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グループ全体での熟達をめざす。SmartHRのUXライティンググループが実施する「シン・じっくり共有会」

こんにちは。2022年8月にSmartHRに入社し、UXライターという職種で働いています。今回は、私が所属するUXライティンググループで実施しているナレッジシェアの仕組み「シン・じっくり共有会」についてご紹介します。

シン・じっくり共有会とは

私が入社する以前から「じっくり共有会」自体は存在していました。その会の目的と立て付けを見直し、新たに運用されている仕組みを「シン・じっくり共有会」と呼んでいます。

先に具体的な運用をご紹介します。シン・じっくり共有会は以下のようなフローで運用されています。

  1. トピックを貯める

  2. トピックについて話す

  3. 話した内容をまとめる

トピックを貯める

SlackとNotionを利用しています。ネタになりそうなものに「じっくり共有会で」という絵文字をつけるとトピックがNotionに自動で保存されていきます。トピックが枯渇する懸念がありそうであれば、トピック発散会を実施し、トピックが尽きないように工夫もしています。

トピックについて話す

週イチで実施するシン・じっくり共有会でトピックについて話します。以前のじっくり共有会では、一人がナレッジを発表する形式でしたが、シン・じっくり共有会では双方向的に話すことを意識しています。それぞれ違う暗黙知をもっている可能性があり、全員の発言を促したいので1部屋3人ずつのブレイクアウトルームに分かれて「じっくり」話す立て付けになっています。

話した内容をまとめる

話された内容は社内用のドキュメントもしくは社外公開しているデザインシステムのガイドラインとしてまとめていきます。まだまとめられないねとなった場合はまとめるために必要なトピックをまたNotionに更新していきます。

この運用は知識を段階的に固めていくという考え方のもとに設定しています。

知識を段階的に固めていく、というとイメージがしづらいかもしれないので、UXライティンググループで説明した時には、「豆腐」を例に用いました。前職、インクワイアに所属していた時にお仕事でご一緒したミミグリの安斎さんが用いられていた例えを引用させていただきました。

豆腐の製造工程をざっくりいうと、以下のようになります。

  1. 煮呉(にご):水に浸しておいた大豆を細かく砕いて加熱したもの

  2. 豆乳:煮呉から絞りだした液体

  3. 豆腐:豆乳ににがりを加えて固めたもの

これを知識の段階と照らし合わせて説明すると、このようになります。

  1. 煮呉レベル:まだ形式知になってないところ、個人の中にある暗黙知

  2. 豆乳レベル:個人の中では言語化できるところ

  3. 豆腐レベル:集合知の形式知としてまとめられてるところ。ガイドラインなどのイメージ

じっくり共有会では、トピックを設定し自分が実際にやっていることを言語化することで煮呉を豆乳に、豆乳を豆腐に変えていくことを狙いにおいています。

例えば、SmartHRのヘルプページには「囲み」と呼ばれる要素があります。囲み自体はデザインシステムで説明されていますが、複数のヘルプページを並べてみると囲みを使う・使わないの判断は個人によって差異があるとわかりました。デザインシステムで定義されている以外にもそれぞれに暗黙知的な判断の基準があります。これが煮呉です。


囲みの例:注意を促したい重要度の高い情報を記載する場合

煮呉の言語化を一人でやることは難しいですが、複数人で話すと相手と自分の考え方の違いを話すことがそのまま煮呉の言語化につながります。

ナレッジシェアの上位にある目的

シン・じっくり共有会はナレッジ共有の場として設けていますが、その目的はより上位にあります。それは、UXライティンググループを「熟達のためのコミュニティ」として活性化させることです。

SmartHRの開発組織はマトリクス型の組織構造になっています。UXライターはそれぞれ担当プロダクトの開発チームとUXライティンググループの2チームに所属しています。開発にひもづく業務が主なので、必然的に同じ課題に取り組む機会は開発チームのメンバーとのほうが多くなります。

しかし、開発チームには基本UXライターが1名しかいません。そのため同じ職能のメンバーとナレッジを交換する機会を意識的につくっていく必要があります。この機会をつくることも含めて同じ職能のまとまりであるUXライティンググループには「熟達のためのコミュニティ」としての機能が重要です。

その機能をより活性化させる役割を担っているのがシン・じっくり共有会です。

実際に、シン・じっくり共有会がはじまってからは、業務の中でそれぞれが構築してきた暗黙知を交換する機会を持てているように感じています。メンバーからも以下のような声をもらっています!(喜び)

ヘルプ記事の囲み(注意点、Tips、関連記事)について話した会が印象に残っています。「この注意点は適切」「このTipsは改善の余地あり」といった議論をとおして、囲みの使い所の認識をあわせられました。「一貫性のあるヘルプ記事の提供」に、また一歩近づいた気がします。
毎週火曜のじっくり共有会を楽しみにして、日々生きています!(小ボケ)

kunyさん

ライティングを軸にメンバーの考えや経験をラフに話すことができ、暗黙知の言語化が加速したと実感しています。各自の具体的な事例から見えてきた共通点をガイドライン化するなど、共有で終わらずに、暗黙知を昇華させていく点も良いです。こうすることで他職能にもナレッジが伝わり、グループ内だけでなく社内全体での熟達につながっていく気がしています!

8chariさん

以前のじっくり共有会での、誰かの知見を発表して共有するスタイルと比較して、ディスカッションをできるようになったことは今のグループにとっては大きな変化。形式知にならないこともあるけれど、普段は各開発チームでバラバラに働いていて、お互いの考え方をズレ埋めする機会がなかったので、良い効果をもたらしていると思います。

おおつかあぐりさん

組織全体で熟達をめざす社内文化

SmartHRには、UXライティンググループが実施するシン・じっくり共有会以外にも個人の知を組織知にしていくための活動が多くあります。例えば、8chariさんが実施されているテクニカルライティング講座もその1つです。

他にも、「アジャイルやっていきの集い」では職種横断でアジャイルに関する知見を交換し合っています。

どちらも記事があるので、詳細な説明はそちらに委ねますが、「お互いの知見を交換しながら、組織全体で熟達していきたい!」そんな思いがある方にはぴったりな環境だと感じています。

興味がある方はぜひ採用ページをのぞいてみてください。


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