おっぱい嫌いの赤ちゃん
中3絶賛不登校中の娘は、すぐ上の兄と七つ違いで生まれたが、上の三人と違うことが多かった。
四人目ともなると、子育てなんて余裕のヨッチャンだと、正直思っていた。しかし、それまでの経験が役に立たない。
まず、おっぱいは生後4ヵ月で本人から拒絶された。
当時はアルコール依存症の舅と、その舅と共依存関係の姑、両親との関わりを避けて家に寄りつかない夫、小学6年、4年、1年の子どもと新生児というストレス満載の家庭環境のせいか、おっぱいの出が非常に悪く、足りていないのは明らかではあった。
それでも上の子たちは、例え出ないおっぱいでもなかなか離さずに、吸い付いたまま気持ちよさそうにウトウトしたものだったし、母親の私にとってもそれは幸せな時間だった。
しかし4人目は、ある日眉間にしわを寄せ、いかにも忌々しげに乳首を舌で押し出したきり、二度と口にしようとはしなかった。
「これに吸いついたところで何も出てこない」と悟ったのだろうか。
母乳不足に悩むより、割り切ってミルクだけで良いなら楽だと思いもしたが、それにしてもたった4ヶ月でおっぱいを見限る赤ん坊がいるものだろうかと寂しかった。
今でも、娘が乳首を舌で押し出しだ時の苦々しげな顔は忘れられない。
それが発達特性と関係あるのかは分からないが、「ほかの子とは違う」と初めて意識した日だった。