24の蝋燭
ねえ、好きだよ やっぱり
君との時間は 花占いを終えるまでのわずかな時間だった それでも僕は今でも 君と なんて思うんだ
そんな君に見せたいものがある それは"今の僕"
あの時の僕は海に浮かぶプラスチックのようにあまりに不格好だった でも今は ドレスを着た海月になれているんじゃないかな
なんだか 会いたいと思うようになったし 触れたいとも思うようになった 今の僕になるまでに 地球は太陽の周りを5回も回ったらしい
なんたって24の蝋燭を灯したあの日 柄にもなく僕は君とこのまま溶けて混ざり合うんだと信じていた なぜかって?君が好きだったからだよ
だけど君には届かなかったね 指先が終わりの時間を告げたとき 僕が僕だったせいで君をたくさん傷付けてしまった 悪かったよ 本当にそう思ってるよ
今は そうだな 例えば君がチョコレートだったなら 香りだけでクラクラするくらい甘ったるくても 思わず顔を顰めてしまうくらい苦くても 口の中で完全に溶けてなくなるまでずっと味わい続けたいと思うよ ううん 溶けてしまうのを惜しむだろう
どうして だなんて言わないでねハニー その声で僕の名前を呼んで
愛されたいと願うことは いつだって僕を無力にするんだ
だめだよ だなんて知ってんだよハニー その手で僕の髪を撫でて
ミモザが風に舞うように 僕のことを拐ってくれないか