2024年J2リーグ 第37節 清水エスパルス1ー0いわきFC
・前節勝てば無条件で昇格が決まる栃木戦、前半から相手の速いプレスと組織的な守備に苦戦を強いられたエスパルスでしたが前半終了間際から徐々に攻勢に出られるようになり、後半にセットプレーから生まれた住吉選手のゴールを最後まで守り切り2試合を残してJ1昇格が決まりました。
・この試合、昇格を決めたという意味では記憶に残る試合となりましたが、対戦相手の栃木は小林監督でした。小林監督と言えば初めてJ2降格した2016年シーズン、エスパルスを指揮していた監督であり最終節の徳島ヴォルティスで昇格を決めました。
・まさか昇格を果たしてくれた監督が率いるチームを下した上で昇格を決める・・・、栃木は負けたためJ3降格が決まる・・・というな何とも言えない複雑な印象を感じる試合でもありました。
・そしてもう一つは北川選手の報復行為による一発退場でしょうか、今シーズン、キャプテンとして、フォワードとして前線の選手として見方が点を取れるようにボールを収めたり、サイドに出てフォローしたりの攻撃面、守備面ではファーストプレスとして前線で縦横無尽に動き回りと、一時的には得点不足もありつつ結局は2桁ゴールを達成するなど今シーズンのエスパルスにおけるMVP的な活躍をした北川選手。
・そんな選手が結果的には昇格を決めた試合、自らの愚行でチームをピンチに陥れてしまう・・・、これも複雑な気持ちで観ていました。勿論本人がその行為に対する反省を一身に受けていると思いますし、キッカケとなった相手の危険なファールに対してのジャッジがなされないのも如何なものかという気持ちはあります。(試合全体に対する曖昧なジャッジにも・・・)
・しかし今シーズンにチームが上手くいっていない試合など、明らかなに必要のないアフター気味のタックルをしたり、試合相手に対してのリスペクトを欠いた態度を見せる等、北川選手のそういう未熟な部分に対しては危惧していた部分がある中でああいう行為をしてしまった。
・来シーズン、J1に定着しなければならない状況で必ずしも上手くいかない事は今シーズン以上に訪れます、その中で北川選手はプレー面に関しても精神面に関しても成長してエスパルスを引っ張っていってほしい!
・さて残り2試合、今節のいわき戦、最終節の熊本戦、2連勝すれば優勝が決まり、ホームで2試合出来るという意味では昇格は最低限ですがチームとして掲げていた「優勝」は必ずしてほしいです!チームとしては昇格出来れば後はどうでも良いと思っているはずもなく「優勝」という経験を苦しい中で手に入れるからこそJ1でも戦っていけると思っています。
・スタメンは今シーズン北川選手が出場停止のため前線が気になるところですが相手に合わせたシステムで言うとドウグラスタンキ選手の1トップでしょうか。権田選手がベンチ外の中で沖選手が栃木戦に続きスタメン、同じくベンチ外であった山原選手はベンチに復帰です。
・中盤からのメンバーは昇格後に変えてきました。トップ下には矢島選手でしょうか右サイドに久々の松崎選手、左サイドには西澤選手と今シーズンの固定メンバーからの変更がありました、しかしベンチには乾選手とカルリーニョス選手が控えており、徐々にチャンスを与えられた郡司選手も出番があればゴールが欲しいですね。
・試合は前半から相手のプレスに苦慮するのは前節同様、相手が人数をかけて自陣ゴール前まで迫っているのに無理やり繋ごうとして奪われる形が何度も・・・、ロングボールを蹴っても相手のボールになってしまうからだとは思いますがこの形で嵌められてゴールを決められるの今シーズン何度もあったのでビルドアップ時のエスパルスの形を研究されているのだなと思います。
・その点あまり改善されていないのはやはりどちらかというと個人技術に任せているのも大きいとは思います。やはりこのような攻撃の組立部分ではもっとちゃんとチームとして作っていかないとJ1では戦えないと思いました。J2では「個」で何とか出来てもそれ以上の「個」とそして「組織」があるJ1では絶対的に厳しいです。
・それでも前半終了にかけては徐々に相手のプレスや切り替え時に上手く剥がして前へ向きながらチャンスも作れていたのは良かったですね、この流れは前節の栃木戦と一緒で相手のやり方に対して修正出来ている部分があるのは後半に向けて期待はできますね。
・しかしながら後半になっても一進一退の流れはそこまで変わらずビルドアップ時の単純ミスはないものの、攻守における連携のズレが生じるのは選手が変わっているからか、この点組織的な決まりごとがキッチリしていないのかなと、個人技術で打開というのが一番にくるからだと思うが来シーズン整理してほしいところ。
・このままどちらにも決定的なチャンスがないまま終わるのかと思いきや終盤に入っての西澤選手の右からのコーナーを中村選手が頭で逸らし蓮川選手が頭で押し込み先制!蓮川選手は意外にもJリーグ初ゴールとなりましたがここへきて値千金のゴールでついに均衡を破る。
・その後は相手の攻撃を上手くいなしつつ守備的にはならずに最後まで攻撃への姿勢を崩さずアディショナルタイムも守り切りそのまま試合終了!他会場の横浜が引き分けたため残り1試合を残してエスパルスのJ2リーグ優勝となりました!
・試合内容に関しては思うところはありますが何よりもそんな状況の中で勝った事が一番うれしい、そしてその結果が優勝である事が最大の喜びです!今はその喜びに浸っていようと思います!
第37節終了時点での順位
25勝 8敗 4分 67得点 38失点 得失点差29 勝ち点79 1位(優勝)