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内海海岸物語①           伊勢神宮と内海を結ぶパワースポット 「つぶてヶ浦」に伝わる壮大な民話


 愛知県知多半島 遠浅できめの細かい砂浜が弓状に2キロにわたって続く東海地区最大級の海水浴場 内海海水浴場。
この2年 50年以上続いた「内海花火大会」はコロナの影響で2年間中止に追い込まれた。今年の夏、7月の砂像アートイベントなども開催されて、8月20日には3年ぶりに花火大会がスケールアップして開催予定だ。
 そもそも、海水浴場としての歴史は明治末期まで遡る。「千鳥ヶ浜」と言われ、美しい白砂で「日本の渚百選」にも選ばれている。

 そこから、少し1㎞ばかり南にいったところに、伊勢湾を望む海岸に鳥居が立つとてもシンプルな観光スポット「つぶてヶ浦」がある。とは言っても
多くの人々が内海は訪れたことがあるだろうが、あまり知られていなのではないだろうか。私も、内海のことを調べ出して、初めて知った。
 実はここにはとてつもなく壮大な民話が伝わっている。

それは、伊勢の神様たちが小石を投げて対岸まで届くか
力比べをしたというもの。

 まず、1番目に投げたのは万旗豊秋津姫命
           (よろずはたとよあきつひめのみこと)。
この神様は、天照大神(あまてらすおおみかみ)に仕える機織りの女神だ。
小石(つぶて)は対岸まで届かず伊勢湾に散らばってしまった。
次に伊勢神宮内宮に鎮座する御祭神、天照大神が石を投げると海岸を超え
背後の山まで届いたそうだ。
3番目、天手力男命(あまのたぢからおのみこと)が投げたのが鳥居の前にある巨石!
 この神様は、天照大神が隠れた天の岩戸をこじあけた力持ち。
見事つぶてヶ浦の海岸に届いた。
最後にひとつかみの小石をなげたのが、豊受大神
                  (とようけのおおみかみ)。
天手力男命が投げた巨石の周りにバラバラと落ちた。
 豊受大神は、伊勢神宮外宮に鎮座する御祭神で、衣食住や産業の守り神。神様たちが投げた小石(つぶて)がたくさん落ちていることから、この地が「つぶてヶ浦」と呼ばれ、伊勢神宮を遥拝する位置に鳥居が建っている。
万旗豊秋津姫命と天照大神が投げたと言われる小石は見ることができないが、民話によれば鳥居の前後に落ちている。天手力男命と豊受大神が投げた石は鳥居の前や周囲に眺めることができる。
 石は対岸の伊勢と同じ組成だと言われ、ここからもう少し南の豊浜地区には伊勢山と呼ばれる地域もある。
 実際には、この海岸は約1,500万年前の地層で、火山活動や海底地震が作りだした大津波のエネルギーが海底にあった大きな岩を、ここに運び込んだと言われているそう。
 そりゃあそうだろう。だけど、大岩を見て、それがいつの間にか民話となり、尚かつ鳥居まで建ててしまう。ロマンがあるではないか。鳥居の前に立って、伊勢湾を眺めると、天気のいい日は対岸の伊勢神宮方面がはっきりと見える。夕暮れに訪れると夕陽を浴びた伊勢湾を眺めながら、パワーを感じてします。この夏は、海水浴場を訪れる際に、立ち寄ってほしいものだ。
 何かパワーを感じるかも。内海のパワースポット「つぶてヶ浦」この夏
立ち寄ってみてほしい。
 地質学的にも検証して、「ブラタモリ」で是非取り上げてほしいものだ。



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