◆正しさを主張するならまずは自分でやってからにしな
世の中で語られる幾多数多の正義や正しさみたいなものは、これを主張する側の前提認識に偏りがある場合がほとんど。
こんなことを言うとつまらないと思うかもしれないが、あなたが今現在正しいと思っていることは、あなた以外の人たちにとってはそれほど重要ではなかったりする。
それに、自分ではまだやってもいないことに対して、先入観や憶測だけで否定・批判して「自分が思う正しさ」を主張する人もいるが、こういう人の主張を「なぜそう思うのか」と突き詰めてみても、やはりそれほど説得力のある回答は得られない。というのも、まだその人は何もやっていないから。
あらゆる物事に対しても、自分以外の人たちに対しても、今自分が置かれている環境に対しても、人はまず真っ先に悪い部分、気に入らない部分に意識を囚われがちで、良い部分に意識が向かいにくいし、認めるべき部分に気付かない。
なぜこんな話をするのかというとだね、人が新しい環境に身を投じた時に感じるギャップにどう向き合うべきなのかを問いたいからなんだよ。
求人情報に書かれていたことと入社後の実態とが乖離していると感じた時に、文句タラタラな人もいれば、これと言って不満なく順応していく人もいるわけだが、問題なのは「自分が納得できるかできないか」にこだわってしまう人よね。
あるわけないでしょ、新卒だろうと中途だろうと「自分に合った環境の職場」なんて。どっからそういう考え方が生まれるのかオレにはわからないけれども、全ては入社してからの話じゃないの?
もちろんね、求人情報に書かれていることにある程度納得や期待をしたいってのは感情としてはわからんでもないよ?でも、実際は企業も人材を集めたくて広告を打つわけだから、そこに期待を持たせる内容を記載するのは当然で、入社後の実態が多少違いがあるとしても問題なく順応できるような人材に残ってほしいってのが求人情報の意味するところなんじゃないのかね。
スタートから文句タラタラで、まだ何もやっていない状態であるにもかかわらず、アレがダメ、コレがおかしい、そんなことばかり毎日聞かされる身としては、「まだ何もやってないんだからやってから言えば?」「イヤなら他へ行けば?」って言えたらどんなにラクかわからない。
でも、それを言っちゃおしまいよね。特に、転職して中途入社するような経験を何度もしている人たちは、その都度一からのスタートなわけだから、多少のギャップはあるものだということをわかった上で仕事に向き合う耐性もあるのではないかね。
ところが、転職経験が極めて少ない人たちにとっては、過去の在り方がベッタリと思考に焼き付いているものだから、何かにつけ「前の会社では・・・」と付け足してはアレコレと語るクセがある。あたかも、前の会社のやり方が正しいかのような言い回しを何度も繰り返す。
一概にそういう主張が無駄とは言わないけれども、まず中途で入社したのであれば、その瞬間から「学ぶ側」として仕事はもちろん、人や環境に慣れていくことが最優先の課題であって、職場のアレコレを変えるための主張はあまりにも筋違いな主張にしか受け止めてもらえない。
不満や文句調だと総スカンを喰らう可能性だってあるわけで、スタートから居場所を失うリスクにもなりかねない。控えめに言って、相談や提案として主張するにしても、入社初月でこれをするのも違う。その辺が理解できていない人にとっては、新しい環境で働くこと自体、そもそもハードルが高いのではなかろうか、そう思えてならない。
まず半年なり一年なり、その職場で学び、経験を積んで、視野を広げてからでも遅くはなかろうに、アレが違う、コレがおかしい、そんなことばかり言っていては自らモチベーションも下げることになる。
普通なら誰もが不満を持ちそうな状況も時には起こり得る。急に休みが削られたり、急に予定外の仕事を割り当てられたり、そういうことは往々にしてあることだけれども、その都度、嫌な顔一つせずに全てを飲み込むくらいの気概のある人は成長もするし、こなせばこなすほど期待されるようにもなり、周りからの信頼度も高まっていくけれども、いちいち不満を漏らしたり仏頂面したり嫌々ながら引き受けたりするような人は成長はしないし、周りからの信頼度も下がる。上がらないのではなく、下がる。
入社から半年間なんてね、周りからすごく見られてるし、いろんな角度から試されてると思って仕事したほうがいい。何を勘違いしてか、友達感覚で話してきたり、年齢差を理由に先輩社員を下に見てきたりするような人は、その瞬間から、相応の評価しかされなくなる。
緊張感で言えば、せめて入社から半年間は気を抜くなって思うんだよね。その半年間、きっちりと務めることができれば、一年、二年とステップアップしていけると思うけど、始めから緊張感なくネガティブなままだと、離職するまで時間の問題ではないかね。
みんな人手不足で大変な思いをしてるのが現代社会。自分個人が感じている不満や疑問なんてね、納得できるまで主張しようなんておかしな話なんよ、そもそもね。会社は、入社して間もないあなた個人が納得するような環境に変わることはない。そんなことに労力を割くくらいなら、まずはある程度仕事をこなして慣れたほうがよっぽどマシだし、そうやって自分の居場所を確保してからのほうが意見も通りやすい。
順番を間違えたり、自分の立ち位置を弁えないズレた主張ばかりしたりしていると、そりゃイヤになるよね。「会社は学校ではありません」というのはそういうことよ。自分がこの会社で戦力となり得るのか、自分は試されているんだと思っている人は文句なんか言わない。
とは言え、人間は感情の生き物。何もそのこと自体を切り離して言うのではない。入社間もなく感じるギャップというのは、とりあえずグッとこらえて目の前のことを一つ一つやり続けること。まずはそこではないかね。正直うるさいもんね、愚痴や文句ばっかり聞かされると。言っていいなら「黙ってやれ」って言いたいもん。
でも実際は、「自分ならこういう捉え方で仕事に向き合います」という言い回しで語る。覚えることもたくさんあるし、不慣れなこともあるし、わからないこと、知らないことがある中で日々仕事に向き合わなければいけない入社半年間は、とりあえず「できることを増やすこと」が最優先課題で、それ以外のことは一先ず二の次。
そういう意味での謙虚さに欠ける人は、どこの会社に入社しても長くは続かない。これは断言する。本当に今在籍している会社で長く勤めたいのであれば、その思いがそのまま謙虚さへと変換されるはず。
だからね、何気なく日々語る言葉の性質から、その人がこの会社で長く働きたいのか、それともすぐ辞める気でいるのかは、おおよそ測れるわけよ。
人間を舐めるな。仕事を舐めるな。会社はあなたのお母さんではない。言いたいことがあるならやってから言え。
というのが今回言いたいこと(・∀・)
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