人生の重荷リリース⑤:母が宗教に入って生きづらくなった子供の話
~そこにいた人たち~
母の宗教活動により、かなり生きづらい小中学生時代を過ごしました。さまざまな思い込みや生き方のスタンスのようなものは、この時代がベースとなっていると思います。もし選べるのなら「母が宗教に入らない人生」を選択したかった・・・
この記事の要旨
闇にばかり意識が向かいがちですが、今回は「良かった面」として、「そこにいた人たち」についてお話しします。体験談を拝見すると、人間関係が良好でなかった方や、嫌な思いをされた方もいらっしゃるようです。私は深入りする前に脱会した経緯もあり、「人」に関しては悪い思い出はありません。
私の属していた会衆の人々
これまでに事件が取り沙汰されたこともあり、世間ではカルトと認知されているかもしれません。しかし、特定の教祖(人間)を崇め奉るのではなく、純粋に聖書を研究するのが目的の宗教であるため、基本的には穏やかな人の集まりです。
集会で2時間じっと座っているのは苦手でしたが、そこにいた人たちは優しくて居心地のいいコミュニティでした。何せ「愛、喜び、平和、辛抱強さ、親切、忍耐、柔和」が行動指針です。実践度は人により異なりますが、皆がこれらを「目指した」所作を心がけているわけです。
乱暴な人も、意図的に人を傷つける人もいません。日常生活に苦しさや不安を抱えた人が、このコミュニティに居場所を見つけようとするのはごく自然といえるでしょう。
家族全員で参加している家庭は少なく、多くは女性とその子供たちでした。
私の母も、父とは不仲であまりかみ合っていないような関係性でした。
母子家庭の方や、DVを受けている女性もいらっしゃいました。
私が暴力を初めて目の当たりにしたのは、この王国会館です。日曜日の午前中の集会中、ある男性が入り口にやってきました。集会に一人で参加していた妻を連れ戻しに来たのです。入り口までその妻さんを呼びつけ、大声で怒鳴り出しました。そして、こぶしを振り上げました。入り口にいた若い兄弟が、「やめてください」とそのこぶしを受け止める動作をすると、「お前手を出すのか!」とDV夫の怒りが兄弟にも向かい、緊迫した雰囲気に・・・講演最中だった長老が、講演を一時中断してその場を治め、そして何事もなかったかのように静かに講演を再開しました。書くと一文ですが、この間、2~3分だったように思います。
DV男とその現場を見たのは初めてでとても怖かったのと、まったく動揺しない長老の凄みに感服したのとで、今でも記憶に残っています。
今は引き寄せやスピリチュアルな話題も多くあふれていて、本やネットなどで容易にアクセスすることができます。でも、当時(1980年代)はそんな情報も少なく、DVを受けたり母子家庭としてかなり頑張って生きている女性たちが、心のよりどころにできるものがゴロゴロ転がっているような時代ではありませんでした。ハルマゲドンと楽園という希望と、優しい兄弟姉妹たちのいる王国会館は、必要とする人には必要な場であったことは確かです。
ただ、この王国会館の中だけで生活は成り立ちませんからね。「この世」でどうやって生きていくのか、もう少し実現可能な落としどころがあればよかったのかもしれません・・・
私のアルバムの中に、2枚だけエホバの証人関連の写真が残っています。
これはそのうちの1枚です。
※加工を入れた写真を掲載しています。必要のある方、ご縁のある方だけに見ていただければよいので、以下有料とさせていただきます。
主の記念式の写真(有料エリア)
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