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202410鑑賞ログ

 10月の鑑賞ログ。Filmarksはこちらから。
 タイトルの後ろの数字は製作年。ネタバレ含むので見たくない人は気をつけてね。
 記事内で用いている画像やあらすじは全部引用です。なにか問題などありましたらご指摘ください。
 10月はアニメのリバイバル上映(とはゲ謎はまたちょっと違いますが……)をいくつか観ましたが、やっぱり再度劇場に足を運びたくなる作品だけあってもう一度スクリーンで観ると……嬉しくって……大好きで……思い入れが加算されちゃってほんとだめですね。
 それはそれとしてなんか最近大好きだった作品がn周年記念でスクリーンに! みたいなこと多くてえ? ってなります。光陰って矢か。




10月のベスト

 というわけで、10月のベストは劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語です。すみません。もうこの作品をフラットな目線で評価するということが私にはできません。本当に好きで、大好きで……。
 リバイバル嬉しい。もう一度劇場で観ることが出来て感無量です。ワルプルギスの廻天も楽しみ。いくらでも待ちます。


鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版(2024)

廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。目玉おやじは、70 年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について…昭和 31 年――日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。帝国血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。それは恐ろしい怪奇の連鎖の本当の始まりだった。鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものは――

公式サイト

 PG12として昨年11月に公開されたゲゲゲの謎が、大ヒットを受けR15+版として再公開された本作! 327カットをリテイクし、音声も再ダビング、さらにレーティングもR15+になっており、もう告知があった瞬間からとっても楽しみにしていた一本です。
 あくまでリテイクなので、新規カットがあったりとかは特にないのですが、ただでさえ高いクオリティだった本作の作画がなんかがさらに良くなっており、何より明らかに作中で飛ぶ血の量が大幅に増量されていて笑いました。なんか鮮やかになってるし、ただでさえ景気が良かったシーンがさらに景気良く。なんて良い話なんだ。
 これをやりたいがためのR15指定なんだろうなって感じで面白かったです! 鬼太郎シリーズはどうしてもあくまで子ども向け作品ということで大人向けと銘打ちながらもPG12になったのかなーと思いますが、制作陣が既に完成されている本作でやりたかったことをやりたいようにやった結果、本作がR15+版として劇場公開されたんだなーと考えるとやっぱりすっごく嬉しいです。爆売れしてくれて本当に良かった。
 何度見ても胸に迫るものがあるというか、鬼太郎六期の前日譚としての完成度が本当に高いんですけど、その上で作品の持つメッセージ性の普遍性もものすごく高いというか。キャラクターもみんな立ってて、描かれなかった背景まで思わず考えてしまう演出と世界観設定が巧みなんですよね。
 これから先も何度も見ては嬉しくなれる作品だろうなあ。


悪魔と夜ふかし(2023)

1977年、ハロウィンの夜。テレビ番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック・デルロイは生放送でのオカルト・ライブショーで人気低迷を挽回しようとしていた。霊聴、ポルターガイスト、悪魔祓い......怪しげな超常現象が次々とスタジオで披露され、視聴率は過去最高を記録。しかし番組がクライマックスを迎えたとき、思いもよらぬ惨劇が巻き起こる――。

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 観に行ったフォロワーが「全然わかんなかった」つって帰ってきて、へーそんならまあ私もあんまりわかんないだろうなーと思って観に行ったら案の定全然わかんなかった一作。

 ジャンルは所謂ファウンド・フッテージもので、最近流行りのモキュメンタリーの一種です。要するにドキュメンタリー仕立てのホラー作品ですね。
 モキュメンタリーホラーってマジでここ数年ずっと流行ってますが、実はあんまり触れたことがない。このへんの走りになったのが恐らくYouTubeで人気のフェイク・ドキュメンタリー「Q」で、テレ東の「このテープもってないですか?」や「イシナガキクエを探しています※」(※リンク先ちょっと怖いです)、文字媒体だと背筋氏の「近畿地方のある場所について」あたりが特に盛り上がっていた印象です。特に背筋氏の名前は今年打ち出されたあらゆるホラーコンテンツで目にするようになりましたね。無限に推薦文見かけた。全く胸を張れる話じゃないんですが、このへんのどれひとつとしてまともに読んでいないっす。
 また、だいぶ前の話になりますが、一部でかなり話題になっていた阿澄思惟氏の「忌録」、これもモキュメンタリーと括ってしまっていいんじゃないかと思います。阿澄思惟氏は有名ホラー作家である三津田信三先生の別名義なのでは……という説が長いこと囁かれていますが、正直かなり納得できた記憶がある。これくらいかも、私のモキュメンタリーホラー経験値。

 どうでもいい話が長引きました、すみません。
 話を本作に戻すと、70年代アメリカのテレビショー仕立てで話が進んでいくので、そのへんの年代のアメリカの雰囲気が存分に味わえるというホラーの部分とはまた違った楽しさがあります。演出や音楽がオシャレで可愛い。
 落ち目であることを自覚しながら巻き返すために必死な司会者と、その中で進行していく生放送の裏側、みたいな感じで、正直話としては退屈な場面が続いたりもするんですが、話が不吉な方向に転がりだしてからはどんどん随所に不穏な要素が増していってワクワクさせられます。やっぱ人が実際に死ぬと盛り上がりますね。

 悪魔憑きとして出演した少女がかなりモノホンっぽい空気を演出してくるんですが、後半になってくるともう雰囲気どころではなく劇場版ナイト・オウルズ 決死の悪魔祓い! 少女の魂を救えるか!? みたいな演出とエフェクトになっていって笑えてくるほうの面白さがあります。
 なんか……それはそれとして、つまりこの展開はどういうことなんですか?? みたいな部分については、正直全然わからないです。意味深な映像はいくつか流されるんですが、答えを推察するヒントが不足しすぎているというか。
 正しい答えがあるかどうかすらわからないまま、推察のヒントもろくすぽ渡してもらえず、それなのに「答えに辿り着けなかったらそれは鑑賞した人間の知能不足」って、すごく意地悪に感じてしまうんですよね。ヒントが不足しているということはそれだけ描写の意味がわからないということで、正直見ていて面白くはないケースが大半だし。
 別に正しい答えなんてなくてもいいんですが、こちらに謎かけをしてきたり全貌をろくに明かさないまま物語の核心をこちらに丸投げされてたりするにも関わらず、まともなヒントが作中に存在しないという状態は結構ストレスです。そもそも問題文が穴だらけの設問に挑まされているようで気分が悪い。道程をまともに整備していないくせにこちらにゴールを丸投げするなと思う。

 正直この作品もそういった部分が見受けられるんですが、70年代アメリカのテレビショー仕立てというところに独自性とユニークさがあるので、まあ無料なら別に観ても損はしないと思います。景気良いシーンはやっぱ派手で面白いし。ファウンド・フッテージものとしてちょっと破綻してるところもある気はするんですが、そのへんはもう些細な問題なのかも。


ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)

家電量販店で働くショーンの楽しみは、同居している親友・エドとのゲームとパブでのビール。恋人・リズにふられて飲みすぎた翌朝、ショーンが目を覚ますと、街はゾンビであふれ返っていた。愛するリズと母親を救うため、無気力男・ショーンが立ち上がる。

リバイバル上映告知記事

 20周年記念にハロウィン付近の日程で上映されていたので鑑賞。ゾンビパニックホラー映画の金字塔というイメージが強かったので、2004年の映画ということを知ってビックリしました。もっと古いかと。
 ゾンビパニックホラーというジャンル、Filmarksでの分類がコメディということで、ほな笑えるタイプのホラーか……と思って観に行ったんですが、なんかオチがだいぶグロテスクというか、かなり趣味が悪くてドン引きしてしまいました。
 それまでが生々しさやそれに伴う居心地の悪さがある、どこか地に足の着いたキャラクター設定ながらも、そういった世界の前提を全部ひっくり返してしまうようなゾンビもののお約束の展開たち、交わされる会話の小気味の良さ、躊躇無い殺人、ガバガバの計画など、かなりコメディとして笑いながら観てたので、それだけに「え? これ笑うところなの?」みたいなあのグロテスクさが突如として突き付けられて困惑してしまう、そういう思いもよらなかったタイプの衝撃がある作品でした。底意地が悪いというよりかは、だいぶ皮肉……?
 ゾンビパニックホラー系って、こういう冴えない中年男性や学校でいじめられてるナードが突如として変わり果ててしまった世界の中で勇敢にサバイブしていき、ついでに危機の中でなんやかんやあり険悪だった恋人から惚れ直されたりクラスのかわいこちゃんと良い感じになったり……みたいな面白さがあるものですが、その道筋からは大きく外れないままにあのオチに至るのがすごかった。あそこ笑えた人いるのかな??
 個人的には急に突き放されたような気がして困惑してしまった部分が大きいのですが、突如生まれたこの距離感こそ本作と現実とは決定的に違う世界であることの証左な気もして、思い返すと嫌いなオチでもない。でも本当に急に笑えない、怖い世界になったのでビックリしてしまう、そんな感じ。
 面白かったけど……面白かったけど、なんか想定してたものとはまるで違うタイプの怖さがある作品でした。


劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013)

魔法少女は絶望から救われたのか――
”円環の理”に導かれて、少女たちの新たな物語がはじまる。
鹿目まどか。かつて、幸せな日々をおくっていた平凡な一人の少女が、 その身を賭してすべての魔法少女たちを残酷な運命の連鎖から解き放った。 まどかへの想いを果たせぬままに取り残された魔法少女・暁美ほむらは、 彼女の残した世界でひとり戦い続ける。
「懐かしいあの笑顔と再びめぐり会うこと会うことを夢見て――」

公式サイト

 大好き!!!!!!!!!!!!!
 ごめんなさい、もうそれ以外言うことがありません。
 美しい……ですよね。魔法少女まどか☆マギカのアニメの続きとしてお出しされた作品がこれであること、もう涙しか出ない。放送終了から約二年でこれが完成するのもすごすぎる。
 まどマギのあの世界観を独特のものとして際立たせるのは劇団イヌカレーのアニメーション演出、そして梶浦由記氏のあの音楽ですが、やっぱね!!!! 魔女になった暁美ほむらとかオタクがみーーーーーんな見たかったやつで!! メインどころの魔女バージョン自体は叛逆前にゲームのほうで設定出てたみたいなんですが、やっぱアニメでさあ!! 見られるとさあ!! 超嬉しくてさあ!!!!
 別にみんなと離れてひとりで遠くになんか行きたくない、そんなの耐えられっこないという、己の役割を全て忘却したまどかの掛け値のない本音を知って以降のほむらの、一見対話しているようでまるで話を聞いちゃいないあの不気味さもめちゃくちゃ好きで。なんか突然悪魔を名乗り始めるところとかは正直面白いんですけど。
 劇中のWelcome to Cinemaって表示も大好きなんです!! あそこを劇場で観る度に嬉しくって泣いちゃって、これがもう一度スクリーンで観られただけでもう死んでもいいって気持ちになる。
 序盤のほむらの結界における世界観も、Puella Magi Holy Quintet(Puella Magi Holy Quintet???????)とかいうガチで知らん過ぎるチーム名とかみんなが必殺技名を叫んでナイトメア退治をするくだりとか、このへんもまあ正直笑ってしまうところはかなりあるんですが、こんな子どもじみた稚いやさしい世界があのほむらの理想だったんだと思うと、結構つらくもなってしまう。どんどん真実に辿り着いていってしまうあの過程も序盤との温度差が苦しくて好き。
 私は結局叛逆だとKarafinaのMisteriosoが流れているパートが一番好きで、ここ本当に何回観てもありえないほど泣いてしまう。この先の展開ってなんかとんでもないことになっていくんですが、ここのカタルシスもんのすごいんですよね。あと各キャラクター間の関係性のサービスシーンがこれでもかとドバドバ。うれしい。泣いちゃう。大感謝。
 違和感のない世界を作るための一助だろうとは思うんですが、杏さやを同居させたのもほむらの意思だったと考えるとやっぱおもろい。ほむらさん杏さやを同居させてくれてありがとう。
 なんかいざ見直してみたら記憶の中よりずっと各ペアの距離めっちゃ近くて面白かったです。

 まどかの意思も救済も全て無視してまどかを救う、まどかの心を知ってしまったほむらがそういう選択をするのはすごく納得できて、あなたのためなら世界もあなたも敵に回してしまって構わない、その身勝手さが暁美ほむらというキャラクターの魅力のひとつでもありますね。
 まどかによる改変からさらに書き換えられてしまったこの宇宙で、次はどんな物語が始まるのか、今から待ち遠しくてたまりません。まどマギだいすきー!(まどマギキッズ)


ゴヤの名画と優しい泥棒(2022)

1961年。197年の歴史を誇る世界屈指の美術館・ロンドン・ナショナル・ギャラリーから、ゴヤの名画「ウェリントン 公爵」が盗まれた。ロンドン警視庁はその巧妙な手口から、国際的なギャング集団による周到な計画による犯行だと断定。しかし、この前代未聞の事件の犯人はケンプトン・バントン、60歳。長年連れ添った妻と優しい息子とニューカッスルの小さなアパートで年金暮らしをするごく普通のタクシー運転手だった。
孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、 事件にはもうひとつの隠された真相が……。
当時、イギリス中の人々を巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは――!?

公式サイト

 実話を元にした作品ということで、ゴヤの絵も盗まれたことがあるんだーと思い鑑賞。
 個人的には……うーん……結局……泥棒って……良くないよね!! みたいな意識が……拭えず……あんまりハマれなかったかも。これが実話ベースなのも、その上でああいった真相が描かれるのも感嘆すべきことではあるし、実際オチにはビックリしました。
 主人公である老人、ケンプトン・バントンを好きになれるかどうかなのかも。茶目っ気があり心ある人なのはそうだと思うんですが……思想強いしいろんな意味で行動力あるし、妻にめちゃくちゃ迷惑掛けるし……嫌いとまではいかないんですが、そんなに好きにはなれなかったかなーという感じです。
 権威ある組織からプロの仕業だと目されている犯行が実はズブの素人によるものですみたいな、その手の面白さはまああるんですが……。個人的には、作中の魅力的な要素よりも各種の苦しい部分のほうが残っちゃったんだと思います。
 当時からイギリスは陪審制だったらしく(全然詳しくないのでなにか見当違いなことを言っていたらすみません)、ケンプトン・バントンの発言を受けての裁判の結果とかは好きです。裁判シーンは全体的にいかにもイギリスらしいウィットに富んだ会話の応酬のオンパレードで面白かった。
 他人に勧めるかというと……ゴヤの作品が盗まれた事件に興味ある人なら、という感じです。つまらなくはない! これ実話なんだ……というインパクト自体はしっかりあるので。


総評

 10月は下半期比劇場鑑賞作品が多くて楽しかったです。
 映画館での鑑賞って自分だけではどうにもできない要素が複数あるので賭けの側面があることは否定できないんですが、やっぱり劇場で映画を観るのってある種のアトラクションだな~~~~。
 もう11月も下旬なんですが、あと1回くらいはどっかのタイミングで映画館行きたい。観たいと思いつつ行けてない作品いくつかあるんですが、なんか滑り込めるかな……。
 どんどん記事公開のタイミング遅くなってて不甲斐ないですが、書き始めるとなんだかんだでやっぱり楽しい。
 今年最後に劇場で観るのはたぶんあの作品だろうなーという当たりももうついてたりして、あっという間に2024年も後半戦です。悔いのない……と言うには既に鑑賞のタイミングを逸してしまった作品が複数あるので切ないですが、年内このペースで駆けていけたら。

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