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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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202401鑑賞ログ

 この1月は自分比そこそこ映画を観たので、その記録。記録いうてもFilmarksのほうで星での評価は付けてるので、そっちのほうがぱっと見としては早いです。
 タイトルの後ろの数字は製作された年。ネタバレ含むので見たくない人は気をつけてね。
 記事内で用いている画像やあらすじは全部引用です。なにか問題などありましたらご指摘ください。



1月のベスト

 間違いなく市子
 今月はゴールデンカムイが一番良かったな〜とほくほくしていた横っ面をひっ叩かれるような衝撃だった。
 信じられないくらいぼたぼた泣いた。
 これを書いている時点ではまだカラオケ行こ! は未鑑賞なのだが、さすがにもう動かないであろう。
 作品の詳細などについては後に回すが、杉咲花という役者のことを何一つ知らなくとも、この作品一つで畏怖の念を抱くに足る一本だった。
 本当に凄かった。

この世界の片隅に(2016)

どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。
昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。
だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。

公式サイト

 配信で鑑賞。今年最初の一本だった。
 名作なのはわかっていたのだが、見る機会を逸し続けていたところをフォロワーに背中を押してもらったので勢いで鑑賞。
 ものすごく面白かった。
 日本アカデミーで賞を獲ってるのも頷ける。そりゃそうすぎる。私以外の人みんな知ってたこと今更すんませんほんまに。
 ただ当時の上映時、結構たくさんの人がリピートしていた印象があるのだが、よくこれを何回も観られるな……とも思った。もちろん面白いけど、取り扱っている題材……というよりも年代的に、あまりにキツい。
 この作品がどれだけ丁寧に作られているかを知るたび、感動するのと同じくらいに打ちのめされてしまう気がする。 何度も見たい人の気持ちもわかるような気がするのに、何度も見たくはない……という気持ちも確かにある。
 すずさんはぼーっとしたすずさんのまま生きて死ぬことはできなかった。そのことはどうしようもなく悲しい。けれどその心根が損なわれはしなかったことに、どうしようもなく救われてしまうような心地がする。
 時代の濁流に押し流されながら、傷ついて泣いて失って苦しみながら、それでも確かに笑うすずさんの姿が何度でも胸を打つ、そういう作品だった。


サンクスギビング(2023)

感謝祭(=サンクスギビング)発祥の地マサチューセッツ州プリマス。一年に一度の祝祭に沸き立つ人々だったが、突如、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が起こる。その後も一人、また一人と消えてゆく住民たち。彼らは皆、調理器具を凶器に、感謝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残酷なやり方で殺害されていた。
街中が恐怖のどん底に突き落とされるなか、地元の高校の仲良しグループのジェシカたちは、ジョン・カーヴァーを名乗る謎のインスタグラムの投稿にタグ付けされたことに気づく。そこには豪華な食卓が用意され、自分たちの名札が意味深に配されていた……。

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 映画館で鑑賞。B級ホラー枠。
 そこそこ面白い。いかにもな煽りのわりにストーリーの組み立てが意外としっかりしてるので、ちゃんと見るとそれなりに楽しめる作品。
 R18指定なので、レーティング相当のゴア描写がちょろちょろ。濡れ場らしい濡れ場はそんなにない。でもエロいことしたカップルは死ぬ。
 SNSなど今っぽい要素がかなり上手く作中に取り入れられており、ちゃんと活かされている。
 血がいっぱい出てて景気が良い! というよりかは総じて結構痛そうなタイプの描写なので、そのへんがダメな人には勧めない。ジャンプスケアも度々ある。猫が可愛い(無事です)
 緊張を強いられるシーンはそんなに無いので神経がキリキリするようなことはないが、シンプルに多少の中弛みがあるので、途中少し疲れるかも。ただラストの展開がかなり見ていて気持ち良いので、そこでおおよその不満は解消される。


ゴールデンカムイ(2024)

舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期―。
日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地での鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。 (中略) 杉元&アシㇼパ VS.第七師団 VS.土方歳三……!! 雄大な北の大地を舞台に、一攫千金!三つ巴のサバイバル・バトルが、今始まるッ――!!!!

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 映画館で鑑賞。今月の大本命。
 ゴールデンカムイのあらすじとかオタクみんな知ってるのでだいぶ略しました。すみません。でもみんな知ってるからいいよね。
 素晴らしい完成度だった。
 「成功した実写化」と表現することに一切躊躇いの無いクオリティ。
 原作ファンによる前評判が上々だったこと、そして何よりも玉木宏扮する鶴見中尉のビジュアルの完成度がとんでもなかったのでかなり期待していたのだが、上げられたハードルを容易に飛び越していった一作。
 オタクゆえに気にかかる部分が無いでは無いのだが、製作陣には非は一切ない。オタクがキショいのが悪い。
 山崎賢人があんなにかっこいいとは知らなかったのでビックリした。肉体もめちゃくちゃ仕上げてきてくれており、ありがたい限り。
 原作のエピソードの分解・再構築がやたらに上手く、原作へのリスペクトあってこその手腕だろうと信じたくなる。
 「原作へのリスペクト」「原作愛」という言葉は、メディアミックスへの評価において取り扱いの難しい言葉だと認識しているが、その上でこういった言葉を使いたくなるのは、原作の再現の巧みさに加えて、コンテンツの核を外さず捉えているという評価に等しいものだと思う。
 少なくともゴールデンカムイはそうだった。
 とにかく売れて続編作りたいです! という熱がすごい勢いで迸っているので、本当に売れて欲しい。なんとかして次のるろ剣になってほしい作品。集英社もそう思うよなあ!?


THE FIRST SLAM DUNK(2022)

いつも余裕をかましながら頭脳的なプレーと電光石火のスピードで相手を翻弄する湘北の切り込み隊長、ポイントガード・宮城リョータ。
沖縄で生まれ育ったリョータには3つ上の兄がいた。幼い頃から地元で有名な選手だった兄の背中を追うようにリョータもバスケにのめりこむ。
高校2年生になったリョータは、湘北高校バスケ部で、桜木、流川、赤木、三井たちとインターハイに出場。今まさに王者、山王工業に挑もうとしていた。

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 映画館で鑑賞。実は初見。
 こちらも観るタイミングを逸し続けていたのだが、なんと復活上映をやるということで頑張ってチケットを取った。
 楽しい作品だった、というのが私にとっては適切な表現になる気がする。
 スラムダンクのことはネットミーム以外マジで何一つ知らないのだが、かなり楽しめた。
 長らくスポーツ観戦はしていないのだが、まさしくその面白さを思い起こさせてくれるような作品だった。
 今って3Dモデルこんなにクオリティ高く作って動かせるのかーという感動もあり。
 最初はキャラクターの顔と名前や関係性を把握するのが精一杯だったのに、どんどん試合の熱と挟まれるエピソードに入り込まされていった。
 名作ってどこから読んでも面白いんだなーという認識を改めてさせてもらった。
 いや、突然知らないエピソードいっぱい生えてきたらしいんだけど、それはそれとして。


みなに幸あれ(2024)

看護学生の“孫”は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く。久しぶりの再会、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には「何か」がいる。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る…。

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 映画館で鑑賞。実は結構楽しみにしていた一作。
 清水崇総合プロデュースということで、かなり期待を寄せていた……のだが……。うーん。
 個人的には微妙だった。
 元々は短編映画だったものを長編に仕立て直したということだが、作中で取り扱いたいテーマが間伸びしてぼけてしまったような印象が否めない。
 ホラーとしては生理的嫌悪に全振り。猟奇的なシーンがないわけではないが、基本的には不気味さや気色悪さに寄った描写が目立つ。
 「この世界の幸福の総量は決まっている」「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマ自体は良かったと思うのだが……。普遍性のある……というか、一定の共感を集められるテーマだからこそ、作中の異常性が悪い意味で不可解に宙ぶらりんになってしまったように感じた。
 要所要所の演出や映像は楽しめた。作中では弦楽器をメインにした音楽が用いられていたのも心地良い緊張感があり、ちょうどよかった。
 ホラー映画の見方として、「真剣に鑑賞して真剣に怖がる」「野次入れて茶化しながら見る」という二つのパターンがあると思うのだが、この映画に関してはどちらで観たほうが楽しめるのかの判別が最後まで付かず、それも微妙さの一因。
 いや、この映画を真剣に観ようとした私に非があるのかもしれないが……それにしたってさあ!
 結局何を伝えたいのかが不明瞭というか……軸をどこに置いているのかがいまいちわかりづらい。
 試写会かなんかで観た関係者っぽい人の感想が気になった直接のきっかけだったのだが、やっぱ感想が上手い業界の人の言葉って信じちゃいけないのかも。


市子(2023)

川辺市子は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川の元に訪れたのは、市子を探しているという刑事・後藤。後藤は、長谷川の目の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生...と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。
そんな中、長谷川は市子が置いていったカバンの底から一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。

公式サイト

 映画館で鑑賞。評判の良さもありなんとなく気になっていたところ、良い感じの時間帯に上映しているシアターがあったので駆け込み。
 結果大正解だった。本当に本当に面白かった。嗚咽を嚙み殺すくらい泣いた。
 随所で描かれる飾り気のない幸福、都合が良すぎるくらいどこにでもある日常、それがどれだけ得難く何にも代え難いものであったか。
 社会構造上の問題を取り扱った作品であるのに、内容自体には説教臭いところが一切なく、ただだ描かれていく主人公の人生の壮絶さに目を奪われる。
 誰かに優しくしたい気持ち、ただ自分自身として生きたいという希求、人間の身勝手な愛、どうしようもない疲弊と苦しみ、そういうもの全部が叫びとして伝わってくるようだった。
 特に最後の演出が素晴らしい。
 彼女の素朴な愛の独白から、躊躇いなく突き放されてしまうあの感覚。あんまり鮮やかで呆然とした。
 この作品にモデルとなる実在の人物が存在していないことが信じられない。
 パンフレットに主人公の人生の年表が記載されているので、この映画に心を動かされた人にはなんとか入手してほしい。


カラオケ行こ!(2024)

合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲は X JAPAN の「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が…。
聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?

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 映画館で鑑賞。情報解禁当初より正直あまり期待していなかったのだが、ずっと良い評判が聞こえてきたので気になって月末に滑り込み。
 も〜〜〜〜〜〜めちゃくちゃ面白かった。
 一月は実写化映画が当たりすぎている。一月最も笑った映画は間違いなくこれ。
 まさかここまでキャスティングが良いとは。一番どうなんだろうと思っていた綾野剛が一番良かった。あんまりにずるかった。
 周囲を気にせず笑えるという点では、配信での鑑賞もおすすめと言える。笑いすぎて声を堪えるために身体のいろんな箇所をつねっていたが、たまに我慢しきれず声が漏れてしまっていて申し訳なかった。でも本当に面白くて……。
 コミックス一冊分の話を映画の尺に合わせるにあたり、さまざまなオリジナル要素が遠慮無くぶち込まれているのだが、そのどれもがごく自然に必要なパーツとして活きている。何一つ違和感なく無駄も無く、カラオケ行こ! という作品を一つの映画として仕立て上げていた。
 「青春」という大きな軸を、大仰なくらいこの作品に一本通したのがやはり大変良かったと思う。
 成田狂児と岡聡実の二人に終始しないからこそ、二人の物語……というか岡聡実という人間の生きている世界が際立ち、あのラストの刹那の輝きに繋がったように受け止めた。ぴっかぴか。
 本筋には全然関係無いのだが、エキストラの一人が何故か米津玄師のライブグッズであるトレーナーを着用していたことに気が付いてしまい、そこで妙に気が散ってしまった。なんで?
 あと関西弁ネイティブのフォロワーと観に行ったので、直後に生の関西弁が聞けてものすごく嬉しくなってしまった。フォロワーありがとう。



総評

 以上、1月に見た映画のまとめ。
 ここには書いてないけど、金曜ロードショーで千と千尋の神隠しも見ている。当たり前なんだけど、何度見ても色褪せることなく面白い。
 あとゲ謎も4回行った。何回観ても面白くて大好きだけど、さすがにもう特典追加かトークショーとかが無い限り行かないかなあ。円盤楽しみだな〜〜〜。

 1月は基本的にどの映画もものすごく楽しく見ることができた。どれも……というとまあ嘘にはなるのだが、「観に行って良かった!」と思える作品が大半で嬉しい限り。基本的には評判の良い映画ばっかり見てるからというのも大いにあるが……。
 ただ、トークトゥミーを見損ね続けていることだけは心残りになっている。どこかでなんとか滑り込めないかな〜〜と上映スケジュールが出る度睨み合っているが、やっぱりちょっと難しそう……悔しい。
 それはそれとして2月も観たい映画がたくさんあるので、可能な限り足を運べたら良いなーと思う。
 今年はその月に見た映画の感想をnoteにまとめられたらいいなーとぼんやり考えているが、冒頭でも書いた通り感想や評価はFilmarksにも別途記載しているので、面倒臭くなってきたらそこの文章をnoteにコピペしてまとめるだけになる気もする。
 この記事を読んでくれた人が興味を持ってくれたらいいなー、そして情報にすぐアクセスできたら見てくれたりするかもなーと思ってそこそこ丁寧に記事作ったんですが、まあそれなりに面倒だったので次からはもっと不親切な作りになるかも。
 とりあえず飽きるまではやります。

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