ファイナルファンタジー2にドハマりしてる。
ファイナルファンタジーと言えば日本を代表するRPGのひとつであり、現在もなおナンバリングタイトルがリリースされ続けている、国内ゲームの巨神兵のひとつなのだが、どの作品が一番好きかとなると、僕は断然2を推す。
このファイナルファンタジー2というのはいろんな意味で問題作だったりして、ドラゴンクエスト3が発売されて間もないころ(1988年)でもあり、RPG=ドラクエみたいな世相の中、独自すぎる成長システムの導入、重すぎるストーリー、当時は珍しい「負けて話が進む戦闘」など、現在に至るファイナルファンタジーの系譜の中でもかなりの異端扱いされていたりもする。
さらに、その独特のシステムから難易度が非常に高いとされる傾向にあり(実際は盛大なる勘違いなのだけれども)、序盤はともかく、後半になると一気に戦闘が苦しくなって、途中で投げた人も多いのではなかろうか。これまで数々のリメイクがリリースされているが、やはり印象としてファミコンのオリジナル版の難易度の高さを未だに引きずっているような気もする。
まあ色々とバランス的に問題のあったファミコン版がアレなので誤解されがちだが、リメイクされて行くにつれ問題点はかなり改善されており、モバイルアプリ版ともなると、もはやファミコン版のアレはなんだったのかというほど難易度が下がっているので、割と簡単にクリアできるし、有料ではあるがお安いため、プレイする敷居もそんなに高くない。
問題として、アプリのレビューを見ると5点満点中まさかの「1.95点」というあまりにも御無体な数字ではあるのだが、まぁこの辺りは愛ってやつだ。愛。
そんな感じの好きな人は本当に大好きでかなりの研究がされているものの、一般的な評価としては著しく低い、あまりにも評価が両極端なファイナルファンタジーについて思い切り語りたい。
ここまでが前置き。
多くの人が勘違いしてること
ファイナルファンタジー2の成長システムは非常に分かりづらいことでおなじみであり、ここで盛大に失敗した人がほとんどだと思われる。
そのシステムとは、当時レベル制が当たり前だったRPGの中において、「レベル制なし。戦闘内容などによって少しずつステータスが増減して行く」という非常に珍しいものであった。
1988年の作品なので、まだ日本全体的にRPGというのはドラクエ型のレベル制が当たり前であり、レベルの数値=強さみたいな分かりやすい指標があるのが普通という風潮なので、この成長システムは非常に分かりづらい。
当時のゲームキッズからすれば、何すれば強くなるのかという指標がほとんどわからないままだっただろうし、未だにわからない人も多いことだと思う。
その中でもHP、MP、武器・魔法レベルだけは分かりやすく、HP、MPは「戦闘終了時に思い切り減少していれば上昇する」武器・魔法は「使えば使うほどレベルが上がる」という仕組みなので、これを逆手にとってパーティアタック(自分で自分を殴ってHPを減らすこと)によっていくらでもHPが上げられるし、システムの都合上、「攻撃コマンド」を一度選べば経験値が加算されて行くため、「攻撃→キャンセル」を繰り返せば簡単に武器・魔法レベルが上がって行くことから、序盤だけはめちゃくちゃ強いパーティを編成することができてしまった。
が、この方法で強いのは序盤だけで、後半になるとどれだけHPがあっても、どれだけ攻撃が強くとも、高HP高火力でゴリ押しした結果他のステータスが全く上がらず、一撃死系の攻撃の前になす術もなく沈没していき、ついにはクリアに到達がほぼ不可能になってしまうというリスクを大いに孕んでいたのだ。
その結果、「どれだけ強くても途中から敵が強すぎて先に進めなくなるバランスの悪いRPG」としての不名誉な評判だけが残ってしまった。この結果については、当時発刊されていた攻略本にも結構責任があって、攻略本自らがこの成長方法を推奨していたのも要因のひとつと思われる。
実はこれは非常に悪い成長方法で、こんなことをしなくてもクリアできるというか、こんなことをしてしまうから難易度が跳ね上がってしまうわけで、実際はそんなことをせずとも普通に進めれば普通にクリアできる程度の難易度であったというのは案外知られていない。まぁそれでも難易度はファミコン時代の作品なだけあってそれなりに高くはあるものの、決してクリア不可能なバランスではなかった。
とは言っても、この作品、隠しパラメーター的なものが非常に多いため、それを理解してるのとそうでないのとでは難易度が全然変わってきて、そういう部分をちゃんと表に出さなかったスクエアさんサイドに問題があるのも間違いはないのだけれども、ちょっと不当な評価だなーって思う。
ファイナルファンタジー2の隠し要素
さて、じゃぁそんなファイナルファンタジー2がなぜ好きなのかというと、これFF2(ここから先はFF2に統一するね)好きの人の多くは賛同してくれると思うのだけれども、この作品、隠しパラメーターや、他作品的にはあまり気にされることのないステータス、装備選定のコツを掴むと一気に難易度が下がりつつも、プレイスタイルが流動的にコントロールできるようになって別ゲー的な育成ゲームに早変わりしてしまうところにある。
よくある一般的なRPGのようなノリとはまるで違うので、ここで好き嫌いが一気に別れてくるのだけど、FF2の楽しみはここを制するかどうかにかかっていると言っても過言ではない。
特に知っておかねばならないのが、隠しステータス「魔法干渉」だ。これを理解しておかないと、魔法パーティを作ってみようとしてもまず失敗する。
この魔法干渉、正式名称がないのでネットユーザーたちがこのステータスを論じるに当たってつけた言葉らしい。
この魔法干渉は装備している武器・防具それぞれに設定されている隠し数値分上昇し、この数値が高いほど魔法の効果は減少し成功率が減少する。
ケアルの回復量が低い程度ならいいが、戦闘中にレイズが成功しない、エスナが成功しないとかになると致命傷になるパターンも多いし、魔法で一掃したい敵相手になるとダメージが小さく何発も撃たなければならないなど、色々と困ることがある。
これらは軽い装備にしたり、魔法使いが好みそうな防具を選ぶなどの工夫が必要。ファミコン版は武器にまで魔法干渉が設定されていたため、素手が一番低く、弓が一番高かったため、初期装備が弓なのに、どう考えても魔法キャラなマリアはどうしたらよかったんだと、未だに答えの出ない育成方針を迫られることになるが、リメイク版以降は武器に魔法干渉はつかなくなったので何装備してもOKである。
装備品(特に防具)は強そう=良品とは限らない
例えば
・黄金の鎧
・ナイトの鎧
・ドラゴンアーマー
・源氏の鎧(FFシリーズ定番)
なんて防具を手に入れると、真っ先に装備させようとするのが一般的なRPGスタイルだと思われる。特にドラゴンアーマーとか、他作品だったら防御力は低くとも、ブレス攻撃を軽減させる効果があるから手放さないという人も多いことだろう。
だが、FF2に限ればこれらの防具は全てゴミと言っていい。
なぜなら、「〜の鎧」や「〜アーマー」と名のつく、安易に重厚そうな鎧はその想像通り、重い防具となるため、これらを装備すると防御力は上がるが回避率や素早さが下がる。さらに、上記でもある「魔法干渉」が非常に大きく、デメリットだらけだったりするのだ(もちろんこれらを装備してもクリアはちゃんとできるけどしんどい)。
逆に、胸当て系の防具や、名前的に布製(黒装束や力たすき など)は軽く、魔法干渉が少ないため、敵の攻撃を避けやすくなるので重宝する。
つまり、FF2をさっくり攻略する場合、金属の鎧系は一切持たず、胸当てか布系の鎧、兜は軽そうな髪飾り系、はちまき系、籠手はいっそ装備しないか、ステータス上昇の恩恵を得られるもののみにする みたいな、RPGとしてはどうか みたいな装備を選ぶ必要がある。
重さより軽さ。FF2を語る上で重要なファクターである。
ほぼ最強装備。リメイク版から追加された専用装備以外全員が同じ装備できるので、最終的に全員がこんな感じになる。
最も重要なステータスは2つ。「回避率」と「魔法防御」
ここを押さえておけばFF2の攻略は楽勝というか、ただのヌルゲーである。
前述の通り、FF2でキャラクターを育成するにあたり、多くの人がHPと武器・魔法レベルだけを必死に上げてきたと思われるのだが、後半の敵はとにかく一発の攻撃が重く、鎧系の防具でがっつり固めても簡単に大ダメージを食らう、ステータス異常を盛大に食らって先に進めなくなるというパターンで固定される。
そこで大事なのが「回避率」と「魔法防御」で、逆に言えば、この2つが高ければどう頑張っても難易度が上がらない程度に簡単になる。
なぜかというと、FF2の武器・魔法・特殊攻撃にはレベルが存在していて、覚えたては1。最終は16なのだが、この武器・魔法レベルは強さではなく、「施行回数」となる。つまり、ファイア1は1ターンに1回だけファイアを唱え、ファイア16は1ターンで16回ファイアを唱えるのと同義という扱いだ。
武器で言えば、剣レベルが1であれば、一度の攻撃で最大1回ヒットだが、16になると最大16ヒットになるため、当然高い方がダメージが上がる。
が、その逆もあって、回避率、魔法防御もレベルなので、回避率1の場合、回避行動は1回しか取らないため、敵の攻撃が2回ヒット確定の場合、どう頑張っても必ず1回分のダメージを受ける。魔法も同様。
この数字は「レベル-00%」で制御されており、回避率が最大の場合「16-99%(16回攻撃を99%の確率で回避する)」となる。
ということは、これらの数字が高いと、どれだけ敵が強い攻撃力を持っていても当たることはないし、魔法防御が高いとステータス異常も起こり得ない。よって、敵の攻撃ほぼ全てを最小ダメージで過ごすことができるということにつながるのだ(流石に攻撃魔法やブレスは必中なので無傷とはいかない)
問題は、当時はこの「回避率」と「魔法防御」の上げ方は誰も説明してくれず、どうやったら上がるのか。もしかして運任せなのでは? みたいな憶測が広がって、結局上げ方がわからず匙を投げるという感じになったことであろう。
正解は「回避率」は敵にターゲッティングされた回数が多いほど上昇し、「魔法防御」は敵の魔法、ないしはブレスをたくさん受けると上昇する。だ。つまり、通常の戦闘を普通にこなせば勝手に上がるステータスだったりするのだが、最初にHPと武器レベルだけを上げてしまうと、敵はそのステータスを判別して逃げてしまうため戦闘にすらならず、ステータスの上昇が見込めなくなってしまい、そのまま終盤に突入してしまう羽目に陥ってしまっているのだ。
ただし、回避率や魔法防御はレベルが高いだけではダメで、前述の「レベル-00%」の%が重要になる。
例えば回避レベルが16だったとしても、%が低いと当然ダメージを受ける。
で、この%は盾を装備することで増える、武器の熟練度によって微増するなどがあるが、軽装備であることも重要。ここをちゃんと99%にしておかないと結構でかいダメージを食うことがある。
ちなみに、いまだに謎扱いされている「素早さはどうやったら上がるのか」という問題は、「回避率が高い状態で戦闘に勝利すれば勝手に上がる」が正解のため、軽装備だと最初にカンストするステータスだが、重装備だと全く上がらず、敵からの先制攻撃を食いまくって気分を害するパターンに陥る。そういう意味でも重装備は危険。
回避率と魔法防御さえ高ければ後のステータスは普通に戦闘してたら勝手に上がるので、これだけでゴリ押しができるぞ!
ファミコン版FF2は何が悪かったのか
結局、どう頑張ってもFF2の評価はファミコン版が前提となるため、どれだけリメイクを重ねても、その評価が大きく覆ることはない。そして、ファミコン版は良作でありながらも、多くの問題を抱えていたのも否めない。
まず、成長システムも独特だけど、魔法を強くするには、1レベル上げるのに100回唱えなければならないという面倒さがある。その上弱い。
武器は最悪、ABキャンセルと言われる、「攻撃→キャンセル」を繰り返せばすぐに上がるし、操作も楽だ。
しかし魔法の場合、確かにABキャンセルで上げられるのだが、コマンド入力が非常に面倒なので、割と早い段階で挫折する。
まぁファイナルファンタジーの伝統というか、シリーズ全体を通して魔法の取り扱いが下手なので、この辺りは仕方がない。ほんと、FFシリーズはとにかく魔法の扱いをどうしたいのかわからない。未だに最近のストーリー的にも魔法を特別扱いしすぎるのはこの辺りのトラウマなんじゃないかって勘ぐるくらいだ。
FFの代名詞とも言われる最強魔法「アルテマ」に至っては、FF2が初出にも関わらず、どうしてこうなったと言わんばかりの弱さである。はっきり言ってこんなもののために命を落としたミンウが報われないし、そんなもののために命張るくらいなら、最初から最後までずっと仲間でいて欲しかった。
蛇足だが、リメイク版でもアルテマは弱いままだが、一応救済措置が用意されており、全武器・魔法のレベルがカンストしている場合に限り最強魔法になる。まぁそこに至ることはまずない。
あと、リメイク版で追加された特別シナリオ「ソルオブリバース(通称:SOR)」のアルテマは文字通り最強魔法であり、この魔法のゴリ押しだけでクリアできるほどである。
次に、アイテム数がかなりきつい。
当時のRPGでは当たり前だが、所持できるアイテム数には限りがあり、溢れたものは売るか捨てるしかないにも関わらず、FF2は捨てられない重要アイテムだけでアイテム欄の1/3以上を埋めてしまう。
その上、FFシリーズでは当たり前の「ポーション99」「エーテル99」みたいな、同一アイテムをまとめてくれるようなことはしてくれず、各アイテム1つにつきアイテム欄1つを埋める仕様のため、持てるアイテムがますます限られてくる。FF1ではまとめてくれたのに、なぜ2だけその仕様を捨てた。
また、1戦闘中に使えるアイテムは1キャラにつき、最大2つまでである上に、あらかじめ装備しておかなければならない。つまり、アイテム欄のアイテムは戦闘に持ち込めない。あくまで現時点で装備している最大2つのアイテムまでである。通常プレイなら気にならないかもだが、やりこみプレイになるとここがかなり頭の使い所となる。
特に上記2要素に加えて、当時のRPG事情の全体の理解度からして成長システムは困難を極めたこともあり、受け入れづらい作品だったのは確かだよなとは思う。
リメイク版になるとかなり改善されており、武器・魔法レベルは上昇しやすくなり、アイテムは無制限でいつでも使えるように変更されている。
HPも10回戦闘すれば必ず上がるため、バランスが崩れにくくなった。
ストーリー重すぎ問題
FF2が発売されたのは1988年12月。
まだ日本国内でもRPGというのはドラクエ一強であり、ドラクエでないRPGは理解されない時代でもあった。
ドラクエといえば、王道の勇者が魔王を倒して世界を平和にするという勧善懲悪ファンタジーRPGだし、当時のRPGはほぼ全部がそうだったと言っても過言ではない。
その中で出てきたFF2は、帝国軍と反乱軍の戦いを描いた人間ドラマに重点が置かれている。勧善懲悪ではあるが、人間ドラマは濃い。
その上、仲間だったキャラがガンガン死ぬ。エンディングも人間臭すぎて、いまいちハッピーエンド感がない みたいな、大人にしかわからなさそうなストーリーを当時のユーザーは受け入れることができたのだろうか。こんな重い物語、1988年にありましたよなんて信じてもらえるかどうか疑わしい。
ちなみに、「負けが前提の戦闘」は今ではよく見るが、初出はFF2じゃないかなと。しかも、ゲーム開始直後の戦闘で、である。めちゃくちゃ斬新だった。
誰もFF2の正解を教えてくれなかった
非常に長ったらしく書いたが、FF2の低評価の不幸はなにより、そのゲームのシステムをスクエア公式ですら教えてくれなかったことにあると思う。
当時のゲーム製作者はパソコンユーザーの延長線でもあっただろうし、当時は高価を極めたパソコンの利用者でもあったわけだから、昔ながらの高難易度ゲームを数多くクリアしている層なわけで、システムの理解はあって当然という前提で制作していたようにも思える。
しかし、1988年当時のファミコンユーザーのリテラシーとしては、この独特の成長システムを理解するには至っていないのは結果を見ればわかることで、この部分の説明を誰もしてくれなかったというのはちと不味かったなと。
端的にいえば、FF2は「回避率と魔法防御を上げて、軽い装備で進めばクリアできる」ゲームであり、その方法を試行錯誤することで最適な攻略ルートを探るゲームであるということに尽きるのだが、ドラクエ慣れしている当時のゲームユーザーでそんなんわかるかい! という方が当たり前の意見だったことだろう。
逆にいえば、正解が分かれば実に自由な育成で自由な攻略ができるゲームでもあるため、数値管理が好きな人や攻略パターンを追求したい人にとっては何度もプレイできるゲームでもあると言える。実際僕は手持ちのモバイル機種全部でFF2がインストールされており、全機種でセーブファイル満タンになっている。それぞれ攻略方法がバラバラである。
ラストバトル直前のデータ。
マリア以外全員初期ステータスで、システムを理解して育成すれば短時間かつ、ソロでクリアができてしまう程度の難易度。
さらに、リメイクとなるモバイルアプリ版は難易度の低下によるクリアの簡単さはもちろん、追加装備や追加シナリオを加えると結構なボリュームになるので、やりごたえがありつつも、あの時クリアできなかった悲しみを一掃することもできることだろう。
案外知られていない4人目のこと
FF2のメインキャラは「フリオニール」「マリア」「ガイ」「レオンハルト」の4人だが、物語の最初でレオンハルトが行方不明となるため、終盤の合流まで4人目の枠は物語進行に応じて入れ替わっていく。
結局最後にレオンハルトが合流するのでそれまでの4人目の育成は割と無駄感があり、愛着がない限りまともに育てることもほとんどなかったりするのだが、よくよく調べてみると物語進行具合に応じた適度なバランスを持ったキャラだったりするので、彼らの名誉も挽回しておきたい。挽回できてるか…?
ちなみに通称は勝手に僕がつけただけなので、一般には使われてない。でも知ってる人はきっと頷いてくれると思う。
1人目:ミンウ
通称「雑魚魔法のために命張った犬死野郎」だが、そんな汚名を被る羽目になったのにはそれなりに訳があったりして、実は4人目の中で言えば最も有能なのが彼。
序盤から使える白魔法はほぼ習得しており、ミンウが仲間の間にどのような育成方針を決めるかによってゲームの難易度が恐ろしいほど変わってくる。
彼がいる間に最強パーティを作るもよし、金策に走りまくるもよしと、FF2のシステムを理解している限りでは、彼がいる間はかなりの無茶なプレイが通じるので、できれば我々の軍師として最後までいて欲しかった。無念。
2人目:ヨーゼフ
通称「あの岩さえなければずっといて欲しかった脳筋お父さん」
パーティ内にいる期間は非常に短いものの、素手で高火力を引っ張り出す空手家としてパーティの要になりうる力があり、FF2のシステムをそんな理解していなくとも彼の強さが印象に残ってる人も多いと思う。
その無双ぷりに最後までいて欲しかったと言う人もいると思うが、初期技能が素手のみなので、多分中盤以降は回避率が上がらずに失速しがちだったかもしれないとは思うと、出番はあそこまでかなーと言えなくもない。
しかし愛すべきキャラとしてFF2ファンの中では伝説となっている。
3人目:ゴードン
通称「ヨーゼフの抜けた穴はこいつが埋めるの納得できないチキン野郎」
ヨーゼフをそれなりに使って鍛えた人には残念なお知らせとも言える3人目がゴードンなわけだが、物語の最初から臆病者のチキン野郎として印象深いことや、加入期間が非常に短いこともあって、結局育てきれずに弱いまま戦線離脱を経験した人の方が多いと思う。
が、ポテンシャルは実はかなり高く、おそらく才能だけで言えば兄のスコットより上だったのかもしれないし、スコット自身もそれを自覚していたのだろうと思う程度に成長率は非常に高く、真面目に使えば主要3人よりもあっさり強くなる程度の伸びっぷりを見せる。武器主体でも魔法主体でもどっちでもOKのオールラウンダーで、HPは低く魔法もなく装備も貧弱だから案外知られてないけど、実は基礎ステータス結構高い(初期ステータスの総合値だけで比較するならヨーゼフより高い)
どうしても加入タイミングの関係で真面目に育てずにダンジョン強行になりがちなので、弱さばかりがピックアップされがちだが、才能はあるんだよ。ただそれを活かす場面がなかっただけなんだ…。
ただ、救済措置なのかわからんけれども、SORがあるバージョンの場合、ゴードンの回避率と魔法防御がスコットに引き継がれるので育てる価値はある。
4人目:レイラ
通称「金の髪飾り担当」
初期能力としてはヨーゼフ以上ゴードン以下みたいな中途半端な立ち位置だが、素早さの伸びが高いこと、合流時から海スタートなので最初から覚えているサンダーが意外と有能なこともあって、足を引っ張るほどではない程度の実力はある。マリアがナイフ担当でない場合は有能なナイフが手に入るシーンが多いので、それを持たせると戦闘力もまぁまぁある。
良くも悪くも場繋ぎ感の強い程度の能力値ではあるが、加入期間が長いこともあって気がつけば戦力になっていたりすることも多い。
が、最終的に初期装備の金の髪飾り(終盤まで使える有能装備)を剥ぎ取られる運命にあるのは間違いない。
5人目:リチャード
通称「できれば最後までいて欲しかった火力担当」
FFシリーズ初登場の竜騎士が彼なのだが、以後も定番ジョブとして重宝される程度には優秀な初期能力値だ。苛烈なバトルが続く中の4人目として申し分ないポテンシャルがある。
ただ、残念なのが以後のダンジョンほぼ全てリチャードの初期能力に対して相性が悪い敵の出現パターンなので、合流直後は足を引っ張る可能性はある。
加入期間は長いと言うより、大規模ダンジョンが続くので必然的にガンガン成長していくことから、終盤になるともはや主戦力クラスとして活躍できるだけの能力があるものの、あくまで暫定4人目という運命から逃れられないのが残念なところ。
ちなみに、リチャードのみ装備欄に「ひりゅう」を乗せられるので、アイテム欄が圧迫してる場合は離脱時に一緒に持って行ってくれるから枠がひとつ空くと言う姑息なテクニックも存在する。
6人目:レオンハルト
通称「今更返ってきてもお前…」的なキャラで、リチャードをガッツリ成長させている場合、なんだか残念な気持ちになる人も多かったのではないだろうか。
が、やはり最後の主要キャラなだけあってステータスの伸びは非常に高く、回避率と魔法防御の低さはあるものの、そのままラストダンジョンに突っ込んでもそれなりに戦える程度の能力はある。
この頃になると、足りないステータスは魔法で補えばいいので、特に補助魔法を駆使してる場合であればそんな問題にならない。
特筆すべきは、大体の装備レベルが高ランクなので、余った武器を装備させるだけで戦力になるところ。特にこの頃には剣・斧・槍は持て余すはずなので、何装備させてもいいってところは誉めていきたい。
とは言え、やはり回避率と魔法防御の低さはラストダンジョンにおいては魔法を育ててない場合は致命的なところもあって、リチャードが育ちきっていたらぐぬぬ感は否めず、また育て直しかーって言う点はどうしてもね。でも最初の4人揃ったじゃん! 祝おうよ! くらいの気持ちで受け止めてあげたいね?
私的FF2攻略方法
さて、ここからは誰も読まない(すでにもう誰も読んでいない)FF2攻略方法を書いていくぞ! ちなみにリメイク版のみです。
ミンウが仲間の間に育成方針を決める
FF2はストーリー上、メインキャラの3人+流動的に仲間になる1人の4人編成となるのだが、最初に仲間になる「ミンウ」が非常に強力だったりする。普通にプレイしていても開始1時間程度で仲間になるのに超強力。
あまりFF2を知らない人的には「カス魔法アルテマのために命かけてしまった犬死野郎」みたいな不名誉なレッテルを貼られてしまっているが、全キャラをおいても、最も有能な仲間であり、彼がいる間にある程度メインメンバーの育成方針を固めておかないと、後で苦労する羽目にもなりかねない。
ミンウが仲間になった時点で、通常倒せないはずの敵も簡単に倒せてしまう程度のバランスブレイカーでもあるため、この段階で一気にクリア可能なステータスまで育成する人もかなり多い。それが短時間でできてしまうのもミンウの強みである。
運用方法がわかっていれば、彼が仲間の間はかなり無茶なプレイができるので、いきなり最後の街まで行って上級装備を求めるもよし、無茶なステータスアップを狙いに行ってもよしと、自由に育成してしまうのがよろし。
重い装備は持たない。
これまで書いてきたように、FF2は魔法干渉、回避率と魔法防御が重要パラメーターとなっており、この数値をいかに高く保持するかが勝負でもある。
魔法防御は魔法やブレスを使う敵とたくさん戦えば勝手に上がるが、回避率はそうもいかない。軽い装備で回避率を上げ、さらに回避レベルを上げていかなければ素早さも上がらないため、とにかく軽い装備を心がけること。
軽い装備=魔法干渉が少ないことから、魔法の威力や成功率も向上するため、最低限、鎧は布系のもの。籠手と兜はステータス上昇があるものに絞る。
重い鎧を装備するくらいならいっそ裸の方が強い。
魔法の種類は多いが使う魔法は限られている
FF2では従来のシリーズにある「上位魔法」というものはなく、ファイアの魔法であれば、最弱が「ファイア1」最強が「ファイア16」と、1魔法につき16段階の強さが設定されていることから「ファイラ」や「ファイガ」とはならない。
その割に魔法の種類は非常に多く、特に補助魔法なんかは非常に分かりづらい上に、ほぼ使うことはないであろう魔法だらけである。
実際使うのは「ケアル」「テレポ」「バーサク」くらいのもので、あとはプレイスタイルに応じて増やすみたいな感じで十分だったりする。
これだけあればクリアはできる。あとはよく使う魔法の本を所持していればOK。
また、魔法の習得はお店で買える魔法の本を習得させたいキャラに使うことで覚えていく仕様なのだが、この魔法の本は戦闘中に使用すると誰でも中レベルの魔法効果のあるアイテムとなるので、わざわざ魔法を覚えさせて育てるよりも、使ってしまう方が手っ取り早い場合が多い。
特にファイア、ブリザド、サンダーは攻撃魔法として重宝するものの、強くなるのに時間がかかるので、安い本だし覚えさせるより、大量に所持してアイテムとして使う方が攻略としては楽。
補助魔法でおなじみの「ブリンク(回避率上昇)」「バーサク(攻撃力上昇)」は覚えさせて育てる価値も高いし、本の使用でも高い効果があるので、どちらにせよ早々の確保をしておけば、全体的にかなり楽になる。
それ以外は別にいらないというか、ファミコン版だとエスナあたりは必須だが、アイテム無制限となったリメイク版では、ステータス異常はアイテムで回復した方が早い。よっていらない。
アルテマ? なにそのゴミ。最強魔法はテレポです。(敵全体を一発で葬ることができる上にレベルを上げやすい)
パーティアタックによる無駄なステータス向上はしない
FF2伝統? の育成方法として、自分で自分を殴ってHPを上昇させるものがあるが、そんなものは不要。リメイク版は10回戦闘すれば必ず上がる。
ただ、MPだけは上記のプレイ方法だと全然上がらないので、最初の仲間であるミンウがいる間にある程度は上げておいた方がいい。
方法としては、ミンウが習得している「アンチ(MPを削る魔法)」を仲間にぶつけてMPを減らすだけ。50くらいあれば大丈夫だし、すぐ終わる。
武器レベルや魔法レベルもファミコン版みたく、数十回使わなければならないということはなく、すぐに上がるので通常プレイで十分。
即死系魔法は重点的にレベルを上げる
ファミコン版だと「レベル1ウォール+レベル1デス」の重ね技によるオーバーフローバグでどんな敵でも一発で終わらせられるのだが、リメイク版の場合はそうはいかない。
…のだが、FF2の場合、即死系魔法は非常に使い勝手が良く、レベルを上げておけばほとんどの敵を一発で葬ることができるため、異常に高いエンカウント率もなんのその。ガンガン突き進むことができる。
その魔法は「テレポ」「トード」「ミニマム」「デス」「ブレイク」あたりが該当するのだが、オススメはテレポ。
テレポはFFシリーズおなじみの「ダンジョンから一瞬で脱出する魔法」なのだが、FF2の場合、敵に使えばドラクエで言う所の「経験値がもらえる二フラム」みたいな効果となる。ちなみに、FF2のみだが、テレポをダンジョンで使うと、脱出時にHPが9割持っていかれる。これなんでなんだろうな?
なぜテレポが一番かというと、テレポは基本は脱出魔法なので、フィールドでも使えることから、「ダンジョンに入ってすぐテレポ」するだけで簡単にレベルを上げることができてしまうのだ。しかも他の魔法に比べて序盤で手に入る魔法なので、早々に使うことができるのも有利。
この即死系魔法はほとんどのボスでも使えてしまうので、これがあるだけで攻略難易度は一気に下がる。難易度を上げたいなら封印すること。
回避レベルを楽に上げる
FF2最重要ステータスである回避レベルだが、この数値を上げるには「敵からターゲッティングされる」必要がある。
4人パーティ全員が前衛にいると、敵からのターゲッティングが分散されるため、その分回避レベルが上がるのも遅くなるのだが、1人だけ前衛にし、残りは敵にターゲッティングされない(魔法は別)後衛に置くことで、前衛が集中攻撃を食らう→回避レベルが上がりやすくなる という方法で一気に進めてしまうことができる。
ちなみに、この時に両手に盾を装備しておくと、それだけで回避率が上がるので、無傷で回避レベルだけが上がっていくということが可能。ついでに盾レベルも上がるので、もう物理攻撃によるダメージは気にしないで良くなってくる。
魔法を使う敵は序盤のうちに積極的に戦う
FF2は序盤はともかく、後半は割と極悪な攻撃を繰り返してくる敵が多く、特にバッドステータスに対しては本当に容赦がない。
無駄なパーティアタックによってHPと攻撃力だけが向上したメンバーで向かうと、だいたいモルボルグレートの通常攻撃で全バッドステータスが付与され、ラストダンジョン一歩目で詰む みたいな話も少なくない。
また、石化にらみ(石化)やブラスター(麻痺)、誘惑(混乱)、一撃死攻撃も当たり前のようにやってくるので、耐性がないとクリアはほぼ不可能と思ってもらっていいだろう。
それらを全て解決するのが魔法防御であり、魔法防御が高い限り、バッドステータスになることも一撃死を食らうこともない。ブレスや特殊攻撃も魔法扱いなので、こちらも同様の対処となる。
そのため、バッドステータス付与がほとんどない序盤の間に、敵からの攻撃魔法を食いまくって魔法防御を上げてしまうのが望ましい。
防具の中には一部のバッドステータスを完全防御(主にリボン)するものもあるが、FF2に限れば、魔法によるバッドステータス付与は防御できるが、防具だけだと通常攻撃に付与される特殊効果までは防御ができない。よって、最強防具を所持していても魔法防御はある程度必要となる。
魔法防御さえ高ければ、あの悪名高いモルボルですら、ただ通常攻撃してくる気持ち悪い草でしかないのだ。
ここまで理解していれば短時間でクリアが可能
FF2はファミコン版でもリメイク版でもエンカウント率が非常に高く、ちょっと歩けばすぐに敵と遭遇みたいな、かなりイライラする仕様ではあるのだが、上記の方法で育成していけば、割と簡単に攻略することができる。
その気になったら10時間ちょいでクリアできてしまうので、その辺りタイムアタックをしてみてもいいかもしれない。ちなみに、最も効率のいい方法は、ミンウが仲間から外れた以降は仲間1人にしてゴリ押しである。全ステータス向上が早いため、人数増やすより難易度が下がるというなんだかななバランスになる。
と、いうわけで
そんなわけで、Appleアプリの評価は1.95という非常に低評価の作品であり、その上有料でもあるが、僕だけがオススメする超楽しいRPGなので、みんなFF2をやろう!
ピクセルリマスター版について
2021年7月29日に、ピクセルリマスター版のFFが1〜3までリリースされたので追記。
まだ2時間くらいしかプレイしてないけど、従来の作品とざっくり比較した感じだと
・オートバトルモードが非常に使いやすく、主人公一人旅みたいなことをしなくても快適にプレイできる。
・移動モードが2種類になり、タップ移動とコントローラー移動をいつでもチェンジできるが、どっちも割と使いづらい(私感)
・全体的にインターフェースが使いやすくなってるのはいい。
・ピクセルリマスター版とはいえ、従来リメイクとそこまで変化はない。音楽はかなり良くなってる。
・従来は後衛の敵は物理攻撃不可能だったが、今回はそれが撤廃。8匹出てきたら全員攻撃してくる。その分、回避率が上がりにくくなったっぽい?
・とはいえ、全体的にステータスが上がりやすくなっており、特にミンウはいきなりステータス上昇率がバカみたいに高いっぽい(SOR用かな? ←SORはない模様。)
・リメイク以降からの鉄板、テレポ戦略は今回も可能。オートバトルモードを利用すればすぐにテレポのレベルが上がるので、序盤からキャプテン狩りもできる。
・当然序盤ミシディアも可能なので、開始2時間でほぼ最強装備揃えられる。
というわけで、従来の攻略方法はそのまま使える模様。