【読書履歴】限りある時間の使い方
著者:オリバー・バークマン
翻訳:高橋瑠子
人生は「4000週間」、限られた時間をどう使うか。
時間は有限である。そのことは皆十分わかっているようで、実はわからないまま日々を過ごしている。仕事でも私生活でも“いつか”来るだろう理想の「未来」に縋って、「今」という時間を“多忙”という理由で過ごし、時間は有限という現実を直視せずに浪費している。本書では、それを知り、その上で『「今」という時間をしっかりと生きよう』と述べている。
効率化を目的とした時間管理の話ではなく、時分の限られた時間(寿命)を生き切るには時間とどう向き合えば良いかということを全編で語っている。
「メールの洪水が収まり、やることリストの増殖が止まり、仕事でも家庭でもみんなの期待に応え、締切に追われたり怒られたりせず、完璧に効率化された自分が、ついに人生で本当にやるべきことをはじめるー。そろそろ認めよう。そんな日はいつまで待ってもやってこない。」
(本書抜粋:オリバー・バークマン)
確かにそうだと思う。
なんとなく今の多忙を乗り切れば良い未来があるだろうという感覚で日々を過ごしているとそれがかりそめの充実感でありながらも、やっている感、頑張っている感に麻痺して、本来やりたかったこと、すべきだったことをしない言い訳になっている。そして気がつくと人生の大半をそういった時間の浪費で過ごしてしまう。
人生を4000週間と言えば77年間もない。人生を75、6年と考える事になる。50歳を過ぎたら残り何週間ある?私は今年で55歳だからあと20年。およそ1042週間。来年には残りの週間が3桁になる。
残された限られた時間を何に使うか。幸運なことに年齢を重ねると出来ることの選択肢が明確になる。挑戦すべきことが明らかであればこれはとてつもなく大きなチャンスだ。いつか来るだろう未来を夢想することから「こう生きよう」と「今という瞬間」に真剣に立ち向かうのでは大きな違いがある。
生きるということの考えを改めて見つめ直す基点になる一冊。