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202406鑑賞ログ

 6月の鑑賞ログ。Filmarksはこちらから。
 タイトルの後ろの数字は製作年。ネタバレ含むので見たくない人は気をつけてね。
 記事内で用いている画像やあらすじは全部引用です。なにか問題などありましたらご指摘ください。
 先月の記事の終わりに「18TRIPにしっかり夢中になっているのでもしかしたら今後鑑賞ログで月に取り扱う本数ちょっと減るかも」と書いたんですが、なんか思った以上にその通りになりました。すみません。
 なので今月からはちょっとボリュームダウンしていくんですが、そんな感じなんだなあと思ってもらえると。
 あと今回ちょっと怖いサムネがひとつ入ってます! 気を付けてって言われても困るでしょうが、心構えをしておいてください。




6月のベスト

 6月はオペラ座の怪人!!! 劇場で観ることが出来て本当~~~に良かったです。ストーリーやキャラクターに感銘を受けたり共感したりはあまり出来なかったんですが、もーとにかく音楽と美術が強かった。演出も素晴らしい。


ベルリン・天使の詩(1987)

ベルリンの街は天使たちに見守られている。
彼らは人々の心の声を聞き、それぞれの苦悩に寄り添っていた。だが天使の一人ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は、永遠の霊でいることに嫌気が差し、人間になりたいと悩んでいた。ある日、サーカスに迷い込んだダミエルは、空中ブランコを練習中のマリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に恋をしてしまう。天使としての“死”を意味する事と知りながら、ついにダミエルは天界から降りることを決意する。

公式サイト

 さまざまなアーティストが曲名などのモチーフとして度々用いている印象のある作品だったので、前々からかなり興味のあった一作。
 「天使の世界をモノクロ、人間の世界をカラーで表現した壮大な映像詩」という触れ込みなんですが、まあ、この触れ込みに一切偽りなく詩の……映像作品でしたね……。
 私は映像のギミックとしてのモノクロ・カラーの使い分けがわりと好きなのですが、なんか……別に……それも刺さんなくて……世界観それ自体にあまり入り込めなかったせいかも。
 この監督の感情の変化の撮り方がとにかく平坦で起伏がなく、それが私にあんまり刺さらないのかもしれないです。テーマ的に絶対好きだろと思って観に行ったのになんかハマれなかった……やっぱ誰かが誰かを好きになる瞬間や「こんなの好きになっちゃうって~!!」みたいな積み重ねがないと、込められた意図を汲み取る前に立ち止まってしまうのかもしれないです。私の感受性や想像力が乏しいせいと言ってしまえばそれまでではあるのですが……でもやっぱ相性の問題なんじゃないかなあという気がします。
 映像美や言葉を語らない映像それ自体より、物語や登場人物の感情や動き方に重きを置いているんだろうな、という自分の好みの傾向を改めて把握することが出来たという意味ではまあ良かったです。
 散々書きましたが流石に画面はやっぱり美しい。モノクロの天使が巨大な偶像の前で佇んでいるだけで絵になる。


ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024)

自由気ままなフリースタイル・レースで、最強を目指して走り続けてきたウマ娘の少女、ポッケことジャングルポケット。
気まぐれに観戦した<トゥインクル・シリーズ>のレースで、フジキセキの走りに衝撃を受けたポッケは、自らも<トゥインクル・シリーズ>に挑むことを決意する。
ウマ娘たちの集う『トレセン学園』に入ったポッケは、フジキセキを育てたタナベトレーナーのもと、一生に一度しか挑戦を許されない『クラシック三冠レース』に挑む。そこに待ち受けていたのは、ポッケをもしのぐ実力をもつ同世代のライバルたちだった。 ひたむきな思いを胸に実直に努力を続ける、ダンツフレーム。自分にしか見えない『お友だち』を追いかけて走る、マンハッタンカフェ。そして、ウマ娘の可能性のその先を求めるマッドサイエンティスト、アグネスタキオン―― 自らの誇りと、意地と、魂をかけて走るウマ娘たち。熱く激しいその戦いが、新たな時代の扉を開く。
「誰が相手でも関係ねえ! 俺は最強のウマ娘になってみせるぜ!!」

公式サイト

 すっっっっっっっっっっっごい面白かった……!!
 原作はちょっと触ったことある程度だったのですが、アニメーションとスポーツという二つのものが持つ熱の最高峰をこれでもかと詰め込んだ、本当に熱い一作でした。上映中その光に当てられてずっと泣いていた気がする。
 いや本当あんまり面白くって、エアプなのに冒頭十分でもうありえないくらい泣いてたもんな。こんなの……こんなのみんなフジキセキ先輩のこと好きになっちゃうよ!! あまりに眩かった。
 作画がものすごいんですよね。ひとつの映画の中でここまで線の太さ自由にしていいんだ……!! って素人目にも思ってしまうくらいアニメーションの自由度も高くて、なのにそれらの描写はなにひとつ破綻せず彼女らの放つ輝きをこれでもかと描き切っている。
 シンプルにどこの仕事を取り上げても完成度が高い! 3Dモデルも全く違和感なくかっこいいし……こんなに動いているのにすごい。美少女の顔に泥や礫をぶつけることを一切躊躇しない、泥臭い熱さ。かっこい~~~~。
 ウマ娘自体は美少女コンテンツの側面もしっかり持っており、それらの要素は彼女らの競争部分を阻害しないんですが、どうしても露出の多い勝負服などの扱い方・映し方にはかなり四苦八苦したのであろうことが特定のシーンでかなり伝わってきてウケました。難しいよね……アツいスポーツドラマであることと美少女コンテンツであることの両立……。
 でもとにかく今作はウマ娘たちの本能である「走る」ということに焦点を絞り切った作品で、不必要な場面において性的に映ってしまいかねない表現は、可能な範囲でとにかく削ろうとしている姿勢が窺えるのも好印象でした。
 とりあえずウマ娘のことどうしても無理って人以外はオタクはみんな観に行って損の無い作品だったと思います。本当ーーーーーーーーーーーに面白かった。
 今年のアニメ映画でこれ超える作品出てくんのかなあ……そういう意味でもまどマギと忍たまへの期待が高まりますね。


回路(2000)

会社にこない同僚・田口の家を訪れたミチ。憔悴しきった様子の田口は、ミチが目を離した隙に首を吊ってしまう。ミチの周りで異変はこうして始まった。一方、インターネットを始めたばかりの亮介。深夜、亮介のパソコンが突如、とあるサイトにアクセスし…。

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 本当に申し訳ないんですが、こちら配信で見ており……このときってちょうど……なんかエイトリで頭が沸騰してて……もう全然集中できなくって……ずっとエイトリ回しながら見てて……全然いかがわしいことばっかり考えてて……私……私は……ゴミカスです。
 世界が実はもう詰んでる系のホラーだという前知識を入れた上で鑑賞(の真似事)をしていたんですが、なんかそのへん全然汲み取れなかった。最低。
 でもあの頃の邦画ホラーの空気感がしっとり漂ってたのと、当時のインターネットの立ち位置が窺えるのが面白かったです。画面もすごく良かったし。
 本当にちゃんと……良かったので……今はもうわりと落ち着いたので、もう一回ちゃんと見たいです。本当に反省しています。
 インプットどころじゃないときに映画なんか見たって意味ないんだよ……!!


オペラ座の怪人(2004)

刺激と絢爛、情熱の時代であった19世紀パリ・オペラ座では仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。
ファントムは若く美しいオペラ歌手クリスティーヌに才能を見出し、彼女に音楽の手ほどきをし、クリスティーヌはファントムを“音楽の天使”と信じてプリマドンナへと成長する。
幼馴染の青年貴族ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心を惹かれていくが、ある日ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
一方怪事件が続くオペラ座では、ファントムを捕まえようとラウルたちが立ち上がる——。

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 めちゃくちゃ面白かった~~~~~!!!!!!!
 本作も冒頭十分で観客の心をがっちり掴んでくるタイプの作品。
 有名作だし見たことないし一回見てみたいなあくらいの気持ちで足を運んだんですが、もうとにかく演出がかっこよくって……!!
 物語は「とある事件」が収束して相応の月日が経ったパリのオークション会場から始まるのですが、そのうちのひとつであるシャンデリアが現れた瞬間、誰もが知っているあの「オペラ座の怪人」のメインテーマが荘厳に鳴り響く。モノクロだった画面が鮮やかに色づき、正しく舞台の緞帳が上がる。こんな物語の幕開けワクワクしないわけないじゃん……!!
 ここがとにかくドストライクだったせいで、この先どんなにこの作品が合わなかったとしても観に来たことを絶対後悔しないな……と確信しました。
 実際なんかストーリーとキャラクター自体はそんな刺さらなかったんですが、ところどころNTRバトルみたくなってて面白かったです。クリスティーヌが信じられないほどナチュラルにファントムの顔の悪口言うの笑っちゃった。言うなよそんなこと。
 あと執拗にオペラ座に給与を要求するファントムにも結構声出そうでした。冷静に考えるとちょっとおつらいシーンではあるんですが、あんまり俗世っぽくて。まあね、お金は大事だよね。
 誰の気持ちもあんまりよくわかんなかったし共感もできなかったんですが、とにかく音楽と美術と衣装がもんのすごいのでオールオッケー。ミランダ・リチャードソンもべらぼうに美しいし。オペラ座の怪人のメインテーマのちょっとロックな感じのアレンジがあったのも面白かった。
 いや本当劇場で観ることが出来て幸いでした。


天使にラブ・ソングを…(1992)

ウーピー・ゴールドバーグ主演の人気コメディ。
ギャングに命を狙われ修道院に匿われることになったクラブ歌手のデロリスが、堅苦しい修道院の中で変革を起こしていく姿を描くハートフル・コメディ。

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 言わずと知れたド名作。
 実際私も見るのは何度目かわからないんですが、こちらはしっかり鑑賞したので一応。初見だったら今月ベスト間違いなくこれだっただろうな。
 天使にラブ・ソングを…はHail Holy Queenの合唱シーンだけでもうあとはどんなにドブでも問題ない勝ち確みたいな映画なのですが、それ以外もしっかり面白いからこその名作。
 コメディと愛と優しさで作られているので、見ていてあまりストレスを感じないんですよね。いやデロリスは修道院と相性最悪にせよもっと命が危ない人間だという自覚を持った行動をしろよとはかなり思うんですが、個人的にはまあまあ許容範囲内。悪役側がみんな妙に信仰心篤いのもコメディに味を足してくれている。時代柄なんですかね?
 本来もっとハラハラさせられるようなシーンでも、音楽などを使ってしっかり「ここはコメディと捉えて鑑賞して大丈夫」というのを演出で分かりやすく伝えてくれるので、安心して見ることが出来るのも嬉しいところですね。
 相性最悪だったデロリスと院長が絆を育んでいくシーンも嬉しい。美しくもあるんですが、何よりも嬉しさのほうが勝るのは、やはり観客側としては二人とも決して悪い人間ではないことはよくよくわかっているからこそというか。正反対のふたりがお互いを認め合うようになるやつなんてみんな好きなんだから。
 
あと院長役のマギー・スミスがとにかく美しい。この人はちょっと神経質っぽい善を信じる人をやるとぴたっとハマる印象です。後半になってお茶目さとか添えられるともうたまんないですね。
 何度見てもやっぱりHail Holy Queenがダントツに美しい。あんなに俗世に寄っているのに、その響きは間違いなく天上のそれで。
 色褪せない作品です。


エイリアン(1979)

宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない…。
全世界を震撼させたSFホラーの金字塔。衝撃の第1作!
地球への帰路を急ぐ宇宙船ノストロモ号に、謎の異星人(エイリアン)が侵入した。姿を見せない敵は本能の赴くままに一人、また一人と乗組員の命を奪っていく。未知の進化を遂げた生命体には人類の持ついかなる武器も通用しない。閉鎖された宇宙船内で、姿を見せぬ完全生物とだた一人生き残ったリプリーとの絶望的な闘いが始まろうとしていた…。

公式サイト

 たぶん出産シーンが一番有名なやつ。宇宙っぽいものが見たくなり、とりあえず有名どころで配信のあったこれをチョイス。
 SFや宇宙関連の作品には本当、本当~~~に詳しくないのですが、人類が月にその軌跡を刻んでから十年後にはもうこういう作品が出てくるんだなあと思うとなんだか感動します。
 まあでも世界初のSF映画である月世界旅行が出てきたのが1902年だということを考えると、憧れと幻想を宇宙に抱き続けている熱量のある人間は絶えずいたということで、それもなんだかロマンチックな話に思える。
 閑話休題。
 なんか思ってた方面とは違う話・違う展開で面白かった! ホラーの演出や方向性については、「ぬるぬるしている未知のものはなんか気持ちが悪い」という方針があったんですかね?? 気持ち悪いものみんなぬるぬるべたべたしててウケた。なんかアンドロイドも出てきたと思ったら何故かこいつもぬるぬるしだすのはホラー演出の芯が一貫しすぎているだろ。
 終始やるなやるなそんなこと! っていうことをやるほうの行動が尊重されて、正しい主張をする人の言うことが全然聞き入れてもらえないのなんでだよ!? って思ってたんですけど、思わぬ方向からしっかり理由付けがされてウケました。
 1979年当時に思い描かれていた近未来の描写が見ることが出来るのも興味深かったですね。たぶんまあまあズレているはずなのに、「近未来」っぽさはちゃんと汲み取れる不思議。なんでだろう???
 ホラーとしてはそんなに怖くなかった(作品の古さもあるでしょうが、私はやっぱりコズミックホラーを怖がる才能があまりない……)んですが、例の出産シーンが確認できて良かったです。
 終盤、手に汗握る展開が続いたのも目が離せなくて飽きませんでした。あそこから猫と生還できるルートあるんだ。


総評

 もう完全に一身上の都合で鑑賞にろくに集中できてないことまであり、反省しきりです。
 今月でわりと何をしていても手に付かないみたいな状態からは脱したので、見る本数減らすにしてもちゃんと集中して見るように心掛けます。お恥ずかしい……。
 観たいものね……たくさんあったはずなんですが、もー追い切れないだろうな……完全にキャパ足りなくなりました。もともと複数のことを同時にこなすのはすごく苦手なタイプなのですが、マジで手も目も頭も時間も全部足りなくなった感じ。生活と労働をこなして残る余暇に趣味をそういくつもぶち込めなくってえ……。
 泣き言ばっかりですみません。でもこうして映画観て鑑賞ログ書いて、というサイクルを止めたくはないので、可能な範囲でぜんぶやります。
 月に3本以下しか観なくなったら、もうちょっと詳細に感想や内容を記載した単独記事とかにするかも? まあまあ臨機応変に。
 いうて今月は名作ばっかり観て、それなりにエンジョイしてました。
 天使にラブ・ソングを…はまさかD+から出してもらえるとは思ってなかったのでアマプラに来てビックリでしたが嬉しい。オペラ座は当時の人が劇場で受けたであろう衝撃をそのまま受け取れた気がして楽しかったなあ。
 2001年宇宙の旅とかもなんとかして見たいんですけど、こっちもなんかの間違いで見放題下りてこないですかね。
 バカのド文系でも楽しめるおすすめのSFなりコズミックホラーなりありましたら、ぜひぜひ教えてください。

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