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星の夢と、混濁の

 寒い夜に、温いひとりの布団がある。それだけで、私の生活は、始まって終わる。それ以上でもそれ以下でもなくて、ただそれだけで、私の世界にあなたはなくても良いのだと遠回しに突きつけられた証拠のようで、少し怖い。
 あなたの生活もきっと同じで、私がそこに入れなくても何も変わらないし、あなたはそのままだ。

 星が泣いていた、暗くてどこまでも飲み込む夜の宇宙は冷たいから、私の呼吸も止まりそうだった。止まってしまえば良かった。

 水は流れるだけで、夜は回るだけで、君の髪は指をするすると通り抜けていって、何も残らない。触れることすらできないものがあるのだと気付いたのは、私がこどもをやめきれないときだった。

 優しい冷たさが体に流れ込んできて、指先は冷たい。心はまだそのままで、爪先から頭の天辺までを満たしてくれるものを探しに行きたかった。早く、走らないといけないと思った、その時間すらもどかしくて、後ろなんか見ずに、ただ足を前に進めた。

 揺れる全てのものが、私の心と繋がっていて、それは不安定の安定で、手のひらからこぼれ落ちた、掬いきれなかった、本当は全部私が守りたかったものなのに。夢であって欲しかった、痛いほど思ったけど、もう届かない願いで私は濁り切っていた。

 世界をやめてしまえば、全てを放り出してしまえばよかった、私が見ているものは全てがはりぼてで薄っぺらくて、重くて輝いていた。どうしても、救われたいという気持ちを押し殺しながら今日も海に潜り込んだ。

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