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『ゴールデンカムイ』#277 花沢勇作童貞防衛作戦

 1901年(明治34年)――鶴見は、第一師団長・奥田秀山中将から、アイヌ金塊発見を依頼されておりました。そんな発端があったのですね。

「薩長出身者でなければ軍人に非ず」

 上官を飛び越えてどうして? なんでも鶴見は花沢閣下醜聞揉み消しができたので、「貸し」ひとつだそうです。奥田は小倉藩出身で、薩摩の花沢は中立だとみなして助けを求めてきたとか。薩摩出身の花沢は、長州閥の陸軍ではあんまり後ろ暗いことをしたくないわけです。

 アイヌの金塊で藩閥政治を終わらせようじゃないか! そう奥田は言ってきた。しかし鶴見はわかっている。長いもの、長州に巻かれろ。藩閥政治打倒なんて無理な話。軍人如きにできるかよ。長岡出身であることにつけこんでいるけど、結局あんたが長州に媚びを売りたいんだろ。鶴見ならそうなるでしょうなァ。本音を見抜いたうえで、金塊の裏付けが取れたことが一つ。醜聞話について知ったことが一つ。鶴見なりの目的を達成しています。
「あ〜……くだらん」
 となってしまう鶴見にご注目ください。きっと彼はずっと、そういう軽蔑を感じつつ生きてきたのでしょう。
 鶴見は北海道へ戻る前に、花沢勇作と菊田に会っていこうとします。

 さて菊田と杉元は、花枝子が指定してきた帝国ホテルへ向かいます。替え玉がバレたらどうなるのか気にしている杉元。杉元は制服を返して終わりにせよ、御令嬢は? なんでも“第2の作戦”があるらしい。
 一方、勇作は帝国ホテルの件を士官学校で聞いてしまいます。なんでも菊田を通すようになっていたらしい。勇作は驚き、菊田に聞きに向かいます。そのあとで鶴見御一行がやってきたと。

ズドンと全裸で風呂へ

 帝国ホテルでは、替え玉勇作の制服にビーフスチウがこぼれてしまいました。そしてホテルの二階へ。その様子を月島が見ていて鶴見に伝えます。
 花枝子は奥の浴室でズドンと服を脱ぐよう促します。ノリノリだな。杉元も流石に怪しいと思っているようです。ヌギヌギと全裸になったところで、花枝子が入ってくるぅ! しかも拒むと花沢家にとって悪い事情があると脅してくる。なんなんだよ。

 従業員はシラをきりますが、鶴見たちは部屋の前にきてしまった。鶴見は菊田は何を考えているのかと怪しむ。宇佐美は尾形に、勇作に会う気持ちをウキウキしながら聞いている。
 杉元は花枝子に、母が軍から遠ざけたいのだろうと言います。花沢ヒロは日清戦争の際、上流婦人として広島予備病院で看護婦を務めました。そして惨い負傷兵を見て、我が子を戦地に送りたくないと思ってしまったのです。この病院には大河主役もつとめた新島八重が看護婦としておりましたので、ヒロと八重は会ったと考えられます。
 ヒロは、明治の上流階級にあったノブレス・オブリージュがわかっていないのか。わかっていてもついていけないのか。どちらかなのでしょう。
 杉元はここで、それを決めるのは勇作だと言い切ります。えっ?
 そして全裸で、菊田に手をクロスして失敗を伝えます。そしてここで戸が開く。

童貞を守る男たちの作戦は?

「勇作殿の童貞は我々が守る!」
 ちなみに当時、童貞を重視したのは勇作くらいの上流だけですからね。結婚後は妾を持とうがよし。特に長州閥は激しい。
 花枝子は花沢閣下の差金とわかりつつ、ヒロとのやりとりを陸軍に暴露すると言い切ります。すると鶴見は銃口を向け、それなら引き金をひかねばなりませぬと言い切るのでした。これが「第2の作戦」? 口封じに殺すなんて許せない! 杉元はそう思います。
「勇作殿は?」
 ここで尾形が入ってくる。
「テメエらぶっ殺すぞこらぁ!」
 そして全裸で杉元が出てくると、尾形が微笑む。なんなんだ尾形はよぉ!

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『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

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