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『水都百景録』を楽しもう 中国の白話小説と江戸時代の読本

 今、ひさびさに大昔使った国語の資料集を見直しています。

紫式部や清少納言が漢籍を使いこなしたことは有名

 大河ドラマ『光る君へ』で「香炉峰の雪」の場面話題となりました。『枕草子』に描かれた名場面で、定子が「香炉峰の雪はどう見るのか」と問われた清少納言が、白居易の詩をふまえ、御簾を掲げたというエピソードです。

 紫式部も、『長恨歌』はじめ、さまざまな漢籍を自作に取り込みました。このあたりは国語や日本史の試験に出るような基礎知識といえます。資料集を見直しても、たっぷりページが割いてあります。

 こうした資料集において、漢籍が日本文学に与えた影響を詳しく説明しているのは、換言すると平安時代あたりまでとも思えます。むろん、私の資料集が古いのは認めます。ただし、これが日本人の一般的な知識のようにも思えます。

じゃあ江戸後期は?

 大河ドラマの話にしますと、2025年『べらぼう』は江戸時代後期の出版業界を扱います。江戸後期の黄表紙、読本など、文学に与えた漢籍の影響は説明されているかというと、ありません。
 影響を受けなかったわけではない。むしろ大いに受けている。それにもかかわらず、あまり説明されていません。

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