銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(3) 量産型ひまわりの七日間
「観艦式を邪魔する意図はありませんでしたので」
淡々と答えるグリロット中尉に動揺した様子は見られない。僕の指摘にも答えは用意していたのだろう。彼は元々アリオロン軍の研究所に所属していた研究員だ。知的な人物とお見受けする。
「観艦式の映像はタロガロ基地でも確認できたはずです。それでは情報不足でしたか?」
「黙秘します」
「わざわざ領空侵犯した理由を教えて下さい。偵察の目的は何ですか?」
「黙秘します」
「あなたは連邦サイドの到着時間を計測していたのではないですか?」
「黙秘