みんなで考える『業務改善』 - 現場の声とAIの提案を活かして
はじめましての方ははじめまして。
またお会いした方、こんにちは。ゆいです。
変わらず北国のスーパーマーケットでエナジードリンクに溺れています。
なんの話か興味を持ってくれた方はこちらをチラ見お願いします。
時代は変わろうとしている…
デジタルとアナログの間にいる私は、「今」何をすべきか
さてさて、今年のはじめごろ、私の店は老朽化が激しかったため大層なお金をかけて綺麗にしました。
そして、生産性を高めるためという名目のもと、電子掲示板と電子棚札が導入されました。
電子棚札が導入されて1ヶ月。パートさんもすっかり操作方法に慣れて、導入以前よりもPOPを作成できる人が増えました。
簡単にPOPの作成ができること、作成できる人が増えたことで作業負担が分散できるようになったこと。これは大きな業務改善でした。
…が、業務はそれだけではありません。
商品の陳列、食材の加工、レジ打ち…挙げたらキリがないほどお仕事はたくさんあります。慢性的な人手不足は解決しません。人じゃないとできない仕事もまだまだあります。
今、私ができることは、「人じゃなくてもできる仕事を見つけて、できる限り自動化すること」だと思っています。
これから先、どの業界にも必ずAIやデジタルツールは普及してくるはずです。その土台作りの時代を担っているのが、今の世代なのではないでしょうか。
では、みんなは何に困っているのだろうか?
みんなで考える「業務改善」
2回の記事に渡って、私自身がどう業務改善をしていくかを考えたお話を述べてきました。
では、本当に職場で私以外の人が楽をするためには、その人が抱えている問題を解決しなければ楽になりません。
業務改善は私1人でできるものではなく、根本の問題を見つけるには一緒に働いているみんなの意見を参考にする必要があります。
というわけで、まずは自分の抱えている部署内で問題を見つけるために聞き取り調査をしてみました。
①「周りに聞ける人がいなくて困った」
私の部署の人間はとにかく売り場のいろいろな場所に散らばっています。お客さまに商品のことを聞かれて自分ではわからなかったら、まずはわかりそうな他の従業員を探さなければいけません。
しかし、誰がどの部署で、解決できそうなひとなのかは新人には判別できません…。
ある日、新人の関西弁ボーイがバックヤードでおろおろしていることがありました。
話を聞くとお客さまに質問されたことが分からず、誰かに聞きたくても周囲に従業員が見当たらず、バックヤードまでもどってきたところだったそうです。
今回は私が対処することでことなきを得ましたが、その時にたまたま私がバックヤードを通っただけに過ぎず、同じことが起きた時に対処ができるかと言えば、必ずしもそうとは限りません。
この時、わからないことがあった時に確認できるマニュアルもなく、ほとんどが口語伝達になってしまっている現状が浮き彫りになりました。
②お申出の嵐
お店は改装しましたが、別段従業員の数をいきなり増やしたわけではなく、今いる従業員でどうにかこうにか営業を回している状況です。
簡単に言えばみんないっぱいいっぱいです。
今回、省人化という名目のもと、新しくセルフレジが導入されました。
お客さまが自分の手で商品のバーコードをスキャンし、支払いまで済ませる完全に従業員の手を離れた会計システムになります。
新しい機械に対し、お客さんも従業員もあたふた。使い方だって、初めからわかる人なんていません。
お客さまはわからないことを従業員に聞きます。
従業員は同じ質問を日に何度も回答しないといけなくなってしまいました。
人間なのでだんだん嫌になってしまう気持ちもわかります。その気持ちが態度に出てしまったのでしょう。残念なことに、お客さまからのお申し出の数が増えてしまいました…。
もちろん、セルフレジが導入されたことが改悪だとは思いません。
みんながやり方を覚えるまでの辛抱です。
それでも、今、ご来店してくださっているお客さまに対しての配慮が足りないのは由々しき問題です。サービスカウンターの人たちの悩みは深まるばかりです。
③情報が行き届かない
どこの会社でもあることかもしれませんが、他部署の話までは共有されない、という事例がたびたび発生します。
スーパーでよくあるのは、お客さまがご注文した商品を部署ごとで管理してしまうので、他部署の客注商品まで把握できていないということがあります。お客さまに聞かれてもスムーズに対応ができません。
また、発信された情報が隅々まで行き渡っておらず、パートさんたちの間で「私はそんな話聞いてない!」なんてことが起きることもしばしば…。
ひとつの情報がきちんと隅々まで行き届くことがこんなにも難しいとは思いませんでした。
今回、自部署のベテランパートA子さんからも、「どこに伝えれば情報が共有できるのかわからなくて困っている」と相談されました。
実際、業務連絡ノートもなく、裏紙に連絡を書いてバックルームや伝えたい人のロッカーに貼るという手法が主になっています。
情報を伝える手段がアナログゆえに、狭い範囲でしか共有できない現状が浮き彫りになりました。
どうやって解決するかも、「みんな」に一緒に考えてもらう
「マニュアルがない」
「同じ質問に対して回答を返してほしい。」
「情報共有が広く一括に行えるようにしてほしい。」
みんなへの聞き取りで、上記のような問題が浮き彫りになりました。
私が1人で考えるよりも、みんなで楽するための道を見出せたような気がしています。
あとはこの浮き彫りになった問題を、いかに解決していくかになります。
★FAQ搭載のマニュアルをつくろう
解決方法を部下の従業員に考えてみてもらった結果、まずマニュアルは作成することとして、このマニュアルに「簡単な接客時の応対テンプレートを組み込み、お客さまに聞かれたらこう返す、というFAQを組み込んでみてはどうか」、という意見がでました。
従業員のみんなで回答する内容を覚えて、1人の従業員が負担する量を分散しようという考えのようです。
関西弁ボーイも「わかっていれば、僕たちでも答えられます」と言ってくれました。
新人でもある程度のことが返せるようになれば、全体的な負担が軽くなります。ありがたいアドバイスでした。
★デジタルツールとアナログツールを混ぜてみよう
3つ目の問題である、情報共有ツールについてはこちらの方が解決方法が難しく、そもそもスマートフォンも携帯電話も持っていないという人も、私の部下にはいます。みんなが持っているツールを使わなければ、隅々まで行き届く、という状況をクリアできません。
実は改装して新たに電子掲示板が設置されたのですが、触る人と触らない人の差が生まれてしまうということがわかりました。
まず画面をタップして、次に「掲示板」という箇所をタップして、読むスレッドを選択して…。
しかし、せっかく電子掲示板があるのだから、これを活用しない手はないはず。
でも操作するのに抵抗があるみたい…。
とはいえ、お店をする改装以前は、週間ミーティングの内容のまとめなどをバックルームに貼っていたのですが、どうやら従業員のみんなは定期的にそこを見てくれていたようでした。
可視化された状態であればそこで立ち止まってみてくれる習慣はついているはずです。
デジタルツールを使うんだ!ということに固執して、デジタルを使いづらいと思っている人を蔑ろにしてはいけないと思います。
とりあえずは電子掲示板の外枠部分に本当に重要なことを紙で貼ることにしました。
重要なことは「みんなに情報が行き渡ること」です。デジタルツールを使ってもらうことではありません。
まずは電子掲示板の前で立ち止まってもらうという習慣づけを意識することにしました。
すると、ちょっとずつ電子掲示板の前でみんな立ち止まってくれるようになり、電子掲示板の使い方がわかる従業員がまだわからない従業員に使い方を教えているような様子が散見されるようになってきました。
こうやって徐々に紙から電子掲示板に情報共有したいことを記入し、それを確認するという手法にどんどんシフトしていけたらいいなと思いました。
AIにも考えてみてもらっちゃう??
ちなみに、解決案をAIにも聞いてみました。
今回聞いてみたのはChatGPTとClaudeとGeminiの3つ。
3つの生成AIに聞いてみた回答を、ソースとしてNotebookLMに組み込み、内容を的確に要約してもらいます。
3つのAIに聞いている内容が同じで、回答も似ているからか、すごく綺麗に要約してくれました。
従業員のみんなとAIが考えた結果の差異が生まれた部分は、情報共有の場として定期的なミーティングの提案でした。
確かに、私の部署はそれぞれの出勤時間がまばらなこともあって、みんなで集まって1度にミーティングをする機会はありません。
そういった機会を設けるようにしてもいいのかな、と思いました。
みんな(※AI含む)で挑む! 業務改善!
今回、従業員のみんなには問題点と解決策を考えてもらいました。
みんなで知恵を出し合った結果は、とても価値のあるものだと感じています。さらに、AIにも解決案を提案してもらうことで、新しい視点を取り入れることができました。
人間とAIが協力して問題解決に取り組むことは、これからの時代に欠かせない方法となると思います。私たちには、柔軟な発想力と、現場の状況を踏まえた適応力が求められます。デジタルとアナログ、人間とAIの強みを活かしながら、より良い業務環境を作っていくことが大切だと思います。
従業員のみんなと力を合わせ、時にはAIの力も借りながら、業務改革に挑戦し続けていきたいと思います。みんなで一歩ずつ前進していけば、きっとより働きやすい職場を実現できるはずです。これからも、みんなで知恵を出し合いながら、新しい時代の業務のあり方を模索していきましょう!