#19 病気を引き起こす原因(病因)について③
少し前に同じタイトルで病因について書きましたが、今回はその三回目です。
今日は九月八日ですが、外は猛暑で農作業も大量の汗をかきます。
しかし、すでに暦のうえでは秋です。今年の立秋は八月七日でした。
今回は五行色体表では五季で「秋」、五気では「燥」に該当します。
今回は「燥」について整理したいと思います。
「燥」は秋の主気ですが、それが激しすぎたり、急激な気候変動があれば発病の原因となり疾病を引き起こし、「燥邪」となります。
最近は夏から秋を飛ばして突然に冬が来るような気候傾向にありますが、それでも空気中の水分が減り、乾燥した気候になります。朝晩に喉の乾燥を感じたりもします。初秋の残暑が残る時期に燥熱が加わると「温燥」、晩秋の冬の寒気が近づくと燥寒が加わり、「涼燥」となります。また、今日も大量の汗をかきましたが、体内の津液や陰血が消耗したために現れる現象として「内燥」がありますが、「津液不足」が原因で起きて「傷津」「傷陰」などとなります。
「燥邪」は体の津液を最も消耗させます。その症状として、鼻腔の乾燥や鼻出血、口渇、唇の乾燥や亀裂、咽頭が乾燥して痒いあるいは痛い、皮膚の乾燥やカサカサ、毛髪に潤いがなくなる、舌の乾燥などです。
私はその中でも唇の乾燥や亀裂、皮膚の乾燥が毎年気になります。
特に紙類をめくるときにうまくめくれない、ひどいときは指先から出血をします。
更に燥邪は肺を損傷させます。口や鼻から燥邪が侵入すると肺の宣発と粛降に影響を及ぼして肺津が消耗して、咳嗽・空咳(せき)や少痰や粘り気の強い粘着性のある痰が出る等の症状が現れると習いました。また更にひどくなると痰に血がにじんだり、喘息や胸の痛みを感じたりします。
しかし、このような症状が出るときはかなり進んだ状態でそうなる前に気づくことも必要です。薬膳の醍醐味である「未病先防」が必要となります。
辛い食べ物を控える、空気がドライになるので加湿器をうまく利用するなどです。
今、私は農作業やヨガの練習による大量の汗で失われる津液を生津したり、体にこもる熱を取り除くなどの効果のある薬膳茶を組むようにしています。
詳しくは、#18 薬膳茶を組んでいます を参照いただくとして、これから季節は段々と秋の要素が増えていきますので薬膳の知恵を使いながら、燥邪に侵されないように生活をしたいと思います。