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昭和事件史 弟憐れ

この話しはかなり古いです。
江戸川乱歩が存命していて、しかもこの事件を相当気にしているようだったので。

そして私もつい最近この事件をオンラインで読み、そこには全く書いていなかった疑問点があったのでその事について等書きます。

大まかに云えばこのような事件です。

ここから先は1つの推測なので、そういうものなのだと御了承して下さい。

付近の老婆が殺されたが、犯人は分からなかった。

そして月日が経ち資産家の三男が精神病院に強制的に入れられる。

入れたのは父親である。
しばらくして、
三男の知り合いが様子を見に病院に訪れる。
三男Aがいきなり病院に入れられたのはどうしてなのか
どうなったのかが気になったのかもしれない。

行ってみると、Aは
「信じてくれないかもしれないけれど……
こういう事があったんです」
と知り合いBに告白した内容は恐ろしいものだった。

長男富士郎は老婆を殺し、しかも次男Cを殺し次には「後妻で来た義母は遺産狙いの悪い女なのでお前がやれよ」と命じ

三男Aは後妻の女に暴力をふるい、さらに態度がおかしいという事で精神病院に入れられたというのだ。

病院のその時の判断は“三男Aはさほど狂人では無い”というものなのだが、昔の精神病院は今とは違い牢屋に入れておくようなもので
保護者が迎えに行かなければ死ぬまで一生入れられていた可能性がある。
言っている内容も狂人の戯言で終わったのかもしれない。


だが実際に三男の証言をもとに調べると、次男の失踪は失踪では無く殺されたという事が分かり
富士郎に事情を聞いたら事件は本当の事だったという事が分かる(全てを認めるには時間がかかった)


老婆は富士郎の便利な逢い引きの場所であった家に居て殺された
(長男はおこづかいを貰っていたのだが、浪費が多くてまったく足りなかったようである。だが老婆は金銭をあまり持っていなかった)
そして調べると富士郎は何人もの女と付き合いそこで楽しんでいた…しかも富士郎はサディストの気質があったという事である。

老婆は富士郎のそうした特殊な性癖を知って殺された。

そして次男は富士郎が老女を殺す所を一緒の部屋にいて目撃している。

こうして次は次男を手にかけた。

次男を手にかけ、それを見た三男を今度は病院に入れた。

実は三男も富士郎は殺す予定だったらしいのだが、何故か三男には情があり出来なかったようである。

ここで私がこの事件に対して気になる人間は追及されるべき父親の存在である。

父親にとってはどの子も自分の子供であろう。

次男は父親には何も言わずに家出?…失踪…

それを父親は疑問に思わなかったのか?

長男、三男、他の家族に聞いたはずである。

そして三男は次男が長男に殺された所を目撃している。
それを父親に話したとしたら…

父親はその話しを信じず
一蹴する事は考えられない。




長男は父親に
「あいつ近頃おかしいところがあるんですよ」
と言う。

一方で三男には
「義母は悪いやつだからお前が~」
とけしかけ三男に義母を襲わせた。

三男は、長男のしたことを見ており
その時
「父に告げ口をしたら、お前も次男と同じ事になるよ」
と口止めされたのかもしれない。

そして兄の言う事を聞かないと、とにかく次男のようになると三男は考えて義母を襲ったのかもしれない。

さらには恐怖のあまり寝られずに、態度もおかしかったのだろう。

そんな三男の姿を見た父親は、長男の
「あいつは気が違っているので精神病院に入れた方がお家のためですよ。何をしでかすかわからないですよ」
と、言った言葉を信じて三男を病院に入れたのかもしれない。


昔の考えだと、長男こそは跡取りで他の子供はそれ以外という見方だったという話しを聞く。

しかも富士郎は美男子で、私が思う所頭脳明晰
頭の回転が早い人たらしだったのでは無いかと思う。
本人富士郎も自分は特別な人間だと、裁判の時に言ったそうだ。←数々の偉人と自分は同じだと言い出したので、新聞社は“実在するラスコーリニコフか”と書きたてたそうである。

弟憐れ

三男Aは長男富士郎がとても恐ろしく、家に居て長男の近くにいるならば
まだ病院に一生いた方が良いと思ったのかもしれない。


しかし、病院に入院していたら知人が会いに来た。
そして三男は知人に優しく
「お前、いったいどうしたんだよ?そんな人間じゃなかっただろう?」
と聞かれ
出来事をつい告白してしまったのだろうと思う。

もしも三男がそのまま何も語らずに入院先で死んだとしたら
富士郎は更に連続殺人をした可能性がある。


“自分は

犯罪をする事が可能”


“自分は万能である”


というパーソナリティを持ってしまった男。



そんな人間のために不幸になる被害者は現代でもいると思います。


最近ではまおちゃんを虐待した男。
証拠を隠すことはしないけれど、人間的に

人間の肉体を、遊びや快楽の道具に自分は出来る人間だ
人間の命を絶つ決定権がある

と思い込んでいる。

そういう類いの人間という事で似ていると思います。


皆さんもそういう犯罪に巻き込まれないように気をつけて下さい。

*富士郎は捕まった時に、死んだ次男が老婆を殺したと言っていたそうです。
途中から認めたそうですが、三男も口がきけなかったら、三男のせいにしたかもしれません。

*老婆も可哀想ですよ。
「御父様に言いつけます」
と老婆に言われ、富士郎は反省するどころか
殺そうとなり
殺害されたのかもしれないし…


ところで老婆がどういう立場であったのか、再度違う記事を読んだりしたら、最初の印象と違ったのでnoteの文を修正致しました。
富士郎と付き合っていたという女ダンサーの話しも、当時の新聞記事では華やかなスパイ説がありましたが、
途中からいっさい書かれなくなったそうなのでちょっと何だか分からずカットしました。

昔の話しとはいえ、無いことを書くのはやはり良くないと思い父親や弟の気持ちを推測する事に重心を置きました。


次男もやはり
「俺は兄さんに殺される」
と三男に悩みを語っていて地獄にいるような気持ちだったでしょう。
そしてその話しを聞いた三男もまた、家庭内でいつか犯罪が起こるかもしれないと日々怯え長男に怯えて心が病んでいたのかもしれません。
そしてある日 三男は長男が穴を掘るところを目撃していたそうです。


もう1つの線

それは、三男が父親に秘かに長男がやった事を告白してそれを信じたのだが、父親が富士郎の罪をやはり隠すために三男を精神病院に入れたのかもしれない。




ソース元、文春オンライン
昭和事件史
ライター     小池新
です。
詳しい話しを知りたい方はそちらを読んで下さい。

⚠️私はこのような事をやれと言っているわけではなく、こういうタイプに気をつけて下さいと言いたいのです。

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