扉/53組
「寺坂トモヒロ」作詞・作曲のオリジナル曲
緩やかなギターで始まり、ささやくように歌い出す
綺麗なメロディに乗る言葉は、目に映るような情景
「嗚呼、旅立ちとかくだらないから。ここにいればいい。」
思えば懐かしい。寺坂トモヒロの世界観だ。
テラキュウ使用ギター:Gibson J50
チバドン使用ギター:Crews EG-1500C
サビに入り、途端に感情をこめて歌うのは
「汝(なんじ)の羽もぎ取るけど、ここにいればいい」
綺麗な歌だと思っていたのに、羽もぎ取られちゃうのかと驚いたけれど。
感情は最後まで一貫していた。
「テラサカトモヒロ」の後期作品といったところかな。
扉を目の前にしても、あの頃ぼくは怖がりで。
飛び出す勇気などなかったんだ。
そんな時に「ここにいればいい」と歌う「テラサカトモヒロ」に僕はどこか救われていた。
飛び出す勇気などなくて、立ちすくむ僕に「そのままでいい」と言ってくれたその世界観。
「体だけが、時間と歩む」
そうして過ごした15年の後に、初めて聞くこの歌はどこか優しい。
「愛の中で、愛に気付き、そのぬくもりを愛すればいい」
「何もしなくていいから、ここにいればいい」なんて、ゆがんでいるかもしれないけれど究極の母性だったりしないかな。
そんな、ゆがんでいびつに見えるけれど優しい歌。
この歌が、こうして世に出てくれて嬉しい。
扉の向こうを、今なら飛び出して見れたりするかもしれない。
時間と歩んだ、この体だから。
音楽って面白い。
作った時と、歌う時。その時間の流れを感じる。
大人になって聴くその歌は。
清潔なシーツにくるまって眠るような。
そんな、優しい歌のように感じた。
お兄ちゃんのギターは、いつか戻る日が来るのだろうか(笑)
Free talk にも時間の流れを感じるなぁ(褒めてる)
written by NORiX
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?