ドラマ「となりのチカラ」第1回目(ネタバレあり)見えた部分から

「となりのチカラ」の主人公は、困った人を見ると声をかけずにいられないタイプ。

松本潤さんがチカラ役です。
この人は次にどういう行動をするんだろう？というわからなさや
かっこよさだけじゃなく情けない感じをも合わせて演じられていて良いと思いました。

となりのチカラの意味は、お隣さんが闇のある家族で
だから、となりのチカラという題名なのかなと思いました。

耳をすますと

隣から女性の悲鳴と物音が聞こえる。

チカラの奥さんはよくいるタイプで
「他人は他人。うち(わたしの所)に面倒くさいことを持ち込まないでよ。
私達だけが幸せで何が悪いの？」
という態度なのだが、それでもチカラと結婚した人間なので純粋な心に共感する奥さんと言えるかもしれない。

チカラは、悲鳴が聞こえるともう何も考えられなくなり隣に走っていく。

そのたびに見た感じと
その家族から聞く状況が全く違うのでチカラは余計に気になってしまう。

その前にもその家の女の子が一人ぼっちで公園で絵を描いているのを見掛けるのだが
近所に住んでいる住民から
愛想のまったくない少女の事を
「あの子は絵を描いてて…暗くて…」
と言いながら、チカラに宗教の勧誘をしようとする。

宗教の勧誘をする人間がよく、悩みが深そうな女の子の事を憎々しげに言うよなぁと思う。

その少女は、チカラがむりやり部屋に突入したら水風呂に入っていた…

チカラは、当然
「なんで？」
と聞くが父親は
「娘が水遊びしてたんだよ。」
と、妻に目配せをして言う。妻は
「そうです」
と言い
父親は慌てて娘を風呂場から出して体を拭く。

そこで普通の人はどういう行動を取るだろうか

A.ただ噂を流して、近所に
「やだあの家、前からおかしいよね〜何かあったら、テレビ局にそう言おうね」
と話題にして終わり。

B.父親も母親もああ言ってるんだし
他人の家に深入りなんてどこまでできるんだ？迷惑に思われるかもしれないし、こっちが疲れるからもういいや。

おれはやれるだけの事はやったし

これ以上無理！

と引き下がり忘れる努力をして、明日の会社の事を考える。

C.児相か、役所、公的施設に相談する。

普通はCと云いたいところですが、実際はAかBじゃないかなと思う。
そういう人達を見た事があるので。

チカラは、ABCのどれもやらなかった。

そして、家に帰るとみずからが服のまま水風呂につかるという検証をして
「やっぱり変だ！」
と言う。
その部分は、そういう事をしないと分からないのかなと思いつつも素晴らしい人だと思いました。

チカラは
父親に願いをぶちまける。

↓
チカラの優しい言葉(説教に近い)は当然虐待する人間の心を動かす事が無いのを、チカラは分からない。
チカラはその父親のようなタイプに会った事が幸いにも無く、そういう人間が世の中にいるとは想像していないからだろう。

奥さんは
「お前、あの若いのに色目を使ったんじゃないだろうな」
と夫に下衆な勘繰りをされる。

次からその奥さんは、チカラと会うのも話すのも極力避けるように拒絶をする。
その時の奥さんの言葉があんまりなので激怒するチカラなのですが……

旦那さんに
「チカラに会って話すな」
「話したらどうなるかわかってるんだろうな」
「人に話したら、一家がとんでもない事になるんだぞ」
と奥さんが言われた会話は
ドラマには無かったのだが当然そう言われたに違いないと私は考える。

妻は夫に逆らえない、怖いのは
態度を見て分かるから。

もう1つの家の話し。
チカラがバスに乗っていると
バスの中で妊婦に席を譲る優しい少年を見かける。

少年は、しかしマンションの公園におばあちゃんがいてボンヤリしているのをみかけると急に激しい言葉で怒りだす。

「えぇ？あの子はバスで優しかったのに、あんな子なの？」
とチカラはびっくりする。

第一回の最後までネタバレなので
知りたくない人はこの先を読まないで下さい。
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ある日今度は
「強盗よ！」
という女性の叫びが聞こえてチカラはハッとなりまた駆けつける。
そこには、公園にいたお祖母ちゃんがいて凄く怯えたように
「助けて、強盗が！」
と言いチカラが様子を見に入ると

少年が立っていた。

おばあちゃんが怯えていても、少年は逃げるでも無く何も言わずに哀しそうな目をしていた…

というように私は読み取りました。
多分認知症だと思います。
逃げないから。
言い訳を必死にしないから。

いつものような症状が出てつらい

そういうものを感じるから。

✳おばあちゃんが公園にいてあんなに怒ったのは、一人で外に出るとそのままどこかに徘徊していなくなるという事が度々あったので
つい叱りつけてしまったのでしょう。

何も言えなくても困っている人達はたくさんいる。
話しをちゃんと聞かないと間違いを起こす。

そういう場面を何度も見せられて、このドラマは良いドラマだなと思いました。