2025.1.3 飲んだ半数がリピーターに!「養命酒」の驚くべき効果と400年愛される理由
養命酒は薬?
草刈正雄さんのテレビCMでお馴染みの養命酒。とはいえ、「実家にはあったけど、何に効くの?」という方も多いのではないだろうか。
実は養命酒は「第2類医薬品」に分類されるれっきとした薬。厚生労働省から医薬品として効能があると認められたものなのだ。
そして、その起源は古く創製は慶長7年(1602年)と言い伝えられている。
400年以上を経た現代においても養命酒を求める声は多く、一度買うと半数の人がまた買ってしまうほどだという。
なぜ養命酒はこんなにも人を虜にするのか…?
知られざる歴史や製造方法、そして効果について、養命酒製造株式会社マーケティング部の結城雅史さんと伊東萌さんにお話を伺った。
養命酒の効果と正しい飲み方
養命酒は自然の生薬の働きにより、健康状態の改善をはかっていく滋養強壮剤だ。 胃腸虚弱、食欲不振、肉体疲労、冷え症、血色不良、虚弱体質や病後の方の体力の回復などに効果を示し、穏やかな作用で、体を丈夫にしていくのが特徴。
循環器系に対しては、皮膚や内臓の末梢血管を拡張して、血行を促進する働きがあり、体を温め、体全体の機能を活発にする。一方、消化器系への作用については、胃や腸の運動を盛んにするとともに、栄養分の消化吸収を高める働きが認められている。
「薬理試験や大学病院における臨床試験等によっても、エビデンスが得られており、消化器系、循環器系、自律神経系に対する効果が認められております」(結城さん)
養命酒は、生薬とアルコール分の協力作用、いわば合わせ技で、全体的に体調を良くする。「今日は疲れた」「なんか風邪ひきそう」と感じた時に、一度ためしてみると効果を実感できる。
「養命酒の用法・用量は1日3回、食前または就寝前に、付属のカップ1杯分(20mL)を少しずつ飲んでください。お食事の前やお休みの前、できれば空腹時がおすすめです。」(伊東さん)
冷え症の人は、寝る前に服用すると、血行が良くなり、体が温まることで、高ぶった神経が和らぎ、温かい眠りにつくことが期待できる。
養命酒が誕生したのは400年前
養命酒はもともと信州(現在の長野県)伊那の地域で発祥し、滋養強壮に効く「薬酒」として親しまれていたのだという。天然の薬草(生薬)を原酒である「本みりん」に浸け、薬効成分を抽出するという製法で、基本的な作り方はその頃から変わっていない。
江戸時代の文化10年(1813年)には、8種類の生薬、「朝鮮人参」、「淫羊藿(インヨウカク)」、「杜仲(トチュウ)」、「肉蓯蓉(ニクジュヨウ)」、「桂枝(ケイシ)」、「防風(ボウフウ)」、「烏樟(ウショウ)」、「反鼻(ハンピ)」を原酒に浸けて製造していた記録が残っている。
この8つの生薬は現在の養命酒の処方でも使われている。
その後、「丁子(チョウジ)」、「鬱金(ウコン)」、「益母草(ヤクモソウ)」、「地黄(ジオウ)」、「芍薬(シャクヤク)」 、「紅花(コウカ)」などが加えられ、現在の14種の生薬配合のレシピとなった。
「生薬は複数種を組み合わせることで、効能の幅が広がる、より高い効能を生む、新しい効果が加わる、といったことが起こります。これらを『生薬の相乗作用』と呼びます。」(伊東さん)
手間のかかる生薬を、手軽に体内に取り入れられるため薬酒は人気となったのだ。
「生薬は、植物の根や皮、葉、幹、花などを乾燥させたものなので、基本的には苦みやえぐみがあります。それを本みりんに浸けて飲みやすくしたのが薬酒で、現在の養命酒はさらにブドウ糖などで味の調整をし、飲みやすくしています」(結城さん)
今からちょうど50年前の1972年に長野県駒ヶ根市に工場を設立し、製造工程は近代化された。生薬を粉砕し、大きな立方体の袋に詰め、アルコールの入ったタンクに浸け、約2ヶ月かけて有効成分を抽出して製造される。
養命酒を作る工場は、この駒ヶ根工場、一か所のみで、この工場から日本全国、また世界数か国にも出荷される。
薬酒は世界中で飲まれている
養命酒は、なぜお酒である必要があるのか。その疑問には明確な理由があった。
「1つは、水よりもアルコールの方が生薬の薬効成分を効率よく自然に近い状態で引き出してくれるということ。もう1つは、アルコールの体内への誘導作用です。アルコールは飲むとすぐに胃から吸収され、体内の血行がよくなります。それとともに薬効成分が広がって、体内に速やかに行きわたります」(結城さん)
飲みやすさについては、先にふれたとおり。さらに当然ながらアルコールを含んでいるので保存性も高く、メリットも多い。
世界を見渡してみても薬酒のたぐいはたくさん作られている。
今ではカクテルの材料として使われるジンやベルベット、カンパリも元は薬用のお酒として誕生している。東洋では漢方薬を浸けているが、西洋ではハーブが使われることが多い。
薬酒として扱われることが多い代表がベネディクティンとシャルトリューズだ。ベネディクティンは1510年にフランスの修道院の僧侶が薬草を50種以上入れて作ったと伝えられている。シャルトリューズはフランスの修道院で1735年から作られ、130種の薬草を使っている。このレシピは門外不出で、今でも世界で3人しか知らないと言われている。
「中国では十全大補酒というのが有名ですし、韓国では朝鮮人参酒がよく売られています。薬用酒は、世界では意外とスタンダードで身近な飲み物なんですよ。」(結城さん)
購入者のほぼ半数がリピーター!
これだけ長きにわたり支持されている養命酒。購入者はリピーターが多い。
実際のデータを見せてもらうと、購入者の年齢層は20~30代が1割、40~50代が3割、60代以上が6割で、男女はほぼ半々。リピート率は直近で45.4%。購入者のうち約2割が年間4本以上購入するリピーターだ。
多くのリピーターが「飲むようになって風邪をひかなくなった』「飲まないとなんか調子が出ない」と言っているそうだ。
とはいえ、リピーターが多い商品を売り続けるというのは大変な努力がいる。商品設計の改善にも気を遣う。
「数年前に瓶に中栓をつけ、液切れを良くするようにいたしました。また、エキス分が高くて、キャップに付着してしまうことが多発していて、開けにくいというお声をいただいていたので、キャップを長くして握りやすいように改善しました」(伊東さん)
2021年には外箱をリニューアル。「何に効くの?」が店頭の棚にある状態でも一目でわかるようにした。
「養命酒」社が注目するクロモジ
養命酒製造株式会社は、2000年代前半から第2の柱、第3の柱となる事業のスタートアップにも尽力している。「すこやかでよりよい時間を願う人々を応援する」という事業ビジョンのもと、ハーブや自然の恵みを生かした製品の販売を展開。
クラフトジンを始めとするハーブを漬け込んだお酒や、クロモジエキス入りのど飴など生活の中で取り入れやすい商品を開発している。
また、「くらすわ」というブランド名でレストラン複合施設の展開も開始。長野県諏訪市や東京スカイツリータウンなどで、長野県の物産や商品開発したオリジナル商品を販売し、長野産の食材を活用したメニューを提供している。
「養命酒は、どちらかと言うとシニア寄りのターゲットになっていますが、会社としてはそこにターゲットを絞るつもりはなく、幅広い年代のすこやかでよりよい時間を願う人々を応援していこうと考えています」(結城さん)
健康でありたいと願うのは年代や男女を問わず、全ての人にある願い。そこに寄り添う会社として存在し続けていくのが養命酒製造なのだ。
そして現在、養命酒製造では日本の山地に古来から自生する「クロモジ」という樹木に注目し、研究を行っている。
クロモジといえば、茶席で利用される高級楊枝の原料にもなり、香りのよい素材として知られる。
「そうしたクロモジの特性を生かした商品開発を行っており、これまでに『養命酒製造クロモジのど飴』やクラフトジン『香の森』などを販売しております。日本一クロモジに詳しい企業として、様々な形でクロモジの魅力を発信していきたいと思っています」(伊東さん)
信州大学との共同研究も始まっており、今後の成果が期待される。
養命酒は常備薬におすすめ
「毎日の暮らしにおいて健康に対する不安を持っている人々へ、養命酒を中核として応援していきたいと思っています。お手元にぜひ、置いて活用してください」(伊東さん)
ちょっと風邪ひいたかも?ぐらいで病院に行くことがためらわれる昨今。一家に一本おいておくと、とても便利だ。
アルコール度数や甘さで飲みにくいというときは、お湯割りや水割りにすると飲みやすい。ぜひ「薬用養命酒」を家庭の常備薬として欲しい。
薬用養命酒:肉体疲労・胃腸虚弱・冷え症・虚弱体質・食欲不振・血色不良・病中病後の滋養強壮に(第2類医薬品)
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。