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『ちむどんどん』第63回 それは愛なの?

 アッラ・フォンターナで6年目の暢子は、和彦への恋心に気づいて動揺しまうものの、そのことを愛に告げます。さあ仕事だ! そう張り切りますが、果たして。

良子は原点回帰

 良子は誠のことでどん詰まりのようで、博夫が原点回帰させてくれます。昭和の日本を描くようで今に通じる問題をすくいとる本作の巧みさが光る。
 教師に多くを求めすぎよね。そういうもっていき方がうまい。

 良子ははっきり言って正論突破すぎて苦手だったんですけれども、うまいところへ着地しました、夫婦が並んでラーメンを作るところも秀逸。良子は結構雑な調理法なんですよね。料理は苦手と示されていたけど、その理由がわかった感じ。とてもよい場面でした。

 理想を語り合えるからこそ、夫婦になった。そこも原点回帰。金吾ではこうはいきません。

和彦の原点回帰は?

 ふっきったはずの暢子は、エイサーの留守番で食事を作っています。エイサーの響きがいいですね。リトル沖縄の空気がわかります。
 するとそこへ和彦がやってきて、戦争のことを聞いてきます。和彦は沖縄の戦没者遺骨および遺品収集について取材したいらしい。なんでも一度だけ取材に応じた人が答えてくれなくなったとか。
 なんかそのときの取材でやらかしたんでしょうね。

 和彦の志は偉い。まっすぐだ。暢子もキュンとしてる。和彦にとっては暢子と結婚して、沖縄で記者をやるほうが、亡き父の遺志を継ぐことになってよいことかもしれない。
 となると、どうしたって愛と暢子を天秤にかけて迷っちゃうでしょう。

 でもさ。
 それって、暢子への愛っていうより、自分の目標達成条件の優劣比較じゃないの?

 そういう嫌な予感があっていいと思う。人は愛だけじゃ生きられないし、純粋な愛っていうのもそんなにあるもんじゃないし。
 朝ドラに苦い恋をもってきたなあ。
 良子と博夫の和解と同日というのがなんとも。

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