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マケドニア フィリッポス王の「自分の考えを整理する方法」が使えるので紹介したい
まとめ
・フィリッポス王の会議の特徴:意思決定者である王は議論に参加せず聞くだけ
・そうすることで、人の話を半分聞きながら、自分の考えを整理できる
・これと似た構造の会議をリクルートマネジメントソリューションズが「2on2」として提案している
フィリッポス王の会議の様子
漫画「ヒストリエ」より。
フィリッポス王の軍議の場 ー 目の前で家臣達が思うままに意見を言い王は黙ってそれを聞く
つまりフィリッポス王はこの間 人の話を半分聞きながら自分の考えを整理しているのだ
フィリッポス王の会議の特徴
意思決定者が議論に加わらず、黙って聞いていることだ。
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黙って聞いて何をしているのか?それも漫画に書いてある。人の話を半分聞きながら、自分の考えを整理しているのだ。ここがポイントなので掘り下げる。
読書中にページめくりを止め、考えを巡らした経験
本から受けた刺激を元に、あれこれ考えたくなり、ページめくりが止まったことはないだろうか?私はよくある。
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ポイントはどこか?考えたくなったら、読書を中止できることだ。そして頭の中で思考を巡らせ、落ち着いたらまた読書に戻る。これと同じことをフィリッポス王は本ではなく会議で行っている。
自分が議論に参加しないことで、議論の内容をきっかけに自分の考えを整理する時間がある
私は実際に「自分の興味あるテーマ」について、自分が議論に加わらず、他の人が話している様子を聞いていたことがある(その方法は後述する)。すると、読書と同じように、自分の頭の中にいろいろと思い浮かぶのだ。他人の話も耳からは入れつつ、でも少し内容理解がおざなりになり、「ってことは・・・」と自分の考えを整理するモードになる。読書中の思索と同じ体験ができることがわかった。これは議論に参加していると難しい。
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もういちどフィリッポス王の顔を見て欲しい。目をつぶっている。目の前の活発な議論を聞きつつも、自分の考えを整理していることがわかる。
普通の会議でこれをやると怒られる
これは王様だから許されるのだろう。普通の会議でこれをやると怒られる。
余談:私は実際に、会議中に会議のテーマについてあらぬ方向を向いて考えごとをしていたら注意されたことが何度もある。会議のテーマについて真剣に考えているのだが、ぼーっとしているように思われるのだ。だから、普段の会議中は考え事をするときも視線はそらさないように訓練した。
でも安心してほしい。リクルートマネジメントソリューションズがきちんと会議の方法としてまとめているのだ。
フィリッポス王の会議を応用した「2on2」という会議手法
では、私なりの解釈で紹介していきたい。まず、参加者は最低4人必要だ。1時間ぐらいだから、王様じゃなくても協力者は見つけられるはずだ。
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ターン1:AさんがBさんに相談内容を話す(10分)
AさんがBさんに相談内容を話す。CさんDさんは視線を合わせずに話を聞いておく。オンラインでやるなら、カメラとマイクをオフにする。AさんBさんは、CさんDさんの存在を無視して二人で話すのがよい。
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ターン2:Aさんの相談を聞いて、CさんとBさんだけで会話する
次に、CさんDさんの会話をAさんとBさんが聞く。ここがフィリッポス王モードである。ここで本当にA役にいろいろな気づきがあるので、是非やってみて欲しい。CさんDさんは、AさんBさんの存在を無視して話そう。
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ターン3:Aさんが「CさんDさんの会話で思ったこと」を話す
次にまたAさんとBさんが話す。内容は、CさんDさんの会話を踏まえて感じたことだ。ターン1と同じく、CさんDさんの存在は無視する。
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ターン4:CさんDさんだけで話す(2回目)
続いて、CさんDさんが、Aさんの気づきを元にまた会話する。ターン2と一緒だ。
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最後:Aさんの気づきをみんなにシェア
最後にAさんの気づきをシェアして終わり。このときはCさんDさんも普通に聞く。
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2on2を詳しく知りたい人
私のこの説明はかなり偏っている。詳しく知りたい人は本を読もう。
2on2の元ネタまでさかのぼって調べた記事を過去に書いた。こちらの説明のほうが、一般的なものに近い。
もうちょっと詳しくやり方を書いた個人用のメモ
今回は以上です!
おまけ:実は1対1でも実現できる
おまけなので話半分で聞いて欲しい。このフィリッポス王のエピソードで例えることを思いついたのは、先日成澤俊輔さんと話していたときがヒントになっている(ちなみに、成澤さんがどんな人かはわからなくても、ここから先は理解できる)。
私がある人(仮にOさんとする)を成澤さんに紹介した。Oさんが成澤さんに相談している様子を、私もオンラインで同席して聞いていた。成澤さんのセリフで印象的なものがあった。
「私はアドバイスはしません。勝手に話すので、いろいろ気づいてください。」
つまり成澤さんは、相談役のOさんをフィリッポス王だとして、一人でいろんな話をして、Oさんに気づきを与えていたということになる。
そしてもう一つ私が気づいたことがある。ここが一番言いたいところだ。成澤さんはほぼ目が見えない。最初にあったとき、「もう500円玉ぐらいしか視野がありません」と言っていた。今はもっと見えてないだろう。つまり、相談中も相手とのアイコンタクトは行われないのだ。ということは、成澤さんに相談している人は、会話しながらも以下のフィリッポス王モードになることができ、自分の考えを整理する時間をとりやすいのではないか。
たぶんこれは、誰も言語化してない部分なのでは、と思っている。成澤さんにこのブログを見せてみよう。
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