塩の品質と病気の関係
戦前と戦後で、品質が最も変わった食べ物は「塩」と言えるでしょう。
塩の品質が変わった事で、戦前から戦後、病気の種類も変わりました。
戦前の塩
戦前の塩はニガリが多すぎて腎臓を傷め、老化を促進したので、
日本人の死亡原因の第1位は腎臓病でした。
その反面、ニガリに含まれるミネラルの働きで、小児麻痺やガンは少なかったそうです。
敗戦までの日本人は、早熟早老で女性は15~18才で結婚し、
男でも身の丈五尺(1.55m)人生50年でした。
60歳にもなれば 腰は大きく曲がり、70歳で「人生70古来稀なり」でした。
塩は 叺(かます)に入れて販売していた
戦前の塩の製法:入浜式塩田
戦後の塩
戦後の日本の発展は、昭和28~46年までの「流下式枝條架併用塩田(入浜式をそのまま転用)」が普及して、労働力が、6~10分の1 になりました。
ニガリを減らした「並塩」は、世界の製塩史上最高の「食用最適塩」
でした。
この塩を食べるようになってから、日本の戦後復興に弾みがつきました。
脳力(能力)が向上し、身長六尺(1.8m) 人生80年となりました。
今では腰の曲がったご老人は、ほとんど見かけなくなりました。
この原動力は、ニガリの少ない塩です。
戦後から塩田廃止までの塩の製法:流下式塩田
日本専売公社は、昭和20年(1945)代後半から、当時主流であった「入浜式塩田」から、より効率的な「流下式塩田」への転換を進めました。
昭和32年(1957)頃までには、転換がほぼ完了し、入浜式塩田よりも生産性が向上しました。
その後、日本の塩田は、昭和46年(1971)に、廃止されました。
死亡原因の変化
昭和28年(1953)以降に、日本人もニガリを減らした流下式並塩を食べ出し、背丈も寿命も知力も経済も伸び始めました。
戦前の日本人の主な死亡原因であった腎臓病は、戦後は相対的に減りましたが、免疫力と体力が低下し、成人病、ガン、食中毒、精神障害などが増えました。
昭和46年(1971)以降の、ニガリの無い、純塩化ナトリウムになってから、下記の様に死亡原因が変化します。
■1950年代ー1960年代の死亡原因
1位:脳疾患
2位:ガン
3位:心疾患
■1970年代 死亡原因
1位:脳疾患
2位:ガン
3位:心疾患
■1980年代前半 死亡原因
1位:ガン
2位:脳疾患
3位:心疾患
■1980年代後半 死亡原因
1位:ガン
2位:心疾患
3位:脳疾患
1980年代の前半と後半で、脳疾患と心疾患の順位が逆転しました。
※死亡原因の変化については、厚生労働省の「第7表 死因順位(第5位まで)別にみた死亡数・死亡率(人口10万対)の年次推移」を参考にさせて頂きました。
食の変化との関係
脳疾患と心疾患の入れ替わりの原因は、下図が示すように、1960年代以降の食の変化も、要因として関係していると考えられるでしょう。
第一に、図から見て取れるのは、「食肉」と「砂糖」「小麦」「牛乳」「乳製品」の多食があります。
第二に、1960年代から、一人が食べるお米の量が減った事です。
年に120kg のお米を食べていたのに、60kgへと半減しました。
昭和46年に、塩田が廃止され、お塩の製造方法が変わり、工場で造られる
「食塩」に変わった事も、併せて関係していると考えられます。
ニガリは諸刃の剣
戦前のお塩には、ニガリが多く、腎臓を傷める為、日本人は早老で腎臓病が多かった。
戦後に塩田が廃止されてから、工場で造られるニガリの無い塩では、免疫力と体力が低下し、成人病、ガン、食中毒、精神障害などが増えてきました。
こうした事から、お塩に含まれるニガリは、多く含まれていても、無さすぎても弊害があり、バランスが大切だと考えられます。
ニガリが人体にとって、100%有益ならば、海水をそのまま飲む健康法や、海水を料理に使うという歴史が、今でも続いていてるのではないでしょうか?
ニガリについては、こちらの記事で書いています。
お読みいただき、ありがとうございました!
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