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(はいる)お泊まりと自立

 先々週には既にテーマを聞いていましたが、子育てをしていると時系列がぐちゃぐちゃになる病気にかかるので、「この夏の…思い出…?na…tsu……??記憶…?where…?」となっていたら、あっという間に更新日が迫っている。

 この夏はクソ暑かったね。さおりに会って「焼けすぎじゃん???」と言われるくらい、自転車通勤で丸焦げになった。

 さて、今回のテーマは「この夏の思い出」です。

 みんなは幼い頃におじいちゃんの家にお泊まりしたことはある?親がいなくて、1人でのお泊まり。わたしは親が共働きで、長期で家を留守にすることも多く、祖父母の家に泊まるのは日常茶飯事だった。
 父方の祖父母の家は自宅から近く、特によく泊まった。猫が2階の寝室に入り浸っており、動物アレルギーのわたしは、猫の侵入を禁じている1階の部屋で、祖父と2人で寝ていた。寝る時用にテレビを布団の前まで持ってきてくれて、祖父は大抵先に寝落ちしてしまうので、わたしは1人で夜中に「THE夜もヒッパレ」とか、「CDTV」を見ていた。真夜中に初めて見た椎名林檎の「本能」は衝撃だった。
 地方にある母方の祖父母の家は、年に一回行くか行かないかという感じで、いつ行っても慣れないその部屋でのお泊まりは恐ろしかった。いとこのお姉ちゃんが一緒に住んでいたのでいつも隣で寝てくれていたのだが、大抵先に眠ってしまい、お姉ちゃんのいびきと、カチコチと響く時計の音を聞きながら、母に会いたい、と毎回泣いてしまうのだった。

 と、自分のお泊まり事情を振り返ってみたのだが。そう、この夏、息子が初めての「1人お泊まり」にチャレンジしたのだ。

 夫の実家に毎年恒例の帰省をしているときに、息子が「帰りたくない」というので、「じゃあ1人でお泊まりしたら?」とこれまた毎年恒例の冗談をいった。いつもなら「やだ、じゃあぼくも帰る」って返ってくるのに、なんと今年は「うん、そうする。」迷いのない返答に夫と顔を見合わせた。

 本当に一緒に帰るつもりがないようで、夫とわたしと娘だけで先に帰宅することになった。いつもより静かな自宅に、親であるわたしたちのほうが、なんだか心許なく、落ち着かないのだった。

 お泊まり中の息子は、特に家が恋しくなって泣く、なんてことはなく、夫の弟と食玩を作りまくったり、祖父母とボードゲームをしたりと、大満喫していた。帰りは最寄りの駅までお迎えに行ったのだが、その時の誇らしげな顔ったらなかった。
 そこからの彼の成長は早く、翌週にはわたしの実家に1人でお泊まりに行って、母と映画を楽しんで帰ってきた。今や実家に行くたびに「ぼく帰りたくない、お泊まりしたい!」と言うほどである。

 保育園でもお泊まり保育をやるのだが、年中の時は、心細くて夜中に喘息になるほど泣いていた。年長のお泊まり保育はコロナで中止になってしまった。それからしばらくは、「小学校5年生になったらお泊まりする」と甘ちゃんなことを言っていた。そんな彼は、この夏で大きくジャンプアップしたのだ。

 子供の成長って本当に面白くて、毎日毎日一段ずつ階段を上るような成長をしない。ずっと平坦な場所にいる、と思っていたら、次の日急に3メートルくらい高いところに飛びついている。いつもいつも親はその成長に置いてきぼりで、そうしてついに追いかけられないところにいってしまうことを、きっと「自立」というのだろうな。

 この夏またひとつ、母は嬉しく、そして寂しくなったのでした。

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