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目的が曖昧だけど面白い提案がきたら、目的を相手に確認せず一緒に「目的のブレスト」をする

まとめ

・普通は目的を固定して、手段をたくさん出す
・目的が曖昧だけど手段が直感的に面白いと感じるときはないだろうか。そんなときは相手に目的を確認せず、一緒に目的をブレストしてみよう
・最近の具体例:移住促進と近隣自治体境界線での雪合戦
・提案を受ける側が、目的と手段の整合性の確認で終わってはいけない

目的もブレストできる

普通は目的を固定して、手段をたくさん出す

複数出した手段のうち、一番良さそうなものを提案する。

ところで、目的が曖昧だけど手段が直感的に面白いと感じるときはないだろうか。そんなときは相手に目的を確認せず、一緒に目的をブレストしてみよう。

手段を固定して、目的もブレストする

よさそうな目的を選ぶ。

その目的にあわせて、最初に提案された手段のチューニングをする。

目的が曖昧なのに、面白そうな手段ってどう判断するの?

・単純に表現として面白かったりする
・相手が考えている目的には使えないけど、別の目的に応用できそう

など。ここがわかりにくい。具体例を書く。

事例:自治体の境界で雪合戦をする

いま私は北海道の下川町役場でCIO補佐官として働いている。先日、移住促進をやっている人と「隣の自治体との連携が必要」と雑談をしていた。そこで思いついたアイデア。

目的が曖昧な手段:隣町との境界で雪合戦をする

こんなイメージだ。

名寄(なよろ)市と下川町の境界線で雪合戦

これは直感的に面白いと感じた。なぜかを考えてみる。まずは、今までの情報をまとめるとこうなる。

まったく意味不明だ。ここで手段を固定して目的を発散させてみる。たぶん連携の前に交流だとおもったのだろう。

早慶戦みたいに恒例行事になったらもりあがるかも。

そういえば、下川町側に上名寄(かみなよろ)という地名があった。下川町なのに名寄とは!合体している!

だったら、境界をまたいで家をつくってしまうはどうだろう?

なぜ境界をまたぐといいのか?どっちにも住民税を払うのか?そんなわけない。でもこれでわかった。近隣自治体と移住促進連携したときに、移住者の奪い合いになる。そもそも近隣自治体との移住連携は難しいんだ。

つまり雪合戦とつながってくる・・・??

近隣自治体の交流を増やしつつ、交流の場を境界線の近くにして雪合戦をすることで、将来的に自治体の境界線近くに共同の移住促進地域(?)をつくるというのはどうだろうか。ここまでいくと、ちょっと良さそうな提案になっている。「自治体の境界線での雪合戦」が「自治体共同の移住促進地域」としてチューニングされた。

いったん具体例はこれで終わり。実際にはこれを繰り返す。

雪合戦案に対して「目的は?」と聞いてしまうと、目的の拡散ができない

最初の雪合戦案にいきなり目的を聞いていたら、「えっと・・・」となってしまい、このプロセスは行われないだろう。

(目的、手段)×(収束、拡散)で整理してみる

この図で整理していく。

普通は目的を固定して、手段を拡散させて、最後に手段を絞る。

今回紹介した「目的のブレスト」は、手段を固定して、目的を拡散させてからまた最後に手段に戻ってくる。

回数をこなすと目的が曖昧でも、面白そうな手段がわかるようになってくる

私はこれを繰り返してきたので、比較的「目的曖昧だけど、何かに使えそうな手段」というものがわかるようになってきた。回数をこなしたからだろう。

「熟達者」の特徴は、「直感的に意思決定」することができる点にある。素人から上級者の段階まで、意思決定は合理的に行われるが、熟達者は、状況やアクションに関する膨大なレパートリーを有するため、直感的な判断が可能になるのである。

「経験からの学習」

提案をうける側の力量が問われる

目的と手段の整合性の確認で終わってはいけない。よりよい目的と手段が見つけ出せそうな「面白そうな手段」を見つける力量が問われるかもしれない。

今回は以上です。


おまけ:「クラフティング」という概念でも説明できる

優れた陶芸家は、最初は何をつくりたいのか自分でもわからず、まず泥をこね、ろくろをまわし、次第に自分でつくりたい物がわかってくる

ものづくりというのは、こういう側面があるのだろう。

宮本茂曰く、「蟻を見ていて思いついたのではなく、作っている物を整理していくうちにこれは蟻として作るのが一番良い」「蟻というのは子供の頃の経験なんですよね。今でも見ますからね。だからわかりやすく庭の蟻と答えるんですけど、別にうちの庭を取材しながら作ろうと思ったわけではないんです」

wikipedia「ピクミン」

詳細は以下で説明している。

おまけ2:ほぼ日の濱口さんの図も近いはず


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柴田史郎
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