#14 夏の土用

薬膳を勉強するまでは「土用」といえば、鰻を食べる程度の認識しかなかったのですが、土用は一年に四回あるのをはじめて知りました。
そして7月19日から8月7日の立秋までが夏の土用期間になります。その期間をうまく養生して乗り越えないと秋以降の体調に影響すると教わりました。
前回の#13でも書きましたが、雨中の農作業後に調子を崩しました。胃がシクシクと痛み、食欲がないというもの。吐き気もするので胃カメラ検査もしましたが結果は問題無し。薬ももらいましたが合わせて薬膳の先生にも進捗状況を報告して、診断をしてもらいました。
診断結果は、外湿が入り、肝鬱化火となり、胃熱を発したというもの。つまり、湿熱でした。早速、漢方薬を処方してもらいました。飲み始めて、不調は徐々に収まり、今は胃のシクシクはなくなりました。薬膳の講義で習った発病の三つの因子である「外因」によるものでした。季節毎におこる邪気がありますが、それは「六淫」といわれています。春は風邪(ふうじゃ)、夏は暑邪(しょじゃ)、長夏(梅雨)は湿邪、秋は燥邪、冬は寒邪、年間を通しては火邪がある。雨の中で作業した影響で湿気である外湿が入り込みました。
湿邪は重濁性と粘滞性、下注性があると教わりましたが、これらの特徴を文字で見るだけでも重く、ネバネバしていて、何も通さない、まさに雨でべったりと濡れてしまったTシャツや靴下のようです。すぐに着替えないと身体は冷えるし、あちこちに不調が起こしかねません。対策は解表と健脾化湿でしたがせっかく薬膳を勉強しながら対策がうまくとれていませんでした。
そして、今はまさに土用に入り、この期間をうまく乗り越えて秋以降を健康に過ごしたいと思います。薬膳の先生は常々、薬膳の醍醐味は「未病先防」と言われます。私のこの7月の胃の不調を良い教訓にして、未病先防として夏の暑さで不調を起こさないように薬膳茶、食材を選んでいき、夏の対策は次回のnoteで整理したいと思います。


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