットでゴリ押ししようとするわけですよ。

 ギャルになる理由なんて十人十色だと思うし、なんならカルチャーです。しかしこのドラマは、「父親のせい」になっているようです。序盤に出てきた警察補導を受けたギャルも、父が家をあけがちという設定でした。

 娘に「ウザい」と言われることのほうが、なんなら震災以上にダメージを与えているように思えます。震災は後付けに思える。
 この聖人の場面がウザい。尺が長すぎるし、「こういう演技がうまいってことですよ!」と押し付けがましい演出でウンザリさせられます。 
 自分が世界で一番不幸みたいな顔をしているけど、妻子も震災に遭っていますよね。親友を失った娘の心にちゃんと向き合ってきましたか?

 そして酒が入ったおっさんがウダウダウダウダして、周りが忖度する場面。全然いい話じゃない。周囲に感情労働押し付けんな。サンバと聖人で話し合ってなんとかしろ。娘の人生を管理して当たり前だと思うな。

キモいストーカーの正統性

 そしてあのキモいストーカーはなんなんでしょう。本命とそれ以外で露骨に態度が変わるからキモいんですよ。下心満載。こいつの感情になんで寄り添うんでしょうね。

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