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202405鑑賞ログ

 5月の鑑賞ログ。Filmarksはこちらから。
 タイトルの後ろの数字は製作年。ネタバレ含むので見たくない人は気をつけてね。
 記事内で用いている画像やあらすじは全部引用です。なにか問題などありましたらご指摘ください。
 思い返すと4月もそうだったんですが、5月は邦画をわりと多く観ていた気がします。わりと洋画贔屓の気があるほうなのですが、見応えのある作品が多くて良かった。
 あとなんか変なホラーをそこそこ観ていましたが、この手の作品はやっぱり何も考えずとも元気が貰えてありがたいですね。




5月のベスト

 5月はミッシングが一番でした。これはもう揺るがない。変なホラーばっか観てたせいという説もありますが……そういう相対的な評価を抜きにしても、こちらへと訴えかけてくる力をとても強く感じる、ものすごい熱のある作品でした。


ロンドンゾンビ紀行(2012)

祖父が入居する老人ホームが立ち退きの危機にあるのを知り、それを回避するのに必要な金を得ようと銀行強盗を目論む兄弟。だが、ロンドンの街にゾンビが大量出現する。祖父を助けようと老人ホームに向かうが、瞬く間に周囲をゾンビ軍団に囲まれてしまう。

Amazon Prime

 見たい見たいとは思いつつなんとなくタイミングがなかったところ、好きなVtuberである名取さなさんが同時視聴枠を取ってくれたのでこれを機に鑑賞。

 同時視聴向きの作品で楽しかったですね!
 このへんの年代で従軍経験のある欧州の人間が出てくると、十中八九ドイツ兵が悪役としてぶちのめされているのが役割として面白いです。これは歴史を繰り返さないよう、彼らの所業が肯定的に語られることのないようにというものでもあるのでしょうが、ここまで悪役を一手に担ってるのって本当にドイツ兵だけなので……。前も似たような話してたらすみません。
 ゾンビ特有のゾンビウォークでこちらに向かってくるゾンビVS歩行器を使ってエッサホイサと逃げる老人という、そんなのどう見ても面白いに決まってるだろみたいな図がちょいちょいあるのが楽しいです。
 もちろんやたらに強いジジイも大活躍。嬉しいもの全部入ってる。
 もうほとんどテロリストなのかな? みたいな量の武器を一人で集めてるイカレが一人いるんですが、こいつの異常さだけ明らかに頭一つ抜けているのにロンドンも異常事態に陥っているため何故かこいつが英雄として輝き始めるのがおかしい。平時なら一生檻の中にいてほしいのに。
 オチも爽快で良かったです。


パリ、テキサス(1984)

4年前に妻子を捨てて失踪した兄トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)が“テキサスの砂漠で見つかった”と連絡を受けた弟ウォルト(ディーン・ストックウェル)は、兄を引き取りLAに戻った。息子ハンターと再会したトラヴィスは、弟の妻アン(オーロール・クレマン)から、トラヴィスの妻ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)から息子宛に送金があると知らされる。トラヴィスは息子と共に、車でジェーンがいるヒューストンに向かう。

午前十時の映画祭より

 当時のカンヌで最高賞たるパルム・ドールを受賞したロードムービーの傑作、ということで午前十時の映画祭で上映されており鑑賞。
 パリ、テキサスというよりは同監督の作品である「ベルリン・天使の詩」のほうに興味があり、ついでにこっちも予習として足を運んだ感じです。
 いやもー全然、笑っちゃうくらい合わなかったです!! ウケた。
 そもそも私が朝鬼弱いので、午前十時の映画祭の時間帯だと前提として基本めっちゃ眠い、という状態なのも良くなかったですね。パルム・ドール獲ってるタイプの作品を朝一番に観に行く、この行為自体が過ちであったと言われると反論ができない。
 息子が出てくるまでは退屈、というのは聞いてはいたのですが、も~~~~この雄大なアメリカの大自然をバックに……ゆったりとしたテンポで起伏の平坦な物語を148分たっぷり……みたいな作品をね、朝弱い人間が観ちゃだめですね。もう上映中本当にずっとあくびが止まらなかった。
 それでも登場人物の誰かに共感したり好きになれたりしたら良かったんですが……子どもをこさえたはずの良い大人二人が揃って育児を弟夫婦に押し付けて逃げてて……全然好きになれなくて…………。
 なんで砂漠の真ん中でぶっ倒れてた育児押し付けクソ兄貴を文句も言わず優しく迎えに来てくれた弟に対してろくに口も利かねえわ逃げようとするわ移動手段にケチつけたりできるんだよ……!?
 マジで肝心の主人公とそのヒロインに全く共感できず、終始周りを巻き込んで迷惑を掛けているだけで、こいつのどこが良いんだとしか思えなかったです。
 二人とも親になってはいけない人物なんですが、額は不定とはいえ毎月仕送りをしていた分まだヒロインのほうがまだマシかな……。
 避妊もせず無責任に子ども産んでほっぽって別個に蒸発した大人二人の愛って、マジで興味をもてない。そうなんだ。養育の義務放って楽しそうっすね。
 二人の息子は聖人である弟夫婦がしっかり育ててくれたおかげかすごく良い子なんですが、それだけに作劇の都合上大人にとっての良い子にされていた印象が拭いきれなかったです。


黄龍の村(2021)

夜の街でキャンプに行こうと盛り上がる北村優希、村井孝則、鈴木うらら、遠藤なごみ。 翌朝、梶原健人、工藤啓作、谷村真琴、谷村睦夫も加わりレンタカーでキャンプ場に向かう8人の若者たち。 途中 BBQ を楽しんでから宿泊するキャンプ場へ向かうことに。 北村優希、村井孝則、鈴木うらら、遠藤なごみの4人は若者らしくハイテンションで楽しみ、逆に梶原健人、工藤啓作、谷村真琴、谷村睦夫の4人は静かに楽しんでいた…

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 面白すぎる!!!!!!!!!!!!!!
 パルム・ドール作品を散々言った後に黄龍の村を大絶賛するこの行為、食品添加物と塩分に舌をやられた人間の末路って感じですごい嫌なんですが、でも面白かったんだから仕方ない。
 しょうもなB級ホラー鑑賞会の第一作としてフォロワーと一緒に見たんですが、これも誰かと一緒に見るのが一番面白いタイプの作品でものすごく楽しめました。全然金払って見ても後悔しなかったと思う。
 前半はいかにも死にそうなパリピ集団と因習村っぽい村というこの手のB級ホラーにありがちな取り合わせで話が進むんですが、パリピ集団のリーダーがあっさり殺されたところでパリピ集団の中に潜んでいた陰キャメンツにメインがスイッチ。
 彼らの存在はちょくちょく違和感として演出されてはいたんですが、まさか彼らがそもそもこの村を滅ぼすためにパリピ集団に紛れていた暗殺集団とは……いやそんな男子中学生の妄想みたいな展開わかるわけないだろ!!
 ちらちら見せつけられる謎のお色気シーン、杜撰な因習村によくわからん新興宗教カルトなどこの手の映画に欲しいものは盛り込みつつ、全く見たことのないラノベ系イキリ陰キャの俺TUEEEEホラーとして成り立っています。
 ものすごい変な映画なんですが、構成が妙に綺麗なのもこの作品の味に深みを添えている。この作品の深みって何?
 でもマジで声出して笑うシーンがたくさんあって、最高の映画でした。


“それ”がいる森(2022)

田舎町でひとり農家を営む田中淳一(相葉雅紀)は、 元妻・爽子(江口のりこ)と東京で暮らす小学生の息子の一也(上原剣心)が、突然ひとりで訪ねて来たのをきっかけに、しばらく一緒に暮らすことになる。 ちょうどその頃から、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、淳一が住む町でも、住民の不審死や失踪事件が相次いでいた——。 そんな矢先、淳一と一也も偶然得体の知れない“それ”を目撃してしまう。 「 “それ”の正体とはいったい——!?」 淳一は一也の担任教師の絵里(松本穂香)とともに、怪奇現象に巻き込まれていくが、それは未知なる恐怖の始まりにすぎなかった——。

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 しょうもなB級ホラー鑑賞会での記念すべき第二作目。
 これもてっきり田舎の森に棲みついた怪異とか、和製ITみたいなそっち系のホラーかと思ってたんですが……なんか……ものすごく良いように言えばコズミックホラーっていうか……いやでもこれをコズミックホラーって称するとその道の人に怒られそうなんだよな……正当すぎる怒りなんだけど……。
 ITをSFっぽく解釈して、家族ものの和風に仕立て上げたらこうなりそう。まあそれって全然ITじゃないんですが。ITってちゃんと怖いし。
 もう全然怪異とかじゃなく地球外生命体の話であることが序盤から打ち出されていくんですが、マジでそれが恐ろしいほど全然怖くない。なんか……変。なに? これ。なんか毒オレンジみたいなので対抗できるし、エイリアンの口はどう見ても女性器だし。変なの。
 格安パニックホラー宇宙味みたいな出来のわりに、視聴者としてはやられるとしっかり嫌な展開は的確に踏んでいくのも謎に不条理で面白かったです。なんで?
 バカみたいなクオリティで描かれるオチも良かった。
 鑑賞直後は本当に金払わずに見て良かったとは思いましたし、これも誰かと見るのがおすすめのタイプではあるんですが(一人ではツッコミが追いつかないため)、かなり楽しめはしました。
 宇宙味のホラーならなんでもいい人にはおすすめ。


岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023)

特殊能力を持つ、漫画家・岸辺露伴は、青年時代に淡い思いを抱いた女性からこの世で「最も黒い絵」の噂を聞く。それは最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は取材とかつての微かな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館職員すら「黒い絵」の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる…

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 ドラマ自体は全編見てたんですが、映画のほうは見る機会をなんとなく逸していたところ主演二人がご結婚ということで記念に鑑賞。おめでとうございます。
 まー相変わらず良く出来ている作品ですね! ドラマの世界観に合わせた原作の解釈・再構成がとにかく上手い。短編の話を映画の尺にするためにオリジナル要素が多数加えられていますが、そのどれもに違和感が無い。鑑賞後にいい加減原作買って読んだんですが、よくもこの尺の物語をここまで広げられたなあと感心しました。
 この作品を貫く一つの軸として「黒」が設定され、原作より一層強調する形で黒が用いられているのですが、その多彩さが美しい。黒が多用されていても見づらいことはないのがさすが。
 奈々瀬役の方もお綺麗で、衣装や立ち姿など、むしろ映画の方が彼女らしく見えるような、そういう不思議な印象を抱きました。
 開幕の故買屋のくだりなどは完全に映画オリジナルでしたが、泉編集にその収穫を見せるところまで含めて露伴らしいエピソードになっており大変良かったです。
 ロングショットや変わった構図の場面も多くあり、フランスやルーブルの美しさを楽しめるところも本作の魅力の一つ。
 さすが露伴の担当編集という貫禄を見せる泉編集の思わぬハイスペックぶりや鈍感さなどを描いた上で、父親のエピソードを盛り込む繊細さが素晴らしいですね。あそこで泉編集の優しさと寄り添いを見せる演出、こっちまで泣いてしまう。
 若かりし露伴はちょっと弱々しすぎかなと思いつつ、奈々瀬に対する露伴の態度はこんな態度も取れるんだ……! と驚きました。露伴先生って本当に年上の女との縁がある。最終的には男子高校生に夢中なのに。
 彼女の姓は実は、というオチが血という繋がりの深さ・逃れられなさを表しているようで好きでした。
 面白かったしすごく楽しんだけど、終始ゆったりめのテンポで進む作品なので少し冗長ではあるかも。


ミッシング(2024)

とある街で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、 夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。 唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。そんな中、娘の失踪時、沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、 いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。
一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、 沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。
それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。 その先にある、光に——

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 市子然り、最近の邦画って、こういう本人たちにはもうどうしようもない苦しみを切り取ったものをものすごく丁寧に扱って撮り上げるのが上手い気がします。
 あらすじ通りの苦しい題材なんですが、登場する全ての立場に誠実であろうという真摯な姿勢を強く感じました。この手の作品ならまず安易なオチはつけないだろうとある程度わかった上で観ていたのですが、それでもつらい。
 とにかく石原さとみの演技が凄まじい。今まで彼女が演じてきた作風とはかなり異なるキャラクターが、相当の熱で以てそこに表現されている。監督が「石原さとみは本物だったんだと感じてもらえれば」というようなことをパンフレットで述べていたが、まさにという感じ。
 こう言ってしまうのも苦しいですが、いかにも犯人のような、幼い女の子を狙う犯人像として世間が求めたくなるポジションにいる弟の存在が見ていて本当につらくなる。もちろん石原さとみはものすごかったですが、この作品は彼の存在なしには成立し得なかったでしょう。
 彼が犯人ではないことなんて、最初からわかるんです。あれだけ参っていて、周囲とどんどん険悪になっていってしまう主人公が、しかし一貫して弟を犯人や容疑者としては扱わない。決して。それだけでもう充分すぎるくらい、弟が犯人ではないことはすぐにわかる。
 それでも映画を観ていると疑いたくなってしまう。
 容姿のことを抜きにしても、彼は実際挙動不審だしコミュニケーション能力にもかなり問題がある。事件と直接の関係はないにせよ、後ろ暗い部分を抱えてしまっているのも良くなかった。
 彼のキャラクターや行動原理についてはおおよそ予想がついていたんですが、後半で明かされる、彼が背負ってきたものについては全く想像が及ばなかったのでショックでした。人間の想像の都合の良さを突き付けられたようで。
 主人公は終始かなり参ってしまっており、匿名の誹謗中傷をついつい見てしまったりレスバしようとしてしまうんですが、これ自体も「そうなっちゃう人がいるのも仕方ない」という気持ちになります。
 匿名の誹謗中傷を見に行ってしまうのは、「どうしても気になってしまう」のもそうでしょうが、「自分たち以外で事件について話しているのが世間ではもうそこだけだから」という部分もあるのだろうと思うとやっぱり責める気にはなれないんですよね……。
 勧善懲悪というわけではないんですが、作中意外と収まるべきところに収まっているところに優しさというか、ひとつの祈りを感じました。
 優しさを持ちたいと思わせてくれる作品。


異人たち(2023)

夜になると⼈の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに⼀⼈暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、偶然同じマンションの謎めいた住⼈、ハリー(ポール・メスカル)に出会い、ありふれた⽇常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるに従って、アダムは遠い⼦供の頃の世界に引き戻され、12 歳の時に交通事故で亡くなった両親(ジェイミー・ベル、クレア・フォイ)が、そのままの姿で⽬の前に現れる。想像もしなかった再会に固く閉ざしていた⼼が解きほぐされ、代え難い安らぎの時を過ごすが、その先には思いもしない世界が広がっていた…

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 特に前情報はあまり入れないまま鑑賞。原作も未読です。
 少々複雑な設定が行き来する作品にも関わらず、かなりぼんやりしながら観てしまっていたので「両親は死んでいる」という前提を私がどこかで曲解してしまっていないよな!? と上映中はらはらしてました。
 主人公が通う場所の正体、そこで彼が目にするもの自体は彼の都合の良い幻覚でないということは両親(特に母親)に自分の性指向を明かした際の反応から窺えるので、それだけにそれでもと彼がそこに縋った姿にじんときた。
 目には見えなくとも確かにそこにある愛の話なのであろうと受け止めながら観ていたので、オチで結構ビックリしました。
 始めから彼はあのマンションにひとりきりで、しかしあの場所で得たものは夢幻ではないはずで、それなのにそれを証明する手立ては何もなく、どこか現実に突き放されたようで切なかったです。
 すみませんただでさえあんまり集中できてなかった上どうしても尿意に勝てなくて途中退出したりしたので結構ふんわりした感想になってます。でも劇場内わりと寝てる人多かった。まあそれより泣いてる人のほうが多かったんですが。本当にすみません。
 ぼんやりしてたなりにちゃんと面白かったので、機会があったらリベンジしたいです。


碁盤斬り(2024)

浪人・柳田格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、 娘の絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。 しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けている。 ある日、旧知の藩士により、悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進と絹は、復讐を決意する。 絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び……。父と娘の、誇りをかけた闘いが始まる!

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 「最近ヒカルの碁読み直したしな」という勢いで鑑賞。
 いわゆる時代劇をきちんと見たのは初めてだったんですが、さすが京都の撮影所を使用して撮影されただけあり細部まで作り込まれていてものすごく見応えがありました。どこに視線を向けても目が楽しい。
 元ネタは落語ということもあってか、正直何と言っているのか聞き取れない単語も複数あったんですが、問題無く話の内容は理解できた……はず。
 囲碁も思ったよりしっかり話の筋に関わってくるんですが、囲碁について知らなくとも全く問題なく楽しめました。もちろんわかっていたらより楽しいでしょうが。少なくともヒカ碁読んでるだけだと碁の部分はそんなわかんなかったですが、でもヒカ碁読んでるから楽しみ方はわかる。
 話の筋も素直な人情噺+復讐劇で、最後におおよそは収まるべきところへ収まり、エンターテイメントとして一定の満足感が得られるつくりになっています。結構作中やることが多いので、気持ちとしてはハラハラさせられるんですが今思い返すとそれはそれで楽しかった気もする。
 主演の草彅剛を始めとしたキャスト陣の名演も素晴らしく、特に草彅剛が演じる朴訥しながらも武士としてのプライドを芯に持っている実直な主人公がかっこよかったです。草彅剛こんなに演技上手いの知らなかったのでビックリしました。
 萬屋の主人との絆の深まり方がすごくて、なんだこのBL!? と思いながら見てたらパンフで「あそこは萬屋の主人の片思いみたいなうきうきした感じで」みたいな言及があり、やっぱそこってそうなんだ……と着席できました。


ウィジャ・シャーク2(2021)

ウィジャ盤の力で地獄から召喚された無敵の幽霊ザメ「ウィジャ・シャーク」との激闘から数ヶ月。オカルトマスターのアンソニーはサメとの戦いの果てに地獄を彷徨っていた。彼を復活させるべく家族や仲間がその方策を探る一方、地獄の支配者である悪魔カルドゥーラはサメを現世に解き放ってしまう。巨大化し街をも破壊する力を得た幽霊ザメに人類は成す術もなく蹂躙されるが、アンソニーにはある秘策があった……!唸れ!サメはめ波!輝け!ミスティック・シールド!オカルト殺法で再び敵を打ち破れ!

ランドシャークプロジェクト

 前回ウィジャ・シャークを見たメンツと鑑賞。
 普段私は初見の感想をわりとしっかりFilmarksに記載しておくタイプなんですが、この作品については感想を読み返そうと該当のページを開いたところ「眠かった」としか書いてありませんでした。それが答えです。
 本当にこの作品に続編を作らせて……良かったのだろうか。
 でも日本のサメ映画フリークたちがウィジャ・シャーク2を撮らせてしまったことは確かなので、そのことだけは忘れず胸に刻んでおこうと思います。
 なんか前作と違って最初からちゃんとサメが出てくる分、ブチ上がり方も小さくなってしまったというか。幽霊ザメはかわいいんですが。
 ウィジャ・シャーク2なんて前作見た人間しか見ないので、妙にレビュー高めなのも面白かったです。やっぱね、他人の数字なんて信じちゃいけない。


いつだってやめられる 7人の危ない教授たち(2014)

研究に人生を捧げてきた神経生物学者のピエトロ。しかし、彼は大学から研究費を打ち切られたことで路頭に迷う羽目に陥ってしまう。そこで彼は自分の知識を活かした合法ドラッグ製造で一儲けしようと、同じ処遇の学者を集めて犯罪集団を結成する。

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 フォロワーが楽しそうに見ていたので、後追いで鑑賞。
 いわゆるポスドク貧乏に喘ぐ人たちの話なんですが、この手の話って十年以上前から世界中どこも一緒なのかと思うと世知辛すぎる。
 報われない頭脳を集めたアッパー系犯罪コメディかと思ったら、しっかり途中途中で「麻薬は良くない」という本当に当たり前の布石が打たれていき、最後にはきちんと収まるところに収まる気持ち良さと「それはそうだよな」という納得がある作品でした。ちゃんと面白がっていいなと思えるところにギリギリで落とし込まれている……のか? そのラインの危うさも含めて面白かったです。
 みんなそれぞれキャラが立っていて、わりと急に七人揃うんですがそれでもなんとなくどれが誰か覚えられる。
 続編でなんか人が増えているらしいので、続きも気になる。


総評

 5月、観たいものそれなりにあったはずなんですが結構取りこぼした気がする。バジュランギおじさんと小さな迷子、結局全然間に合わなかったし。悔しい。
 どれもすごく楽しくはあったもののなんか変な味の作品が多めだったので、今月はもっとこう、正統派っぽい作品をちゃんと観たいですね。
 劇場でもまあ集中してないときはしてないんですが、それでもやっぱり家で見るときよりはちゃんと見てるので、今後も映画館には通いたいです。オペラ座の怪人は絶対観る!
 それはそれとして軽い気持ちで始めたソシャゲこと18TRIPにしっかり夢中になっているので、もしかしたら今後鑑賞ログで月に取り扱う本数ちょっと減るかもです。すでにあんまり先々の公開情報を今までに比べると拾い切れていない……ところでラストマイルの言う夏ってどのあたりの月を指してますか???
 18TRIPについては先の記事でもその福利厚生っぷりを取り上げたんですが、基本的には生活に無理なく寄り添ってくれるタイプのゲームなので、無理のない範囲で両立させたい……映画ネタ多いコンテンツでもありますし。
 「継続」に一番重きを置いているので、全部できるようにがんばります。やれる範囲で!

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