見出し画像

映画〔法廷遊戯〕

いよいよ公開された映画〔法廷遊戯〕
しっかりと初日、鑑賞してきた。

原作は元々読んでいたので、ある程度の話の流れと結末は知っているものの
映像になると…話が別物というか原作が持っている世界観、
私が読んで感じたものと何か違っているのかもしれないという原作を
映像化するというあるあるが発生すると常に思っている。
映像化になると原作で出てきた人物や細かな部分はなかったものとされたり
逆に原作にはいない登場人物を設定されていたりする。
でも、それは決して悪いことではない。
監督や制作陣たちが練って作り上げた上、原作者は納得しているからこそ
世の中に出ている。
原作の世界観は世界観で、映像にするとより分かりやすく物語が進むため
いろんな解釈がさらに出てくるわけで、見る人がそれぞれの判断すれば
よいだけだ。

というわけで物語の感想。
不幸って色んな不幸があって、幼少期の不幸って結構大人になっても
引きずるというか大人になってもつきまとう。
職場でもいるが、人の事よりも自分をまっすぐ主張している人たちを
見る度に「あぁこの人はいい家庭で育ち、常に誰かが周りにいて人に頼り、助けられてきたんだろうなぁ」としみじみ思う。
なのでその人たちに「あなたの思う正義とは?」なんて質問しても
そんなこと考えたこともないくらい無縁だから「正義ってそもそも何?」
って返ってきそうだ。
きっとその人たちもそれなりの不幸があると思うけど、なにを不幸として
捉えているのか?によるが、少なくともその人たちは大人たちに
自分の人生を狂わされていないことだけは確かだろう。
幼少期での不幸って育ってきた環境が主で、大人たちに翻弄されてきた
被害者だと私は思っている。
だから、自己主張はおろか、大人になると人に対してどこか冷めている感というかひねくれ感をもたらす。

今作は、清義・美鈴・馨の3人の〈正義〉というものを自分に問い、
自分なりの〈愛〉を貫く物語。
それぞれ幼少期に傷を負い、大人に翻弄されてきた人生の中でも
自分の愛する人や大切なものを守りたい!!
というただただそれだけのことなのにたくさんの人の思惑とプライド、
地位と名誉などが入ることにより1つの事件が色んな事を呼び起こし複雑に交差する。

冤罪なのか?無罪なのか?
真実なのか?虚偽なのか?

大人たちは自分を優先し、お金が絡んだり、地位と名誉を守るために人は
やってはいけないことをいとも簡単に実行し人の人生を粉々にしてしまう。
誰かの思惑により動いていく事件がきっと実際の世の中にもたくさん
あって、こういう大人たちや世の中の風潮や印象操作などで人生を
台無しにされた人がいるように彼ら3人もまたそんな大人たちの被害者だ。

〈正義とはなにか?〉
一見、悪だと思うことだけど、違う人の目線で見ればそれは正義。
正義の反対は悪だけど、正義と悪は紙一重なのかもしれない。
3人が思うそれぞれの正義が悪であり、悪であり正義。
視点を変えることによって違う意味の正義になるが、結局のところ、
3人ともその正義が悪になってしまってとても切なかった。
特に馨は自分の命を懸けてその正義に向き合い、結果として彼が
いちばん正義を成し遂げたのではないかと思う。

〈愛する人を守りたかった〉
愛っていろんな形がある。3人3様の愛。
それが絡むから尚更、切なかった。
大切な人を愛し、守りたいが故のことでそれが悪だと分かっていても
それが正義という信念に変わる。
本当にそこがいたたまれなかったなぁ…

廉くんが「誰の目線で見るかで(物語の見方が)変わる」と言っていた
けど、まさにそうだなぁと思った。
私は原作を読んでいる時は清義目線だったので映画も清義目線だったけど、
これが馨や美鈴の目線になると〈正義〉の捉え方や〈愛する人を守りたい〉という視点が変わり、違った辛さがあるだろう。

ただ君の幸せ続くように願えば願うだけ遠退き、それさえわがままなのかな
いっそ忘れたくて忘れられない
誰かを愛し生きていくことは違う誰かを遠ざけること

King&Prince[愛し生きること]

主題歌の【愛し生きること】の歌詞がこの映画を物語っていて、
エンディングで聴いてさらに切なくなった。
きっと3人どの立場になってもしんどいし、3人それぞれの決断に陥る気が
する。
希望と言う言葉がどの立場にも当てはまらない。
身体の傷よりも心の傷が深い。
次、鑑賞した時はまた違った解釈と思いになるだろうし、そこを深堀したいと思ったのでまた鑑賞しに行きたいと思う。

感想は一旦ここで終わり。
見終わって帰りながら思ったこと。
この映画を撮影したのは1年前。
そう、ちょうど脱退知らせの時だ。
ファン目線で申し訳ないが、廉くんのメンタルは大変だっただろうなと。
それでも演じきったというかここまで心が動かせる演技、特に静の表情や
目の具合はさすがだったし、すごいと思った。
グループが大変な時にこのお芝居をすることが一種の心の切り替えというか無になれたのならばよかったとさえ思う。
廉くんは〈新信長公記〉の時に頻繁に金縛りにあったとあとから笑いながら言ったり、そのあたりのグループでのインスタライブでは咳が止まらず
画面から消え、戻ってきても何もなかったという表情でひょうひょうと
いたりとファンが心配するようなことがあるけど、本人いつも
「平気だよ」って笑顔で言う。
今回もたくさんの番組に出て、映画の宣伝して、ダンスや歌もして…って
本当に大変そうで、すごい汗かいててまたまたこちらが勝手に心配してた
けど、きっと彼は心配してほしくないって思っているだろうし、何かあれば
相方の海ちゃんやそばにいるスタッフに言うだろうし、彼らも気づき、
止めるだろうから私は大丈夫だと思っている。
週末の大阪・名古屋の舞台挨拶もしっかりこなして、本当にお疲れ様。
廉くんの自信作はしっかりとみんなに届いています。
役者:永瀬廉は本当に凄いし「グループのため、海人のため」に絶対に
なっていると心から思う。

この映画がたくさんの人の目に止まり、広がりますように…
素敵な作品をありがとう。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集